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Mental Blog

2006年からメンタルトレーニングの勉強を始めたMT初心者によるエッセイ。

自分と向き合う

2013-01-07 10:57:22 | ゴールセッティング
明けましておめでとうございます。
今年こそは夏に校歌を歌いたい。
そのために何をすればいいのか常に考えながら、残りの7か月を過ごしていきたいと思います。

では、選手諸君。
「そのために何をすればいいのかを常に考える」とは何を意味するのか。
新年練習初めに述べたことだが、改めてその意識をすりこんでおきたい。

目標は一度決めたらそれに徹底して向き合うものだと勘違いされがちである。
もちろん、その目標を達成するために最大限の努力を払うべきではある。
しかしながら、目標はときに修正が必要なもでもあるのだ。
コロコロ目標を変えていては目標を設定する意味はないのだが、一度立てた目標に固執するのも実は愚の骨頂なのである。
バランスをとるのが難しいのであるが、「節目節目で」自分と向き合うことが大事。

たとえば、今回のような長期オフがあった場合。
年末に持っていた目標は、この長期オフをどう過ごすかある程度の目算によって立てたものであると思う。
では、実際に長期オフをどう過ごしたか。
実際に練習が再開され、自分が思ったほどスイング量やトレーニング量が足りていなかった場合は、残念ながらその目標を下方修正しなければならない。
自分が思い描いたイメージ通りに身体が動かなかった場合、他人から指摘された場合、目標の下方修正が必要となる。
逆に、自分の予想以上に身体が動く、あるいはパフォーマンスが上がっているという指摘を受けたら、次の目標をさらに上方修正すべきである。
自分と向き合うことはとても難しい。
だから、他人に目標を伝え、他人の目から自分のパフォーマンスを見てもらうことが必要になってくるわけだ。
目標設定は自分一人でできるものではない。

ミーティングでの回答で、「長期オフの最中に自分を見つめなおすため」という言葉が多々聞かれたが、そうではないよ。
オフが明けた「今」の自分を見つめなおす必要があるんだ。

常に自分と向き合う=現状の把握を怠ってほしくない。
これを今年のチーム統一のMT的な目標にしてほしい。
そのために、積極的に第三者の目を利用することだな。

今年も一丸となってがんばろう。

H投手に学ぶ

2012-11-22 15:42:43 | ゴールセッティング
みたびH投手の話。

彼が順調に軌道に乗るかに見えた10月だったが、11月4日の試合では久々制球を乱す場面がみられた。
一転、先週末の試合ではまたも彼の制球が安定したね。
この1か月および前回の試合では一体何があったのだろうか。

オープン戦で安定した投球を見せたH投手だが、紅白戦では甘い球を打たれすぎた。
おそらく、彼の心の中で「打たれたくないからもう少しきわどいところに投げよう」という心理が働いたように思える。
結果4日の試合では久々に乱調に陥った。
なぜそれが言えるのか?

僕は前回の試合のほんの直前に声をかけた。

紅白戦で打たれすぎたな?
それで打たれるのを嫌って、コントロールを乱したんだと思うよ。
でも、お前の「今の」課題は四死球を出さないことだろ?
その目標を立ててる以上、今は打たれてもいいんだよ。
打たれこい。

…はたして、前回の彼の四死球は1つ(?)だったように記憶している。
あれも、先頭とはいえ3番打者だったので、不用意な四死球と言い切れるものではなかったよな。
ほんの直前の声掛けで、あれほど前回の投球とは変わるものだよ。
MTってすげーだろ?(笑)

自慢話はおいておいて…。
このケーススタディから、何を導き出すことができるか?
それは目標を設定したら、その目標を達成するためには他のことを犠牲にしてもそれは仕方のないことだ、ということ。
H投手の試合における「今の」目標は、しっかりと腕を振りストライクを投げること。
その結果、制球が甘くなり打たれることもあるだろう。
それはそれでいいんだ。
【打たれないこと<ストライクを放ること】なわけだから、不用意に歩かさなければ、いくら安打を浴びていくら点を取られても、合格点を自分に与えてやるべきなんだな。
そうやって、まず「しっかりと腕を振ってストライクを取る」ことができるようになったら、次は「きわどいところに投げるコントロールを身につける」というステップに進めばいい。
H投手の場合、次の紅白戦でストライクをしっかり投げられれば、次に訪れる春の目標として「スミに投げ分ける」という目標を立てればいいだろう。

目標を立てる意味はそこにある。
欲張らずにステップバイステップで少しずつの上昇をはかれれば、ゴールセッティングは成功したといっていい。
ただし、目標達成の期限の設定は難しいだろうから、そこは僕を使えばいいんだ。

ゴールセッティングフォームという「目標設定用紙」を僕は持っている。
欲しい奴は申し出なさい。いくらでもコピーしてやるし、セッティングに関しても喜んで一緒に考えてやるからさ。

目と耳と口と

2012-10-13 09:07:22 | ゴールセッティング
なかなか現場に出られないでいるな。
来週からはしっかりと出るようにする。

さて、先週の試合のあとにした話をリマインドしておこう。
「意識すべきことができないのはなぜか?」
たとえば初球の変化を打ちにいこうという約束事、というよりはこれは目標だね。
何度も手を出せずに、何度も同じ叱責を選手間も含め浴びせられるケースが多い。

これの対応策はいくつかある。
イメージングの問題であったり、一球勝負という執着心の問題であったり。
でも、今回はゴールセッティングという観点でその対応策を考えていこう。

人間の脳はだまされやすい。
それは常々僕が言っていることであり、ここでそんな記事も書いてきた。
あるいは今週更新した記事にもその要素が表れているよね。
だから、目標を達成するために自分の脳をだましてしまえばいい。
だますというよりも、洗脳という言葉が近いだろうか。

まず、目標を見えるところに手書きで書く。
そしてそれをポイントポイントで「目で」確認するんだ。
そしたら、それを声に出して言ってみる。
みんなで(声をそろえる必要はないが)目標を「口で」確認する。
口にすれば当然「耳にも」入ってくる。

目と耳と口と、あらゆる感覚器官を使って目標を脳に刷り込んでしまう。
ただし、試合前だけやっても意味がないのがMTである。
フリー打撃やティー打撃なんかでもしっかりと「せめてセルフトークは」行うべきだろう。
そうやって、練習中から脳内に意識付けしていかなければ意味がないことを覚えておこう。

せっかくホワイトボードが二つもあるんだ。
有効に使いなさいよ。

目標の共有とシートノックの話二本立て

2012-08-20 18:32:30 | ゴールセッティング
目標を決めたんだね。
目標を「決めた」というより「再確認した」という表現の方が合っているだろうか。

Aコーチの言うように、イニシアチブを取れる幹部がぱっと決めてそれに向かってまわりがついていくというやり方もよくわかる。
だが、全員でその目標を決める過程を共有することには、全員に責任が生まれるというメリットもある。
みんなで決めた(確認した)目標なんだから、みんなで目指さなければならない。
話の持って行き方に問題があったと聞いているが、それでも誰も言い訳をできない状況を作ったということは悪いことではない。

昨日のミーティングでも述べたが、まだ君たちは目標を立てたことに満足してしまって、そこに向かっていく準備ができていないようだ。
フリー打撃はとても大会前かつ目標を共有した直後のチームとは思えないほどの雰囲気のなさだったからな。
目標は立てることに意義があるのではなく、立てた後そこに向かってどうすべきか考えることに意義がある。

最終的な「夏のベスト16」という目標に向かって…
じゃあ春はシードを取りたいよね。
春にシードを取るためには秋は最低でもトーナメントを経験しなきゃならないよね。
つまり秋は県大会に出ることが最低条件だよね。
県大会に出るには二つ勝ちを取らなきゃいけないよね。
ということは初戦は絶対に落とせない。
初戦を勝ちきるために自分には何ができるのか。
チームとしてどこを目指せばいいのか。
今までのオープン戦で生まれた課題をどこまで克服できるのか…
そうやって、長期目標から逆算して短期的に何をすべきかを考えなければ、目標は画餅に帰することを忘れないように。
画餅。わかるか?
そういった意味では、目標の確認作業をする時期があまりにも遅かったかな。


続いては、今日は問題となったシートノックについてフォーカスするよ。

「入りが重要」とはいつどんな状況でも共通することだが、じゃあ大会への入りってなんなのさ?
初戦のシートノックなんかまさに大会にうまく入るためのものなんじゃないの?
そのシートノックからつまずいていたら話にならんよ。
漠然とした「入りが大事」じゃなくて、「いい入りをするためにはシートを大事にしなきゃならない」と具体化し、さらにでは「いいシートをするためにはどうすればいいのか」考えなきゃダメ。

いいシートノックとは何か?
以下は僕の考えだがね。
会場のグランド状況で、その日の調子で、自分がどうパフォーマンスを発揮できるかの確認をシートノックでするんだよ。
自分の声がどれくらい届くのかな?
ゴロはプレスを強くかけても大丈夫なのかな?
風にフライはどの程度流されるのかな?
今日は球が浮きやすいのかな?
足がちゃんと動いてるかな?
しっかりシートで確認して、「よし、こう修正しよう!」って準備して試合に入る。
シートノックは単なる慣らし作業ではない。
その準備を整えるためには、色々なことに全力で試すことだ。

ホームでのシートだって同じ。
風や地面の状況は日によって違うし、たとえ時間の感覚をつかむためのシートノックのリハーサルだって、そこでできないことは本番にできるはずない。
この夏休みにずっと言ってきた習慣化の話だよね。

もはやここに至っては、開き直るしかないでしょう。
暗くなって勝てるんだったら、どんどん暗くなんなさい。
どちらにしても人生でそう経験することのできない貴重な公式戦なんだから、明るく・楽しく・元気よく。
それでいいんじゃないの?もったいないよって僕なんかは思うけどな。

セクションごとに目標を立てよ

2012-07-28 12:36:04 | ゴールセッティング
質問が二つ出た。
今日は一つ目の話をしよう。
「暑い日は集中が切れやすいといいますが、声を出すことやMT以外にどういう方法がありますか?」

ん~…。どこから説明しようかな…。
まずは、声を出すこともこれから説明するゴールセッティングも、すべてMTに含まれるということを理解してほしい。
フォーカルポイントやルーティン(深呼吸や声を出すこともルーティンのひとつ)だけがMTではなく、そういった各スキルを僕はメンタルスキルと呼んでいる。
で、そういったメンタルスキルを試合中や練習中においてすらなお続けることで集中力を高めていくトレーニングを総称してMTと呼ぶわけだ。

では、次に「声を出すことがなぜ集中力を高めることにつながるのか」という説明に移ろう。
先日声を出すことが強制的な呼吸法であることは説明した。
加えて、声出しと集中の相関性を説明していくと…
たとえば指摘の声を出すことは、相手のプレーをよく見ている=集中していることにもつながってくる。
あるいは自分が捕球する際に「腰を落とす!」とセルフトークすることで、自分が何を意識すべきかという点に関して集中することにつながる。
そして、昨日挟殺のあとに述べた「グラブハンド!」やフリー時の「フルスイング!」はチームで徹底すべきことに共通認識をもつチームルーティンとなる(そこに集中しようという意味でのね)。
内野・バッテリーのボール回しの際に「1!2!」の声を出そうとしていたのはまさにチームルーティンだ。
テンポも生まれるので、いい手法だと思うよ。
ただ、やるなら全員がこだわらないと。

本題に入ろう。
おそらく彼は「メンタルスキルの他にどういう集中力の高め方があるか」という意図で質問をぶつけてきたのであろう。
ちょうど一三塁の練習で「習慣化するには」という話をしたところだったので、それを例に挙げつつ次のようにヒントを出した。

ブルペンで球を受けるだけなら集中力は切れやすいよね。
だったら、試合をイメージしながら球を受けてごらん。
特に今日なかなかできなかった三塁走者をルックしてからスローに入るというやり方。
今日はそのイメージを徹底して、いついかなるときでもその意識のもとに練習に臨むんだ。
あるいはストッピングの練習では、今日は「どんなことがあってもあごをひく」ことを意識して、その意識のもとに一球一球受ける。
練習のセクションごとに意識するべきことを設けて(=ゴールセッティング)、それを常に目指していけば集中力は切れにくくなる。

ゴールセッティングもMTのひとつだよ。

…さて。
暑い日や風の強い日は集中力が切れやすい、と言った。
だからこそより意識高く持て!…ってのはド素人の指示。
切れやすいことを前提に練習・試合に入り、切れたときは「あ、切れたな」とわりきって充電作業を行うことだ。
それが心理的余裕につながるということを覚えておくこと。