
1956年に竣工した日本初の鉄筋コンクリートによる折板構造の建築です。
設計はアントニン・レーモンド。




アントニン・レーモンドは、建築の5つの原則を唱えています。
1.自然(ナチュラル)、2.単純(シンプル)、3.直截(ダイレクト)、4.正直(オネスト)
5.経済(エコノミー)
自然は人工より美しい。
単純さと軽快さは複雑なものより美しい。
建物の広さにしても材料にしても節約は浪費より、美しい結果を生む。
この「5つの原則」は相互に関連しあっていて、自然なものはおよそ単純であって、単純なものはダイレクトで正直で、それは結果的に経済的であると…。
経済性とは決して安くつくるということではなく、何事も無駄にしないことであると言います。
特徴的な折板構造はシンプルですが、連続性により一体となったデザインで存在感が出ています。

壁にある連続する開口部(窓)は、光を呼び込み、換気も促します。

西側にあるステンドグラスが夕日を受け、その光が壁や座席に色を届けています。
その色は「生」や「希望」をあらわしているように感じます。

正面壁の4つの輪は、聖なる三位一体、父と子、聖霊、私たち(教会)を象徴しているそうです。
何も考えず席に座っています。
車でも子供の声でもない「外の音」が聞えます。
何も考えず、そこにずっといることができます。
心が洗われる…。
建築はすごいなぁ~
67年前に出来た建築ですが…すごい!
5つの原則を体感することができました。
性能も大事ですが…
構造も、デザインも、空間も、施工も大事です。

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