やはり渋谷は苦手だ…。
あの人込みの中には一秒たりとも居たくは無い。
だが今日は仕方無い。
だってライブがあるんだもの。
なんてったって『LIVING END』だもん。
はるばるオーストラリアから来てくれちゃったんだもん。
三ヶ月前に入手したチケットが、ようやく効力を発揮する時が来た。
ハチ公口を出て交差点を渡り、道玄坂を上り……会場のduo music exchengeに着いてまずビビる…。
会場の入口を数多のパンクキッズが埋め尽くしているではないか…。
皆一様に、夏フェスやアーティストのロゴが入ったTシャツを着ている。そして首にはタオル…。
そうか…ここではそれが正装なのだね…。
17:00に開場し、いよいよ場内へ…。
ステージの側に殺到すれ度胸は無いので、後ろの方の柱に寄り掛かって開演を待つ。
そして、照明が変わりステージ上にバンドのメンバーが登場!!
………ステージが見えねぇ…。
熱狂するパンクなキッズの掲げる手に遮られて、メンバーの姿を確認する事が出来ないのです…。
爪先立ちしてようやくバストアップを捉える事が出来る状態。
うむ…これがライブというものか…。
さらに、オープニングアクトが始まった瞬間、前の方で何者かがペットボトルの水をぶちまけおった。
そうか…それが君達の流儀なのだね…?
そして、時折キッズ等の突き上げた手よりもさらに高く突き出る足(!?)。
見れば、オームに支えられるナウ〇カの如く、人が人の頭の上を流れていきます…。
「危ないからやっちゃ駄目」ってアナウンスで言ってたじゃん…。
でも、それがライブというものなのだね…?
しかしながら、やはり前の方に行かなくて良かった。
どうやら、同じアリーナの中でも、前と後ろではだいぶ気候の差が激しい様で…。
時々、前の集団から抜け出して来る人達は、皆ズブズブに濡れそぼっている。
でも、公演の時の俺の比では無い。
俺の汗腺はそんな生温いもんじゃない。そこは譲れない。
なかなか難儀したけど、パフォーマンスはやはり最高!
日本人好みな哀愁に満ちたメロディーと轟音ギターサウンドの応酬。
風圧を真正面から受けて思わずよろめきそうになる。
…嗚呼、骨が溶ける…。
一時間半程のトランス状態の後、湿った人達の間をすり抜けて外へ出ると、今にも雨が降りそうで、外気はヒンヤリとした冷気を含んでおりました。