本能と挨拶の不思議な関係

　生物は学習や思考に依らずに合目的的な振る舞いをすることが知られています．こうした行動は今日の動物行動学や心理学において本能行動と呼ばれています．
　調べ物をしていたところ[#1]，Wikipediaの「本能」項目におもしろい記述を見つけました．

　引用：

やや特殊ながら、ほとんど全人類に共通の挨拶を紹介しておく。まず目を見つめ、眉を少し上げ、数秒そのままで、それから頷くというものである。これは、大人が赤ん坊を見て、あやそうとするときに現れるものである。

　なんとなくそれっぽい！ それにしても人類共通ってすげー適用範囲です．しかし本当なのか気になるところです．ソースも書いていないし．
　子育て中の方には是非聞いてみたいものです．実際，赤ちゃんをあやせるのか，思わずやってしまうものなのか．

　本能行動が先天的に獲得されている行動だと定義されている以上，この“挨拶”も遺伝的に選択が進んだ結果と思うのですが，果たして赤ちゃんをあやすことが全人類共通の遺伝形質となっているのでしょうか．
　それとも人類への分化以前から獲得されていたのか．だとすれば人類共通どころか類人猿共通とかそこまで適用範囲が広がるわけですが……．

　何はともあれ，エスペラント語を凌駕する人類共通の挨拶の存在が示唆されているわけです．コミュニケーションを取りづらい相手に試してみるのも一興かもしれません[#2]．


[#1] 現在，私が興味を持っているのは学習や思考に依らない適応的な行動の生成です．必ずしもこれは本能行動と同じものではないのですが用語を調べている過程で遭遇しました．
[#2] 相手によっては馬鹿にされていると感じるかもしれないので注意してください．またこの挨拶の実践によって生じた損益に関して一切の責任を負いませんが，利益に関しては何らかの還元を要求しま（ｒｙ