Now Know No Limits.

なののり。日々のしょうもない書き散らし。

クリスマス学会の雑感

2010-12-26 04:50:45 | 科学技術関連

以下のような強行軍になってしまった.準備期間はあったので自己の怠慢が原因.

  • 12月20日 研究室中間発表会+研究室忘年会
    • 司会とか準備とかM2担当なのだが,他のM2はやる気なしというか6名中1名は就職先の都合で欠席は良いとして2名遅刻とか.なめんな.
      • プログラム構成とかアナウンスとか準備はほとんど私がやった気がするぞ.
    • 翌々日の英語スライドが終わっていない状態だけど忘年会+二次会で酒飲んだのでさすがに帰宅して3時くらいに寝る.
  • 12月21日 某国際会議1日目+懇親会
    • 朝登録してふらっとセッションみて研究室へ.スライド作りをがしがし.削るのが面倒.
    • バンケット分どうせ自腹だからと参加.バスで小一時間とちょっと遠方.
      • ジンギスカンでおいしかったけどスーツがやられる.
      • 同席した某学園都市の某巨大大学の博士学生の方がY形大学の修士学生に「うちはGCOEあるけぇ,金はあるんじゃガハハ(かなり誇張),そういえばそちらは?」してて若干萎える.
        GCOEなんてそうそうもらえるもんじゃねえよ.あと金があるところにはあるし,もっと貰っているとこだってあるだろうよ.T大とかK大とかさ.
    • 懇親会終了後,研究室に戻ってスライドを仕上げにかかる.
  • 12月22日 某国際会議2日目+大雨+発表+ゼミ
    • スライドはなんとか完成.朝方いったん帰宅して風呂入って着替えて研究室に戻って練習してスライドを微修正.
    • 酷い大雨.歩道が濁流状態.治水工事をしたほうがいいんじゃないだろうか.
    • 午後,発表はつつがなく終了.受け答えはよかったとチェアやってたボスからのお言葉.たしかに今回は会話に出来ていたと思う.
    • 発表終了後はゼミ参加.途中意識が落ちてた.
    • 翌日の発表スライドがほぼ手つかずの状態なので夜から頑張る.
  • 12月23日 某国内会議1日目+朝一発表+後輩の発表など聴講+夜知人(高専同級のご両親)と飲み
    • 朝9時ごろスライド仕上げ終わる.一次帰宅して風呂って着替えて会場へ.
    • 朝一の発表はスライドは間に合わせたが,講演時間を勘違い.しかしクチを早く動かす気概がすでになかった.
    • 午後から後輩君の初外部発表をチェキ.
    • 某A君のご両親にご挨拶.
    • 某A君ご両親にお誘いいただいて,駅前で飲み.他に相模原の工科大学の先生方お二人.
      • ごちそうになった上,タクシー代まで出していただいた.恐縮.
  • 12月24日 某国内会議2日目+雪+さすがに死亡+夜懇親会のみ参加
    • 帰宅.死亡.
    • 起きたら夕方だった.雪が積もっていた.
    • 研究室に顔を出してから,懇親会へ.うちの研究室は会えなかったけどPDの先輩と私だけとか.
      理由はわからんでもないが,この講演会は重視してないのな.
    • さすがに22時過ぎに帰宅.久々に自室でうだうだする.
  • 12月25日 某国内会議3日目+大雪+朝一聴講
    • 朝一,A君の御父上の講演を聴く.なんかいやらしい質問をしてしまったようだ.
    • 話題のはやぶさ関連の特別講演を聴く.
    • 研究室戻ってパンフレット置いて,戻ってラストのセッション参加.またやらしい質問してしまう.

 

某Sで始まる学会の部門講演会に参加して感じたのは,第一に意外と研究ってしょうもないものの積み重ねばっかりかもしれないということ.あるいはこの微妙に被っていないこの学際分野に限定されるのかもしれないが…….
たぶんに共通のバックグラウンドとなる方法論だとかが確立されていないから,余計に「個別の小さな積み重ね」が目立つのかもしれない.そういった個別の積み重ねはその他の一般的な方法の組み合わせや,一般的方法のわずかな改善(換言すれば個別の問題に応じたチューニング)で解決されることが多い.
それはガチの制御系の発表を見ていると先述したような印象を受けないという傍証から,たぶん正しいだろう.そして私もそういったたぐいの研究のひとつだ.

とはいえ,それでも「研究の体裁」を整えようという気概が他の分野に比較して薄いのではないかという危機感はそれとは別個にある.これが第二の点.つまり,論文集を見ていると,明らかに未完成な原稿が混じっていたり,参考文献が一つも挙げられていないものがあったりする.高専卒研の中間発表じゃないのだから,もう少し程度をあげないといけないんじゃないかと感じてしまった.某どこかの榎本武揚が関係する学会とか世界一大きな学会とかのように部門制にしたいのだろうけれども,あれじゃ後世,しょうもないシンポジウムにしか見えないよ.

(もちろん,発表は別.それなりにちゃんとしている.しかしそれは記録に残らない.加えて,中にはPIなのに「作ってみました」が混じっている.新規性もはっきりしない.問題設定も的確とは思えない.)

お気楽ちゃらんぽらん研究者で良いかとも思っていたが,あの中に埋没したくはないとは思った.一方で,皆さんがそういったことを心がけていないはずはないので,それなりのクォリティを保ち続けるということがどんなに大変なことなのか,と考えて憂鬱になった.


MATLAB: 日時を利用した固有名の生成

2010-11-11 23:24:52 | 科学技術関連

MATLAB で作業していると(例えば細かなパラメータの違いによって)大量の mat ファイルを保存しなければならないことがあります.

間違えて mat ファイルを上書きしてしまわないためには,mat ファイルの名前か,保存ディレクトリを細かに指定する方法が考えられますが,いちいちパラメータをテキスト情報に変換することがおっくうな場合もあります.このような時には日時を利用した固有名生成が便利です.固有名生成の日時がまるっきり被らない限りは,固有のファイル名・ディレクトリ名を得ることができます.

現時刻に対応した日時を得るためのコマンド例は次の通り:

>> datestr(now, 30)

ans =

20101111T230936

now コマンドは呼び出された時点の時刻を表す数値を返す関数です.datestr(x,y)は第一引数xに与えられた数値から,年月日時分秒の情報を分離し,第二引数yで指定されたフォーマットに沿ったキャラクタ情報を返します.上の例では2011年11月11日23時9分36秒に呼び出した結果を示しています.


Microsoft Academic Search

2010-10-24 02:58:09 | 科学技術関連
Microsoft Academic Search betahttp://academic.research.microsoft.com/)がなかなか面白い.
他の学術文献データベースとの本質的な違いや使い勝手は何とも言えないけれど(少なくとも収録数はまだまだと思われます),「見た目の格好良さ」はピカイチ.

従来のサービスは,文献データベースがまずあって,その検索利便性を高めるために著者名やキーワード検索があるといった印象ですが,MS Academic Search はそのあたりの重み付けがもっとフラットなイメージです.
特に,連名や引用・被引用の情報から研究者間の相関図を表示する形で「人」にフォーカスする VisualExplorer はなかなか遊べます.ただし,Microsoft らしく Silverlight が必須ですが…….

今のところ,計算機科学系がターゲットのようですが,今後の論文サーベイに使えるならなかなか楽しそうな印象.サーベイしてると文献にあたる以前の段階で「思わぬ発見」に出会えそうな感じがします.
でももしかしたら無駄に時間かけるだけになるかもしれません.

桁落ちの問題

2007-05-10 23:56:21 | 科学技術関連
 ある数aとある数bの差が非常に小さい場合,コンピュ-タあるいは有限桁数で引き算(c = a - b の計算)を行うと次のようなことが起こります.
 まず,具体的な数値として,a = √5001, b = √5000 とします.
 それぞれ計算させてみると,a= 70.7177488329486,b= 70.7106781186548 となりました.どちらも似たような値になっています.また,それぞれ有効桁数は15です.
 そのまま素直に a - b の引き算をさせてみると
c = a - b
= √5001 -√5000
≒ 70.7177488329486 - 70.7106781186548
≒ 0.0070707142938
 引き算の結果 c の有効桁数は11となってしまいました.
 このように引き算の計算を行うと有効桁数が減少して,「桁落ち」という誤差が発生します.
 今回のように一回きりの計算なら,特に問題ないのですが,繰り返し何万回と計算させる場合はこうした小さな誤差が積み重なって最終的に無視できないほどになることがあります.

 さて解決編.
 これを解決するには次のような計算を行います.まず,簡単な因数分解から,
a2 - b2 = (a + b)(a - b)
 左辺には a - b が含まれています.ここで式を変形すると
a - b = (a2 - b2)/(a + b)
 という a - b と同じ意味を持つ式が得られます.桁落ちは素直な引き算の代わりにこの(a2 - b2)/(a + b)という計算を用いることで回避することが出来ます.

 実際に得られた式で計算してみると
c = (a2 - b2)/(a + b)
= (5001 - 5000)/(70.7177488329486 + 70.7106781186548)
= 1/141.4284269516034
= 0.007070714293825818763283623
 となりました.
 はじめの計算結果の有効桁数が11であったのに対し,有効桁数が十分確保できていることが分かります.

 以上,今日の数値解析で目から鱗のコーナーでした.

w-zero3[es]

2007-01-05 12:18:56 | 科学技術関連
 新年あおこよ。

 さて、適当に挨拶を消化しつつ、とりあえず、esを買ってみたの話。
 何かと黒の方を多く見かけるので天の邪鬼に色は白。後々、汚れが目立ってきそうではある。投入費用は本体24800円、minisd(1GB)とUSBホストケーブルを一緒に買って約30000円。PDAとして考えるなら破格である。

 まだ半日も使っていないがら所感。

  • なんと言うベきか、非常に快適で驚いた。
  • 携帯入力、キーボード入力、そして手書きと文字入力の方法が複数種用意されているのは思っていたよりも使いやすい。
  • 以前から、携帯端末がシングルタスクであることに不満を覚える場面が多かったので、その点が解消されることは自分にとって大きい。[#1]
  • ウェブサイトを見ながら、メールを作成出来る。テキストメモから掲示板に書き込みする、など普段PCでやっている本質的には大したことのない作業が手元で済んでしまう・・・気がする。

 もちろん、PCとまったく同じように扱うことが出来るかといえばそうではない。けれどもこれまで電話機で出来なかったことが出来るというのはちょっとしたショックではある。
 使っているPCは一応、12.1型のモバイルを標榜したモデルだが、PCじゃないとダメでないかぎり、これからは使う時間が少なくなりそうである。(写真はノートPCとes。)


[#1] 携帯端末よりパソコンとの方が付き合いが長い人に結構いるんじゃないかとおもう。とはいえ、WILLCOMの端末は往々にして貧弱な場合が多かったのでそのせいもあるかもしれない。

Simulated Inductor

2006-06-08 02:46:10 | 科学技術関連

 よくわかってないが、オペアンプを用いてインダクタ(要するにコイル)を実現する回路。
 研究でどうやらお世話になりそうなので、製図ソフトの練習を兼ねて回路図(Example of Simulated Inductor Circuit)を描いてみた。

 いろいろすっとばしてとりあえず結論だけ書くと、等価インダクタンスが以下の式によって求まるらしい。


L = C4R1R3R4/R2 [H] *

L = C4R1R3R5/R2 [H]


注意事項

  • 双方向性をもつインダクタではないので左端からみるとインダクタ、右端からみると抵抗として振る舞う。

 

* 2013-05-18 くつしたさんより,ご指摘をうけ,図中の部品番号に合わせて式中の添え字を修正しました.ご指摘ありがとうございました.

 


BioMetal

2006-05-16 11:20:59 | 科学技術関連
 5月12日の夕方、「バイオメタル」という形状記憶合金の一種を作っている企業にお邪魔してきた。
 形状記憶合金というと、メガネのフレームだとか、曲げてもほら! みたいなのを連想しがちじゃないかと思うが、このバイオメタルはひと味違う。人工筋肉とか呼ばれている類のものなのである。

 見た目はただの細い金属線。しかし、電流をちょろっと流してやると、収縮する。
 電流を流す前まで、へろんへろんしていた線が、ピンと張り詰める様は見ていて確かに生物的で結構ショッキングである。
 トキ・コーポレーションのバイオメタル紹介サイトに動画や仕様詳細などあるので、興味がある人は見てみるとよろし。

 うちの学校の先生2名と学生3名とで行って、バイオメタル事業部長さんともうひとりの方に原理や、これまでに製品になったものなどいろいろと説明をしていただいたが、なかなか面白かった。
 「世界最小(と思われる)二足歩行ロボット!」とか「静音8本足ロボット」だとかいくつも見せてもらった他、帰りにサンプルまで頂いてきてしまった(写真はもらったサンプルで、厚紙を持ち上げているところ)。


 で、なぜ今回、お邪魔してきたのか。
 大きさの割りに強い力を発生するだとか、細い線状の形状をしているだとか、既存のアクチュエータ(モータだとかの駆動装置)に対してさまざまな特徴を持つバイオメタル。当然、売り込みを図っており、その用途開発やなんかでうちの学校と提携しようか、というお話しらしい。所謂産学連携というやつである。

 当初、今回の件は「おもしろいもんあるから見学に行こうぜぇ」的な紹介をある先生にされたので、行きます行きます~、と金魚のフンよろしくついていったのだが、はっきりと産学連携の話として進んでいるとは思ってなかったので少々びっくり。ちゃんと聞いてねぇよー。
 最終的に自分の卒業研究に組み込むというか、使ってみましょうという方向に進んでしまった。バイオメタルの用途として向いているのか怪しいのと、トキ・コーポレーションの方が望んでいる成果にもつながりにくそうなのだが……。

 いまのところ良いアイデアはないのだが、どちらにしろ、面白い素材である。
 とにかくいろいろいじりつつ考えていきたいと思う。


◆ トキ・コーポレーション
◇ 照明関係 + バイオメタルな企業
http://www.toki.co.jp/BioMetal/index.html