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Mental Blog

2006年からメンタルトレーニングの勉強を始めたMT初心者によるエッセイ。

相手を褒めるという行為 ~停滞・退行期を乗り切るために(1)

2013-11-05 16:00:38 | ポジティブシンキング
くっそ…。体調がやっと戻ったところで日直か。
なかなか現場に顔を出せなくて心苦しいよ。
すまないな。

成長の話をした。
人間の成長っていうものは、なだらかにせよ急にせよ順調に直線的に伸びていくものではない。
だからこそ、「定着してこそ成長」と述べてきたわけだ。
この数試合を見る限り、君たちの力は夏休みのあの頃に比べれば格段に上がっている。
本当によく伸びてくれたと思う。

しかしながら、成長は一度ならず二度三度停滞する時期が来る。
あるいは人によっては退行してそこから再び伸び、停滞し、伸びる…という繰り返しになる。
大事なのは調子を落としたときに、いかに努力できるか、あるいは場合によっては開き直ることができるか、だ。
伸び悩む時期・調子を落とす時期がきたら、そのときは相談しなさい。
またその折に解決策を授けようと思う。

成長曲線は実はゲーム中のチームの雰囲気にも同じことが言える。
序盤を大事に入りに集中すべきことは誰もが認識していることと思う。
しかしながら、その入りの雰囲気は序盤で大量得点をした後に、必ずや退行する時期を迎える。
そこでしのいで終盤に向かえるか、それともひっくり返されるかは、その退行する必然的に訪れる時間帯をいかに過ごすかによって変わってくる。
このチームの場合、序盤に大きくリードするという経験があまりなかったために、その対処法について考えなければならない。

その打開策としてひとつ言えるのは、相手のプレーをほめること、だ。
ファインプレイによってチャンスをつぶされたときに、落ち込んでいても退行は進む一方だ。
しかしながら、「ナイスプレー!」と相手を褒めることにより、自分たちも雰囲気を落とさずにすむ。
ポジティブシンキングによる切り替え作業だ。
あるいは、姿勢と心理が連動するという話につながってくるだろう。

姿勢と心理は連動する。
たとえば、楽しいときは目線は上がるし、悲しいときは下を向く。
逆に下を向いて大笑いはできないし、上を向いてすすり泣くことは不可能なんだ。
だからこそ、苦しいときほど上を向けば自然と気持ちは前を向くわけ。
つまり。
チャンスをつぶして辛いときこそ、相手を褒めて上を向くことで次へのポジティブな入りにつながるわけだよ。
もちろん褒めるときは下は向かないよね。
形だけ褒めてても意味はないということだ。
ちゃんと相手のパフォーマンスに感動できるようになりなさい。

ほかにも対処法はあるが、今日はこれくらいにしておこう。

いかに崩れていかない努力をするかばかり考えていた頃にくらべると、今日の記事なんかはいかにリードを保つかなんてトピックだ。
う~ん。驚きの進歩だな。
だが、言っておくよ。
ある程度の定着の次には、必ず停滞あるいは退行期がやってくる。
だからこそ慢心せずに、自分たちの力のなさを自覚し、挑戦者の気持ちを忘れてほしくないのだ。
まだまだ言い続けるよ。
俺たちは弱いんだって。な。

言葉を変えれば心が変わる

2011-11-25 10:21:49 | ポジティブシンキング
昨日の記事の最後の言葉。
「言葉を変えれば心が変わる」
われながらうまいことを書いたものだとうぬぼれながら、実際にはどのようなケーススタディがあるのか高畑『メンタルトレーニング』から例を挙げておこう。

ガンバ→ベルディと正GKをつとめた本並健治の場合。
Jリーグ開幕と同時に接触プレーにより腎臓破裂の大けがをおい、長期の戦線離脱を余儀なくされた。
普通の選手ならここでレギュラーを奪われないか…どころか復帰できるかどうか心配になるところだが、彼は「1年後のガンバの正GKは俺だ」と自分に言い聞かせるだけでなく、周りにも自信満々な口調で言い続け、みごと日本サッカー界を代表するGKとして名を残した。
自分の発した言葉は100%自分は聞いている。
セルフトークというMSの効果を考えれば、自分がネガティブな言葉を吐くことで、自分の心理にネガティブな種が植えられるのはわかるだろう。
人は自分が望む人間にしかなれないのだから、自分の発する言葉は自分を形作ってしまうことを覚えておこう。
さらに、自分の発する言葉を人に聞かれた場合、その人の心理にも「あ、こいつはネガティブなんだな」という印象を植えつける。
そうなると周りからもそう見られ、自分でも心にすりこみ、ネガティブさから脱することのできないスパイラルに陥る。
上記の本並選手は、これを逆に活用した例だ(意識したかしないかは別として)。
自分がポジティブな言葉をはき続ければ、自分も周りもその人間を前向きな人間としてとらえるようになる。
言葉を発するということには多大な影響力があるのだ。

中日ドラゴンズの谷繁元信の場合。
たとえばその試合でフォークボールの調子が悪かった投手がそのできについて気になって谷繁のところに行く。
「今日のピッチングどうでした?」
谷繁は次のように話を切り出したそうだ。
「今日はストレートがものすごく走っていた、あれはいい球だった。次はフォークも大丈夫。」
当然投手としては自分の調子の悪さは把握している。
ところが、まず褒められることで気になっていたフォークが意識から外れる。
それに褒められることで気分も良くなり、次に「大丈夫」と話を締められることで、次からの試合にマイナスのイメージが残らない。
逆にこうきりだされたらどうなるだろう。
「今日のフォークは落ちが悪かったね。ストレートはよかったんだけど…。」
こうなると気になっているところをずばりと言われてその後のほめた言葉が心に残らないという。
…以上は高畑氏の考え方だが、もしかしたら端折っているところがあるかもしれないので、僕の考え方を示しておく。

たしかに試合に向けてはマイナスのイメージは残さないに限る。
連投しなければならないケースでの言葉ならこれ(【褒める→励ます】)でいいだろう。
だが、調整期間のある選手に対してはもう少し反省点も述べてやることだ。
その順番だが…理想は以下の順番かな。
「今日はストレートが走っていたね。ただフォークの高さが甘めだったな。まぁでも今日ぐらいストレートが走っていればタイミングを外せるからそんなに気にすることないと思うけど、もう少し思い切り腕を振ってみなよ。ランナーがいても俺がしっかり止めてやるからさ。」
【褒める→課題の解決法を考えてやる→励ます】
なぜ「褒める」ことを最初にもってくるかというと、最初から否定されると人は心を閉ざしてしまう可能性が高いからだ。
心を閉ざさないまでも、高畑氏の言うようにそこばかりが気になって後の話が頭に入ってこないものだ。
もちろん、最後にマイナスのイメージを残さないことが大事なので、最後に褒めたり励ましたりして安心感を与えてやることも必要になってくる。

今日はポジティブな言葉を自分が発する意味と、相手をポジティブにもっていく声かけについて論じてみた。
最近おろそかになっているネガティブワード禁止令を再徹底してもいいんじゃないかな…と改めて思いながら。

心の揺れ幅を持つ

2011-11-24 11:45:17 | ポジティブシンキング
高畑『メンタルトレーニング』より引用。
引用開始。
桑田真澄投手は、「投手というのは一回から九回までヒットを一本も打たれず、0点に抑えたいと強く欲求する生き物だと表現する。
もちろん、その欲求は大切だが、「点を取られてもチームが勝てばいい」という心の揺らぎの幅を持つことが必要だという。若い投手というのは、この揺らぎがないため一本のホームランでガタガタと崩れてしまうのだ。
「高層ビルと一緒で揺れがなければ、地震などがあったときに一気に崩れてしまう」と語る。実はこの心の揺れ幅が、彼のプラス思考の原点になっている。彼はマウンドに向かう前に、あらかじめ味方の打者と相手投手の力や調子を計算して、「今日の味方打線は、最低三点は取ってくれるはず」と考える。
つまり、二点までは仮に取られたとしても勝てることになる。この揺れ幅があるので、ホームランを一本打たれたとしても「二点取られていいうちのまだ一点だ」とプラスに考えられ、それに打ちひしがれるということもなくなる。「0点で抑えるという完全性が、これで崩れてしまった」とマイナスに考えるのとでは、最終的にまったく違う結果になるはずだ。
引用終了。

この「心の揺れ幅」については、日曜の試合後に少し話をした。
では、その「幅」を持つためにはどうすればいいだろうか。
それが、先日のOBのコメントに対する返信につながってくるわけだ。
その場だけ幅を持とう(ポジティブになろう)としても無理な話。
ポジティブな考え方は日常生活から培わなければならない。

上記の『メンタルトレーニング』には次のような例が出ていた。
バルセロナ五輪の陸上代表選手:渡辺高博の場合。
①「今日はいい目覚めだった」「乗り継ぎが良かった」「いい天気だ」というプラスの言葉をセルフトークし、そこから「今日は自分にとっていい日になりそう=結果が出そう」という強引な結びつけを行う。
②あえてゴミを拾ったりして「いいことをしたから結果が出そうだ」とあえてプラスの行いをする。
③練習中にチームメイトにネガティブな言葉を吐いていないか指摘してもらう。
…うん。
礼儀正しくマナーもよくしていれば、胸を張って生活できるよね。
それがポジティブシンキングにつながるってことを一流のアスリートも証言している。
「人として」だけでなく、やっぱり野球にも生きてくるんだよ。
③にいたっては僕もかつて君たちに課題として課したことがあったよね。

これとは別にK捕手にしてあげたアドバイスを載っけておこう。
人間である以上はネガティブな言葉が出るのは仕方のないこと。
かくいう僕も年中(…とはいわないが)ネガティブな言葉を吐いている。
そこで、だ。
ネガティブな言葉を吐いた後に、逆説的な言葉をつなぐ習慣をつけるんだ。
「今日は寒いな~」ではなく「今日は寒いな~…でもトレーニング日和だ、がんがん走ろう」。
「アウトオブシーズンに入っちゃったな~…でも今までベンチで身体を動かせなかった分みっちり練習ができるってことだな」。
「今日は打てなかったな~…でも苦手なタイプの投手がわかったから収穫だな」。
などなど。

心が変われば態度が変わる
態度が変われば行動が変わる
行動が変われば習慣が変わる
習慣が変われば人格が変わる
人格が変われば運命が変わる
運命が変われば人生が変わる

とは有名な言葉だが、この先頭に次の言葉を付け加えておこう。
「言葉が変われば心が変わる」

不調の脱し方

2011-09-21 21:58:15 | ポジティブシンキング
「不調の脱し方」とタイトルづけしたからには、やはりこの記事のカテゴリもポジティブシンキングに入るのかな…。
一昨日の試合後に話をしたことだ。

たとえば打撃の調子を落としている選手がいたとしよう。
トンネルから抜け出すには【試合中】・【練習中】・【それ以外の時間帯】…この3つに区切って気持ちを切り替える必要がある。

【試合中】
試合中はぐだぐだ考えていても結果が出るわけがない。
雑念は集中力を妨げるからである。
そこで、試合中は「開き直る」必要があるのだが、この「開き直り」には2つのパターンがある。
①打撃に思いを置きつつ開き直る方法
…これは、「とにかくストライクは全球フルスイングしよう」であるとか、「ばらついてるポイントが発見できればいいや」など、ひとつの課題だけに意識を置き、結果は気にしないという「開き直り」方である。
かつてW投手が制球を崩した時に、「とにかく腕をしっかり振ることだけに専念しろ」とアドバイスしたことがあるが、「開き直り」というよりは、雑念を払うためにひとつのこと「だけ」に集中する方法。
②まったく打撃に思いを置かない開き直り
…これは現3年生のH二塁手の不調の脱し方として、僕が彼に教えてもらった方法だ。
「今日は守備でいい動きをすれば打撃はどうでもいいや」という、完全な開き直り方。
まじめすぎる人間はこちらの方が開き直りとしては徹底しやすいだろう。

【練習中】
試合中は上記の「開き直り」に徹するとしても、練習中はとことん課題に取り組むことだ。
そうでないと、開き直りではなくただの「逃げ」になる。
ただ、練習していても、「もう何をやったらいいのかわからない」と、頭の中がぐちゃぐちゃになることもあると思う。
そうい日はいっそ素振りも何もかもやめて守備練に徹したりトレーニングに徹したりするといいだろう。
そうならないための手法が、次の【それ以外の時間帯】の気持ちの持ち方だ。

【試合・練習以外の時間帯】
寝る前のリラックスした状態、あるいはアップ時のリラクゼーションの後のイメージトレーニング。
これが、不調を脱するには大きな武器となる。
イメージングはリラックスした状態で効力を大きく発揮する。
そのリラックスした状態のときに、「自分が一番よかった頃のフォーム」を思い出しつつシャドウを行う。
これを何度も何度も繰り返していくと、体にすりこまれ、試合・練習時に自然と体が動くようになる。
ただし、フォーム矯正中は過去の自分のベストを思い出さない方がいい。
フォーム矯正中は、練習中につかんだ「これだ!」というフォームを記録・記憶すること。
記録の必要性はミーティングで述べたとおり。
なるべく生々しい記憶を呼び起こせるよう、どんなときにどこでどのように自分が打ったのか、克明に記録することだ。


どう?参考になるかな。
ちょっと悩んでるやつが多そうだったのでこんな話をしてみた。
本当は直に相談しに来てほしいんだが、なかなか僕もグランドに出られない。
ただ、よく覚えておくんだ。
あけない夜はないし、出口のないトンネルも迷路もないってことを。
そして、そもそも不調ってのは力がある人間にしか襲ってこないってことを。

ミスをしても胸を張れる人間になれ

2011-09-20 18:16:48 | ポジティブシンキング
今日話す話題は、カテゴリ別分類に困るところだ。
日曜の試合のケーススタディになるといっちゃなるんだが、シートノックを見て感じたことなので、試合内容でもないし。
「胸を張れるミスをしろ」ということが言いたいので、ポジティブシンキングにしておこうか。

今日話す話題は、特に外野手の捕球に関して感じたことだ。
どうも無難にこなそうとしている感が強い…。

例えば、外野手Aへ高い飛球。
すぐさま落下点に入って利き手側の肩の上で捕球し、そこからスロー。
いまいち球が弱いが、ラインはばっちり。
一方で、外野手Bへ高い飛球。
落下点より数歩下がったところから勢いをつけてスローにつなげようと捕球へ。
結果的に下がりすぎて胸より下で捕球。
握り替えをもたつきラインもずれて勢いもない送球が内野へ。

Aは特に責められず、むしろ褒められる。
Bは周りからも監督からも罵声をあびせられる。
…さて、君たちならA・Bどちらを選ぶ?

ミスはしたくないよね。
褒められる方が誰だっていい。
だが、君たちは褒められるために日々練習に励んでいるのだろうか。
そうではあるまい。
君たちは夏に最高のパフォーマンスを発揮するためにやっているんじゃないのかい?
だったらミスを恐れて褒められるよりも、ミスを覚悟でどんどん挑戦をしていかないと。
高い意識を持ったミスよりのほうが、無難な成功よりも何倍も尊いことを知るべきだろう。
そうやっておきたミスならば、無難にやって褒められている奴の何倍も胸を張るべきだ。
誰に何を言われたって、誰も理解してくれなくたっていいじゃないか。
「俺はこういう意識でミスをしたんだ、責めたい奴は勝手に責めてろ」
…そう思っときゃいい。

ちょうど監督もあの試合の前に「限界を知るチャレンジを」と述べていたが、僕もあのシートノックを見てそう感じていたところだ。
指導する側の向いている目は一緒だよ。
君たちも同じ方向を向かないとな。

地区予選で敗退したチームは自分たちの限界をすでに知り、だから死にものぐるいでやってくるんだ。
われわれはビッグネームを破り、県大会でもスコア的には惨敗はしなかった。
「結構やれるじゃん」…そう思って挑戦を忘れると、春はない。
春に気づいても夏はなおさらない。
この冬にどれだけ力をつけられるか…。
結局一昨日も昨日もわれわれは落としている。
そろそろ気づいた方がいいんじゃないか?