goo blog サービス終了のお知らせ 

Mental Blog

2006年からメンタルトレーニングの勉強を始めたMT初心者によるエッセイ。

プロセスを大事に

2012-07-25 17:57:31 | ゴールセッティング
昨日のボール回しも、今日の投内連係も同じ。
ボール回しにおいては、タイムを縮めるのは最終目標であって、そのためにステップをおろそかにしたり、置きにいったところで何も生み出さない。

投内連係だって、併殺をとったり一発でオーバーランを刺せるようになるのも最終目標。
そのために形がテキトーになって、「たまたま」うまくいっても、それは本当は褒められるものではないよ。
投内連係では下級生を中心に、下半身の重心移動がなく、あるいは握り替えがおろそかになって暴投が目立った。
基本に忠実にやらないと、なかなか結果はともなわないものだ。
あれがノーマル。
ボール回しは「ステップ!ステップ!」って意識があるからうまくいっている。
その意識が吹っ飛んでしまうと、特に昨日のような下級生の変なスローが出てしまうわけだ。

「ボール回し10周60秒」も「投内併殺・転送刺殺」も、最終目標。
それらの目標を達するための、「足を運ぶ」、「腕を振る」、「握り替えを速くする」といった細かな意識を、MT的には「中間目標」と呼ぶ。
最終目標(長期目標)は中間目標の積み重ねの先にあることを忘れるべきではない。

バッティングも一緒。
ヒットを打つことは目標になりにくい。
(まぁ、上記の併殺も転送刺殺もそうなんだが…)
相手がいることだから、自分たちではいかんともしがたいでしょ?
だから君たちが心がけるべきは、ヒットを生むための確率を上げることだ。
しかしながらヒットゾーンにちょん当てで転がしても、何も生まれない。
まずフルスイングを心がけてその先に例えば「球速に負けないセンター返し」とか「内野の間を抜く強いゴロ」が待っていると心得よう。

プロセスを大事に!

目標のシェア

2011-11-22 15:07:58 | ゴールセッティング
MTとは「今」に集中するためのトレーニング。
それが僕のMTの定義である。
どのように集中すればいいのか。
リラックスと緊張のバランスの取れた心理状態をつくること。
呼吸法やフォーカルポイントなどのメンタルスキル(MS)を駆使してその心理状態を作ることも大事なんだが…
今までの僕はその心理状態を作ることに重心をおいてきたと思うが、最近になってもっと身近な手法があるのではないかと考え方が変わってきた。
もちろんMSを自分のものにすることは大事だよ。
いつも通りにいつものルーティンを行うことで、「平常心」を培うことが求められる。
だが…。

リラックス心理を疎外する主な原因は「雑念」である。
「ここで凡退したらどうしよう」「打たれたらどうしよう」といった勝敗に関わる雑念に始まり、「監督に怒られたらやだな」「審判狭いな~」「風なんとかならないかな」といった自分では変えられない環境に対する雑念まで様々ある。
最近ではその「雑念」を振り払うのにもっとも有効な手段はゴールセッティングではないかと考えている。
ゴールセッティングといっても幅は広い。
長期目標・中期目標もそうなんだが、パフォーマンスに直結するゴール=目標=意識をここでは取り上げたい。

練習するにも試合に臨むにも「今日はここをこう意識しよう」という具体的な目標設定が大事だ、と言う話を日曜にしたね。
たとえば投手であれば、「今日はステップ幅を固めよう」という目標を立てたとする。
常にそこに意識をおけば、たとえば死球を出した時にこう考えるはずだ。
「あれ?体重移動がうまくいかないのはステップ幅が狭いからなのかな…では次の投手に対しては気持ち広げてみよう」
そうすれば、前の死球に気持ちが縛られることなく次の打者に対することができる。
そこでもしまた失敗したら、問題はステップ幅ではなく腕の振りであったり上体の開きであったりという反省が生まれる。

昨日のK捕手の質問への解答につなげてみよう。
周りはどうやって声をかけてやればいいのか、という問題だ。
その日の目標をチームメイトとシェアしておけば、次のような声かけが可能になってくる。
「ステップ幅は問題ないですよ。意識しようとしていることはできているので、堂々と投げてください」と切り替えさせることができるし、「今のはちょっと狭すぎたので次はもう少し広げることに集中してみましょう」と次の目標も指示してあげることができる。

ゴールを設けることは自分の集中レベルを高めるのみならず、それをシェアすることでよりハイレベルな声かけが可能になってくる。

ゴールセッティングは集中への近道である

2011-11-21 10:17:01 | ゴールセッティング
なさけない試合になってしまったね。
投手が歩かせて歩かせて適時打を浴びる…ってのもそうなんだが、6回以降の打線の沈黙。
ここを大きな課題としなければならない。
打てないのは仕方ない。
だが打ち取られ方がまずい。
待ちきれずにポイントが前になり、くずされての凡打の山。
他の選手がどうやってうちとられてるか観察しろ…そう言われてこなかったっけ。
昨日はH投手にしか矛先を向けなかったが、漠然と打席に立つ選手が多いってことだよ。

では、なぜあのような展開になったか。
整備のお手伝いをしてダラダラと緊張感がそがれるのは仕方ない。
それはこちらも想定内だ。
だからこそ監督も最初にシメたわけだ。
だが、得点をとり続けて相手投手が代わったとたんのゼロ行進…。
よくあることと言えばそれはそうなんだが、それにしても工夫が見られなかったよね。
序盤から点差がもっと縮まっていたらあの凡打の山が築かれただろうか?
大量点差の上に生まれた安心感が終盤のお粗末な打撃につながったのではないかな。
あの試合の心理的背景を僕はそう分析している。

ではそういった集中力を欠いた試合を繰り返さないためにどうするべきか。
答えは簡単だよ。
目標を立てればいいんだ。
昨日だってあれだけの点差をつけながら結局コールドには持ち込めずに9回までやらざるをえなくなったわけでしょ。
夏にあんなことやってたら投手はキツイぜ。
誰が「コールド」という言葉を吐いた?
公式戦がイメージできてないんだ。
オープン戦が単なるオープン戦になってる。
しかもマウンドにあがった投手が何も考えずに投げていたら、それは「練習」試合にすらならない。

結果目標…たとえば何点取るとかコールドするとか何本打つとか…が必ずしも良いとは言わないが、それでも目標を立てるにこしたことはない。
本来各自がやるべきことは、その日に意識をすべきことを明確にし、それが達せられているかどうかを目標にすることだ。
そこに意識をおくことで雑念は払われ、練習にも試合にも集中できるということを覚えておくべきだろう。
「いつも通りおもいきりやる」なんてものは目標でも何でもない。
低レベルすぎて話にならんよ。

この個人の目標というものは、チーム内でお互いに把握しておくとなおよい。
昨日ミーティング後、K捕手に「どういう声をかけたらいいのかわかりません」って質問を受けた。
では、よりよい声のかけ方・切り替えさせ方について次回は述べてみよう。
「個人目標のシェア」と「切り替え」…ここにはどんな接点があるのだろうか。
考えてごらん。

自己を客観化する方法 ~解答

2011-11-05 19:41:03 | ゴールセッティング
スワローズが大きなビハインドを背負っているので、今日は学校にとどまり、更新をしてから帰ろ…。

さて、いかにして「現実とイメージのギャップを埋めるか」という課題の答えを書いておこう。
K内野手とK投手の解答を合わせるといい答えになるな。

自分がどういうプレーをしたいのかを伝える。(K内野手)
→たしかに、何を意識しているのかを伝えておかなければ、周りも見当外れな指摘をしかねない。
例えばね…
後から入ることを意識して大胆に下がった。
結果、グラブの位置が身体よりだいぶ前にきてしまった。
ここでほしい指摘は「肩の前まで50cmくらいあるよ」であるのに、「捕る位置が前過ぎ」ではあまり意味がないよね。
だってわざと大胆に後から入ってるんだもん。
そりゃ「前過ぎ」になるのはわかってるわ…って話。

具体的にどこがどういけないのか伝えてやる。(K投手)
→上の例を見ればわかるな。「グラブが50cmくらい離れている、だから次は今のより一歩詰めて入ってごらん」という指摘が有効になる。

要は具体的な意識・反省・指摘のコミュニケーションを取れ、ということなんだが、僕が先日外野手に発した「問い」はこうだ。
「今のプレーは何点?」
「なんでそう評価するの?」
これらの質問。
自分が甘く評価していても問題だが、厳しく評価しすぎていてもこれまた問題。
なぜって、この話は目標を立てるために自分を客観的に見ようという話から始まっているから。

自己評価が甘すぎると目標は厳しくなるし、厳しすぎると目標は甘くなる。

だから適正な目標・意識を持つためには、いかに自分を客観的に評価できるか。
そして、それが厳しい場合は周りの目が大切になってくる。
そのためにも、上記のK内野手・K投手の言うようなコミュニケーションが欠かせないということだ。

まとめておく。
①自分の意識していることを伝える(僕が監督時代にはよく言わせてからノックを打っていたね)。
②自分のプレーに評価をつける(10段階でいい)。
③周りがそれをさらに評価してやる。
練習中にこうしたルーティンを作っておくと目標は立てやすくなり、到達度もはかりやすくなる。


どうだい?ここ数日の双方向通信というシステムは。
気に入ってもらえたであろうか。
ともかく、勇気ある投稿者には拍手だな。
ただ、あえて僕はイニシャルで記事を書いているので、君たちもイニシャルで投稿した方がいい。
個人名を出してしまうと色々と面倒な世の中になってしまったのでね。

どの水準で目標を立てるべきか ~解答

2011-10-31 10:26:57 | ゴールセッティング
久々の双方向通信。
思った以上に各自がよく考えていることがわかって安心した。
情報を垂れ流すより各自に考えさせることの方が重要だってことを改めて感じた。
今後もこういう機会を増やしていこうと思う。
自分の意見を万人にさらすのは勇気のいること。
投稿してくれた5人の勇気は賞賛に値する。

さて、「目標を1000スイングに掲げ結果的に2000スイングできてしまった。この目標設定は成功か失敗か。」
昨日のミーティングで話に出したが、改めてその問いに対する答えを述べておこう。
僕の答えは「失敗」である。
問題にしているのは「目標に対する姿勢」ではなく「目標の立て方」である。
楽に超えられる目標を立てることは不可能に近い目標を立てることと同じくらい意味がない。
結局ゴールセッティングは何のために行うかという「そもそも論」にも触れていかなきゃならないのだが…

目標を立てる意義は大きく以下の二つ。
①モチベーションを保つこと。
②「今」やるべきことを明確にし、雑念なく練習に集中すること。
→達成不可能な目標設定はモチベーションの向上に結びつかない。
→あまりにも安易すぎる目標設定はクリアしてしまった時点で気が抜けるのでその先の集中力を持続できない。
というわけだ。

では、今回および前回のテーマである「どの水準で目標を立てるべきか」という話に移ろう。
高畑は『120%』で、「現状の2割増しで目標を立てるのがベスト」だと述べている。
かつて「確率50%理論」なども紹介したが、僕はこの「2割増理論」の方が効果が上がると思っている。
50Mのタイム計測などを思い浮かべてほしい。
自分より遅い人間や極端に速い人間と走るのと、自分よりちょっとだけ速い人間と走るのとではどちらがいいタイムが出るだろうか。
あるいは、格上相手の試合と格下相手の試合とでは、どちらが集中して試合に臨めるだろうか。
秋のブロック初戦・2戦目と3戦目の自分たちの集中力を思い返せば答えは明白だろう。

では、「現状の2割増し」を意識したとして、例題のように「1000スイングに設定しました」では、これまた話にならない。
1000に設定して結果1200とか1300とかならわかるけどね。
それは自分をいかに客観的に見られていないかという証拠になるでしょ。
自分の能力・体調・その週のスケジュール諸々を考慮に入れて、限界より2割増で目標を設定することだ。
自分を客体視できない人間は絶対にうまくならないよ。
なぜなら修正がきかないからね。
何度も同じミスをする・何度も同じことを言われる奴は自分を客観的に見られていないとこに大きな原因がある。
昨日のH三塁手の問題はまた別なんだが。

そういった意味で、昨日のK右翼手の第二打席に僕は感心したというわけ。
繰り返すが、長打や適時打に感心したわけではない。
初球のまずい見送り方(上体のつっこみ)に対して、二球目でのフォームの修正(軸をぶらさない)に感心したわけだ。
ベンチからも「つっこんでるぞ」の声も出ず、僕も声をかけようかどうか迷ったのだが、彼は自らを客体視してフォームを修正し、結果を生んだ。
ボールをとらえた瞬間僕は「おっしゃー!」と叫んでしまったくらいだ。
1試合通して最大のファインプレイだと思っている。

では、自分がどれくらい自分を客観的に見られているかどうかのテストをしてみよう。
【20分くらいかけて「わたしは○○だ」という文を20個書いてみる。】
種明かしはまた明日以降アップしよう。
OB諸君も、まぁやってごらん。
きっと就職活動の自己分析にも役立つはず。