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Mental Blog

2006年からメンタルトレーニングの勉強を始めたMT初心者によるエッセイ。

矛盾の消化を求める

2012-06-29 07:56:26 | 2012年 ~19期公式戦
オープン戦も残すところ5本の指におさまる数になってきた。
改めてこの一年間、公式戦で学んだことを思い出しながら戦うんだ。

秋に学んだこのチームの「雰囲気の法則」。
もっとも大きな収穫だったと思う。
たしかに集中力を最大限高めるには、ほどよい緊張感が必要だ。
だが、無理に緊張感を高めるべく高揚する気持ちを抑えようとすると失敗する。
おそらくはそれが君たちが体感しないまでも、公式戦にはそれなりの緊張感が君たちを支配するからだろう。
その緊張感を打破する有効な方法は、このチームにおいてはサイキングアップである。
お祭り騒ぎのベンチで、明るい雰囲気を作ることにつとめることだ。

ただ、春に「単なる明るさ」だけでは対応できないことも学んだ。
“too positive”の危険性だ。
正直、僕も春の県大会2回戦では、相手校との過去の相性を引き合いに出し、この“too positive”の魔術に陥ってしまった。
「いけるぞ!」で迎えた延長戦でわれわれはゲームを落としたね。
地区予選の最終戦で学んだ「ひとつひとつに真摯に向き合うこと」を忘れ去ってしまった瞬間であり、同時にそれは「ここでひっくり返さないといけない」という執着心を失った瞬間であったように思う。

この執着心こそが、今のわれわれの課題であろう。
ずっと僅差で敗れる試合が続いている。
いかにして取れるときに取っておくべきか。
少なければチャンスは9分の3。
ひとつひとつのチャンスをしっかりとモノにしていくべきことを忘れてはならない。

難しいことを要求している。
笑顔はいらないと言っておきながら、お祭り騒ぎでいけと言ってみたり。
お祭り騒ぎでいけと言っておきながら、執着心を見せろと言ってみたり。
矛盾をはらんでいるように思うかも知れないが、シロウトならいざ知らず、1年間ないし2年間僕の話を聞いてきた君たちならきっと消化できると信じている。
この「矛盾」をいかに消化し、僕のMTを結実させてくれるか。
それも今度の大会の僕の楽しみである。

悔いを残さぬよう悔いること

2012-06-28 19:48:46 | 2012年 ~19期公式戦
一球一球が引退までのカウントダウンである。
一打席一打席がこのチームの解散へのカウントダウンである。

ひとつのミスに苦笑いを浮かべている暇はないのだ。
ひとつのミスに対して悔し泣きこそすれ笑うことなんてとてもできない…今はそんな時期である。
その凡打一つによって夏の打席を失うかもしれない。
その失策ひとつによって夏の守備機会を失うかも知れない。
そんな思いをもって白球に向き合えているだろうか。

夏に出られないと一生悔しい思いをするだろう。
采配をふるう側も、三年生を使ってやれないことは大きく心に後ろめたさを残す。
僕も未だに使ってやれなかった選手たちを思い浮かべるにつけ、心が締め付けられる。
これは本当に苦しいことだ。
選手の立場に立てば、その悔しさは推して知るべしである。
高校三年間の厳しい野球生活は、最後の夏に輝くためにあるのだから。

今までの君たちに足りなかったものは、執着心である。
比較的恵まれた環境で育ってきた人間がハングリー精神を持つことは難しく、そんな機会に恵まれることはない。
高校野球をやることによって、君たちはその機会を手に入れている。
これは幸せなことであるが、気づかなければもったいないことだよね。
もっともっと貪欲であれ。

あとどれくらい、君たちにノックを打ってやれるだろう。
内野手諸君にとっては今日が最後になるかも知れないね。
そんな時期になってきた。
最後に悔いを残さぬよう、今はひとつひとつのミスに悔いることだ。

ドラマチックなシナリオ

2012-06-11 12:22:04 | 2012年 ~19期公式戦
一戦必勝。
その心がけは忘れてほしくないのだが、あまりにもドラマチックなトーナメントなので筋書きを書きたくなる。

初戦に昨年散った球場で戦い、
3回戦で一昨年散った球場で戦い、
4回戦は3年前に散った球場で戦い、
5回戦はおそらくは監督の古巣との対戦…。

目標であるベスト16。
ここまで監督を連れていってやろう。

過去の先輩たちの無念を晴らし、監督への恩返し。
うむ。楽しみだ。

相変わらず面白いな

2012-06-09 16:56:39 | 2012年 ~19期公式戦
ついにこの学年も最後のカテゴリを立てなければならないときがきたんだな。
2012年夏。

Nキャプテン、相変わらず面白いクジをひいてくれる。
どちらが上がってくるかはわからないが、どちらにせよ秋も春も戦ってきたような相手だ。
絶対に手が届かない相手でもなければ、当然ながら絶対に安心して戦える相手でもない。
今まで戦ってきたような相手…つまりは、秋・春の総決算=一年間の総決算にふさわしい相手といえようか。
秋から春へと少しずつステップを上げてきたわれわれにとってはいいクジといえるだろう。

少しずつ、この一年公式戦を経て学んできたことをふりかえっていこうと思う。
君たちも試験が終わったら、公式戦にカテゴライズされてある記事を読んでおくといい。

さぁ、テストが終われば夏が来る。
この緊張感を楽しむとするか。
16へ向けて。

ベンチはプランニングの教室である② ~動かないという選択肢

2012-04-24 08:33:00 | 2012年 ~19期公式戦
まだ春を終われなかった。
4/21の記事の補足をしなければならない。
あそこで下級生を対象に、どのケースでどんな作戦がありうるのか…という話をしたね。
例えば1-2ならエンドラン、2-1の変化球ケースならストライクエンドランとか…。
「動いてくる」という想定のもとでの話をした。
だが、「武略」というのは常に敵のウラをかくものである。
カウントを整えて動かす…そのウラは「カウントを整えつつ動かない」。
そんな話を今日はしてみよう。

どういうことかというと、あくまでも「ありうるケース」であって、決めつけてはいけないということ。
たとえば2-1のカウントで序盤にスチールをばんばん仕掛けてきた場合、中盤以降はそこにヒッティングを交ぜてくると有効だという話をしたね。
では、投手心理を考えてみようか。
スチールを警戒し、かつR&Hをさせないなら、ウェストしたくなる。2-1はそれが十分に許されるケースだ。
ここでボール球を入れる。攻撃側は動いてこない。カウントは2-2。
平行カウントならH&Rがありうるから、厳しいとこに投げたい。
走者を気にしつつ投げた結果、微妙に外れる。相手は動いてこない。カウント2-3…。

上の投手心理は「決めつけ」の結果、独り相撲をとる典型。
走者を気にしすぎる…ってやつだ。
もちろん勝負所ではウエストした方がいいけどね。あるいは序盤にウエストを見せちゃうか。
あくまで投手は「ヒッティングもあるな、打者勝負だ」野手は「ありうるから打球優先だな」程度に意識は留めておくべき。
序盤に「見せて」おくことで、逆に中盤動かなければ、2-1という打者にとって圧倒的に不利なカウントが2-2にも2-3にもなりうるんだ。
(もちろんその逆もあり。序盤動かずに中盤以降仕掛ける…たとえば、序盤バントバントで一・三塁手を前に引き出しておき、中盤以降ヒッティングを交ぜる…など)

攻撃側の観点に立って考えても、動かないことで試合を有利に運ぶことができるってことを忘れないでほしい。
あるいはスチールを警戒するあまり、ストレート系の球が増えてきたら、それを狙い打ちしたりもできるよね。
だから一塁走者がいる場合、打席の捕手寄りに立つことは大事なの。
実際にスチール時に捕手寄りに立っておけば、成功する確率も高くなるし、「動いてくるよ」と思わせストレートを引き出すのにも有効だ。

野球は武略=駆け引きだよ。
その武略を磨くために頭を使ってベンチワークをすること。
相手の作戦を読みながら試合を見ることほど楽しいことはない。
日曜のオープン戦も全員が球を追い過ぎだ。
走者のリードの変化やバントケースでの打者のグリップや、一球ごとの野手の動きを見ないと。
ちなみに思いつくまま書いておくが、2回戦の第2試合の県立高校は内野手が一球ごとに左右に大きく動いてたね。
あれじゃあコースがばればれだな。

20人なら20通りの考え方、30人なら30通りの考え方があるはずだ。
20人30人いながら一種類の声しか出ないのは、なんともお粗末。
ベンチから、想定できるあらゆるケースを注意喚起する声を出してごらん。
「いこうぜいこうぜ!」「2アウト、フライ捕るだけ」なんてつまらない声ばかり出さないの!