昔のディーゼルエンジンは排気ガスに大量の煤、、、PM(粒子状物質)が混ざっていて当たり前の様に黒煙を出していましたが(^^;)、排気ガスの規制が厳しくなった現在のディーゼルエンジンはクリーンディーゼルと呼ばれる通り、マフラーから排出される排気ガスはクリーンになりました(^^)
しかしエンジンから排出される排気ガス自体が綺麗になったわけではなく(もちろん改善はしてますが)、エンジンからマフラーに掛けての排気ガスの処理方法が改善した事が大きいわけです。
具体的にはマフラーの途中に装着したDPF(ディーゼル・パーティキュレート・フィルタ)で排気ガスに含まれるPMだけをフィルターで回収して、PMがDPF内に溜まってきたら排気ガスの熱でPMを物理的に燃やして除去しています。
他にもEGR(エキゾースト・ガス・リサーキュリーション)でDPFを通る前の排気ガスを少量ですが吸気側に戻して、再び燃焼室へ送り込むことでNOx(窒素酸化物)を減少させています。
NOx対策としては他にも尿素SCRシステムも採用されている車もあります。
で、これらのシステムでマフラーから排出される排気ガスが綺麗になったわけですが、それを処理する過程であるDPFやEGRに煤が溜まるようになったわけです(^^;)
DPFは煤が溜まったらメーターにDPF再生中って表示されてDPF内で煤を燃焼させているんですが、燃焼の条件が悪いと全てを除去ず徐々に蓄積されていき、詰まることもあります(゜Д゜;)
EGRは排気ガスという煤を吸気配管に戻すので、その排気ガスが通った配管内壁面に徐々に蓄積されていき、本来吸入された空気が通る通路を狭めます。最悪の場合はパワーダウンやアイドリング不調などに繋がることも。
そんなわけでクリーンディーゼルは煤対策のメンテナンスをしていないと不調になる可能性があるわけです。
トヨタ レジアスエースバン KDH206V 2014年式 228900キロ

現状として警告灯が点いたり極度なパワーダウンを感じてるわけではなく、調子が悪くなる前に予防整備です(^^)
相談を受けたときは手作業での除去を考えていましたが、時間が掛かることや手やブラシなどが入らない箇所は清掃出来ないって事もあり、流行り?のドライアイス洗浄を試してみたくなったわけです(^^)
そこでスナップオンの担当者へ連絡♪
日時を合わせてデモ機を借りることに成功しました(≧∇≦)b
ありがとうございますm(_ _)m
DPFについてはワコーズのDPF洗浄剤であるディーゼルツーを施工します♪


それでは作業開始です!EGRだけでなく吸気側の部品を全て取り外していきます♪

最初は、、、冷却水の排出。

そして最初から躓きます(>_<)

そして最初から躓きます(>_<)
EGRに取り付けられているEGRパイプの固定ボルトとナットを外してEGRパイプを取り外すんですが、ボルトがボディに当たって抜けません(゜Д゜;)
本来はEGRを外すときに取り外すスタッドボルトをこの段階で外して(もちろんスタッドボルトも抜けません)

同時に切り離してなんとか取り外せました(^^;)

上がエレクトリックEGRコントロールバルブ。
下はEGRパイプ。

順々と外していきます(^^)






順々と外していきます(^^)






かなり煤が溜まってますね(゜Д゜;)
マツダのクリーンディーゼル・SKYACTIV-Dよりはかなりマシだと思いますが(^^;)




やっとインテークポートが見えました~


気筒によって差がありますね~


気筒によって差がありますね~
取り外した部品は


EGRパイプ

エレクトリックEGRコントロールバルブ


エレクトリックEGRコントロールバルブ

拡大。
詰まり具合としては軽度だと思います。

ディーゼルスロットルボディ

ディーゼルスロットルボディ

インテークエアコネクタASSY

分割しました~

こっちは乾いてて硬そうな煤ですが

こちらはちょっと湿った感じで

更にこっちは完全に湿ってます(^^;)

ここは1/3ぐらい埋まってます(゜Д゜;)

EGRクーラーASSY


ここは1/3ぐらい埋まってます(゜Д゜;)

EGRクーラーASSY

分割(*・ω・)ノ

EGRバルブアダプタ

EGRバルブASSY NO.2


EGRバルブアダプタ

EGRバルブASSY NO.2

EGRクーラー
中は煤の巣窟になってます((((;゜Д゜))))


インテークマニホールド








ここまでエンジンに近付くと、こってりと山になってる部分もあります(^^;)


スワールコントロールバルブASSY






ちょっと触るとポロポロと煤の塊が落ちてきました(>_<)
これらの部品をドライアイス洗浄にて綺麗にしていきます(^^)
ちなみに~ドライアイス洗浄とは、簡単にいうとドライアイスを対象物に当てて汚れを落とします。但しサンドブラストの様に投射材の打撃力で落とすわけではなく、ドライアイスによる熱収縮と体積膨張を使って汚れを剥離させるので、母材にダメージを与えずに対象物の剥離が出来る注目の作業方法です(^^)
手作業や溶剤を使ってやるより断然早く且つ綺麗に出来るんじゃないかな~と。
、、、が、作業中の写真は撮り忘れました(๑・౩・๑)
使い勝手は良かったですし、汚れ(煤)の落とし具合も良かったです。ただその汚れがかなり飛び散ります(゜Д゜;)
その時に着ていた作業服は洗濯しても汚れが落ちません(ノД`)
そして工場内が汚くなりましたΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)
というわけで、いきなり綺麗になった部品達の紹介(*´∀`*)ノ
湿ったところはドライアイス洗浄では上手く剥離出来なかったので、手作業及びワコーズのエンジンコンディショナーで綺麗にしてます。

インテークポート及びバルブに関してはレジアスエースは室内にエンジンルームがあり、マスキングを失敗すると大変なことになるので(^^;) ドライアイス洗浄は使わずに手作業で届く範囲の塊のみ除去してます。
























インテークポート及びバルブに関してはレジアスエースは室内にエンジンルームがあり、マスキングを失敗すると大変なことになるので(^^;) ドライアイス洗浄は使わずに手作業で届く範囲の塊のみ除去してます。























飛び散った煤を集めてみました。飛び散り過ぎて全部は回収出来てませんが(^^;)


中には大きな塊も(゜Д゜;)
除去が終わったので元に戻していきます(*・ω・)ノ








無事完了(^^)









無事完了(^^)

交換したガスケット類。
調べるのが結構大変(^^;)


冷却水の初期補充のエア抜きは

エンジン側のエアバルブを開けて


エンジン側のエアバルブを開けて

冷却水が出てきたらオッケー(^^)
このあとしばらくエンジンを掛けて十分に水温を上げます!
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で、EGRの次はDPFです(*・ω・)ノ
使うのはワコーズのディーゼルツー♪


前側のセンサーを

取り外して(もちろん簡単には緩みませんでした)


取り外して(もちろん簡単には緩みませんでした)

そこから注入して全体に行き渡らせます!

注入が終わったらセンサーを戻して、診断機でDPR強制再生を実行。

注入が終わったらセンサーを戻して、診断機でDPR強制再生を実行。
トヨタでの名称はDPFではなくDPRなんですね~名称が違うだけで基本的に一緒だと思います(^^;)


実行中はメーターにも表示されてます。



実行中はメーターにも表示されてます。

画像ではわかりにくいんですが、マフラーからは白いガスが勢いよく出てます(*・ω・)ノ


強制再生完了♪

翌日、冷めてレベルが下がった冷却水をMAXレベルまで補充して全ての作業が完了となりました~(^^)


強制再生完了♪

翌日、冷めてレベルが下がった冷却水をMAXレベルまで補充して全ての作業が完了となりました~(^^)
最後に試乗をして、問題が無いことを確認してます(^^)
手間は掛かりますが、あれだけの量の煤を除去出来たので、走りはかなり変わるんじゃないかと思います(≧∇≦)b
皆様からの整備のご依頼をお待ちしています。