CHD 高濃度グリホサートが脳疾患や認知症の若者の集団と関連
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https://childrenshealthdefense.org/defender/glyphosate-cluster-young-people-brain-disease-dementia/
高濃度グリホサートが脳疾患や認知症の若者の集団と関連
モンサント社の除草剤ラウンドアップの有効成分であるグリホサートは、カナダのニューブランズウィック州の林業で最も多く使用されている殺虫剤である。同州では、深刻な神経疾患の症状を呈する若者の集団が医師らによって確認された。
農薬を超えて
2024年9月5日、子供の健康防衛
8月14日、ニューヨーク・タイムズ紙のグレッグ・ドナヒュー記者による鋭い調査記事は、紙製品用の森林管理、農業、そしてグリホサートを含む大量の農薬使用が行われているカナダの地域で、脳疾患患者のグループが放置されたことを明らかにし、その実態を明らかにした。
これは、政府当局、規制産業、そして最前線にいる神経科医（医師）の間の緊張関係を例示しています。
この記事は、カナダのニューブランズウィック州の経済への打撃を軽減するために、保健当局が集団感染に関する独自の調査を操作したと思われる方法を詳述している。（この「Beyond Pesticides」の分析は、特に明記しない限り、ドナヒューの記事を参考にしている。）
ニューブランズウィック州には、モンクトンという大きな町と、農業と林業が盛んな広大な田園地帯があります。この州の農業産業はブルーベリーの生産が中心で、ニューブランズウィック州で 4 番目に広い農地面積を占めています。
州の約半分は森林で覆われており、製紙用の樹木プランテーションに充てられる土地の面積は増加傾向にあります。
グリホサートは、ニューブランズウィック州の林業で最も多く使用されている農薬であり、ニューブランズウィック州は、カナダ国内でグリホサート処理された森林の総面積でオンタリオ州に次いで2番目に大きい州です。この除草剤は、皆伐や植林で特に多く使用されています。
1974年に市場に登場して以来、何十年もの間グリホサートの無害性は信じられてきたが、その主張は完全に反証された。
2020年の包括的なレビューによると、アルコールは細胞に有毒であり、ホルモンと腸内細菌のバランスを乱し、非アルコール性肝疾患の一因となり、不整脈を引き起こす可能性があり、多発性骨髄腫や大細胞型B細胞リンパ腫と強い相関関係があり、黒色腫、白血病、結腸がん、直腸がん、膀胱がん、腎臓がんとの相関関係はそれほど強くありません。
国際がん研究機関がこの除草剤を「おそらくヒトに対して発がん性がある」と分類し、被害者らが起こした数千件の訴訟（その多くは健康への悪影響に対して陪審員が数百万ドルの賠償金を認定）にもかかわらず、非ホジキンリンパ腫との関連性については論争が続いている。
グリホサートには神経系への影響も数多くある。血液脳関門を通過し、アルツハイマー病に関係する炎症の一種を引き起こす。2022年のレビューでは、人間の場合、幼少期の曝露による自閉症のリスク上昇、げっ歯類の場合、不安、作業記憶障害、好奇心の低下、運動能力の低下、その他の問題などの影響が判明した。
炎症関連の痛みの原因となる可能性があります。詳細については、Beyond Pesticides 2023年8月31日のDaily News記事「研究により、一般人口のグリホサートへの曝露は神経系の健康にリスクをもたらすことが判明」をご覧ください。
パラコートはカナダでも広く使用されている。カナダでは8月15日、パラコートを有効成分とするグラモキソンの被害者に対する賠償を求める集団訴訟が起こされた。
この除草剤はカナダではもう使われておらず、他の32カ国でも禁止されている（ただし米国ではまだ使われている）。カナダの訴訟は、1962年のパラコート導入まで遡って被害者のために正義を実現することを目指している。
神経疾患の症例はモンクトンとアカディア半島の田舎の両方から来ていた。症例が明らかになると、被害者は神経科医のアリエル・マレロ博士に相談し、さまざまな神経変性疾患に典型的な問題の治療を求めた。
例えば、2018年に81歳の男性が非常に静かになった。彼は1992年だと思っていた。彼は何十年も前の商取引に執着し、騙されたと信じていた。その後、彼は発作を起こし始め、翌月に亡くなった。
他の被害者も、手足の痛み、バランス障害、歯がカチカチ鳴る、筋肉のけいれん、視力障害、幻覚、筋肉の衰えなど、同様のさまざまな症状に悩まされた。死亡した患者もいれば、ゾンビのような状態に陥った患者もいた。
この時点で、マレロ氏は20件以上の症例を診ており、8人が死亡していた。マレロ氏は、共通の環境曝露が原因かもしれない、あるいはまったく新しい病気かもしれないと疑っていた。
ニューブランズウィックの病院の医師らは、81歳の男性の子供たちに、父親がクロイツフェルト・ヤコブ病（CJD）にかかっていることを伝えた。これは、脳内でプリオンと呼ばれるタンパク質が誤って折りたたまれることで起こる病気で、非常にまれなものだ。
米国立衛生研究所によると、米国では毎年約350件のCJDの症例がある。医師らは男性の脳のさらなる検査を行った。3か月後、医師らは子供たちにCJDではないと伝えた。代わりの診断は示さなかった。
ドナヒュー氏の報道は、無関係なものではない。ニューブランズウィック州は、長い間、農薬問題に取り組んできた。先住民グループは、特に彼らが食料採集を続けている地域で、農薬の使用を減らすか、廃止するよう政府に圧力をかけてきた。多くの人々は、伐採地にグリホサートが散布されていることを知っており、伐採地での食料採集をためらっている。
政府機関はいくつかの措置を講じている。2019年、州は特定地域の送電線沿いのグリホサートの空中散布を削減した。
2021年6月、州当局がクラスター感染を否定していたのと同じ時期に、ニューブランズウィック州の立法委員会は、製紙農園とブルーベリー農園でのグリホサート使用のさらなる規制に関する公聴会を開催した。
新たな規制を求める報告書が提出された。先住民族は、先住民族のリーダーの一人が予定外に出席するまで証言に含まれていなかった。この記事の執筆時点では、ニューブランズウィック州で農薬の使用を規制する新しい法律はないようだ。
2022年、マレロ氏は自身のクラスターから101個のサンプルをケベック州の研究所に送った。同研究所は2021年にグリホサートとパーキンソン病のリスク増加との関連性を正式に認めていた。
彼が採取したサンプルの90%で血中グリホサート濃度が上昇していた。1つは検出限界の15,000倍に達した。ニューブランズウィック州の一般住民の農薬濃度は入手できないようで、そのため対照群はなかった。
カナダ保健省の生物モニタリングプログラムにはグリホサートも含まれるが、一般向けのダッシュボードではデータが州ごとに分類されておらず、解釈も提供されていない。
マレロさんはカナダのクロイツフェルト・ヤコブ病監視システムに自身の症例を報告していた。同システムとカナダ連邦保健機関から支援を受けた。
2021年3月、この症例に関する地元の医師へのメモがマスコミに漏洩し、国際的な注目を集めた。メモの漏洩から1か月以内に、連邦の科学者らは作業部会を編成した。
カナダの連邦保健研究機関は、インタビュー、診断テスト、人間と環境からのサンプルを含む研究に500万ドルの助成金を交付した。
この時点から、潜在的なクラスターとその考えられる説明の調査は、一方の戦闘員が問題を解決しようと決意した政府間の縄張り争いによって急速に脱線した。
連邦政府による調査研究が始まってから20か月も経たないうちに、このプロジェクトは州当局によって中止された。彼らは、集団感染の原因となった可能性のある当事者に有利な結論に達するために、科学的調査の特定のガイドラインを操作したのだ。
業界の足跡はシルエットで現れている。その影響は公式の議論では認められていないが、その輪郭は省政府の行動の形で目に見える。
ドナヒュー氏の記事によると、5月6日に州の参加者に回覧された電子メールの中で、ニューブランズウィック州の保健当局は、州保健局に「既存のデータをより深く調査」させるため、連邦の研究とその作業部会を「一時停止」したという。
10日後、マレロ氏は「上層部」からの指示により、州への事件報告をやめるよう州から指示された。ニューブランズウィック州当局の内部文書によると、彼らは捜査に連邦政府関係者が関与するのを避けようとしていた。
例えば、プロジェクトが「複数の管轄区域にまたがる」ことを防ぐため、ニューブランズウィック州から引っ越した2人の被害者をクラスターから除外した。
ニューブランズウィック州はまた、ニューブランズウィック州の人々が過敏になっているとして、連邦保健当局に住民とのコミュニケーションをやめるよう指示した。その後、被害者や支援者に詳細を知らせずに、監視調査を監督する独自の新しい委員会を任命した。
ここでは情報ギャップがあり、州は、林業や農業で使用される化学物質への環境曝露が問題を引き起こしている可能性があることを認めた場合の経済的影響に対して連邦政府機関が十分に敏感ではないと考え、管理を維持したかったことを示唆している。
連邦捜査の「一時停止」に伴い、最初の8件の死亡例の検死を行った病理学者は、クラスターとされるものには何もなかったと判断した。彼は帰無仮説で全てが説明できると発表した。
帰無仮説は、テストしている変数が何であれ、その影響がないと仮定しなければならないことを指示します。この場合、新しい病気が存在する可能性があり、それが環境への曝露によって引き起こされる可能性があるということです。
連邦作業部会の専門家の一人は、病理学者の立場は政策立案者や政治家が実際には何も起こっていないふりをすることを可能にする「抜け穴」だと述べた。
この時点で、作家で活動家のキャット・ランテインは、州は調査に真剣ではないという匿名のメッセージを受け取った。ランテインはニューブランズウィック州出身で、カナダにおける安全な血液供給の活動家である。
彼女はクラスター問題を追跡調査し、州の調査では、被害者に共通の病状がなく、症状の多くが複数の病気と重複していたため、新たな病気はあり得ないと判断するために連邦グループの当初の調査結果に立ち返っていたことを突き止めた。
こうした推論は、現代医学の最も深刻な問題のいくつかを浮き彫りにしています。まず、サイロ問題です。
ニューブランズウィック州の公衆衛生システムの神経学者たちは、公衆衛生そのもの、そして環境衛生の分野で環境への曝露が病気に与える影響を立証する膨大な研究があることに気づいていなかった。そのため、彼らはその考えを考慮から除外することができた。
第二に、ニューブランズウィック州の事例には、遺伝的に関連のない複数の被害者がいる世帯が多数含まれており、共通の外部曝露があった可能性が高いことを示唆しているにもかかわらず、州の保健当局は毒物調査を一切行わなかった。これは、人間と生物圏に痕跡を残す何千もの環境物質を包括する「エクスポソーム」という用語が科学者の間で広く採用されているにもかかわらずである。
さらに、遺伝子、育ち、外部からの曝露は相互に影響し合い、1 つの影響のみによって引き起こされる病気はほとんどないことが現在では広く認識されています。病気は多くの要因から生じるという現実がますます明らかになるにつれ、政策立案者、規制当局、保健当局は同様に学際的な証拠を考慮する必要があります。
2022年12月のThe Walrus誌のニューブランズウィック州のクラスターに関する記事で、カナダの上級連邦科学者は次のように述べている。
「私たちは、生物学的、疫学的、環境的特徴を調べるための信じられないほど優れたツールセットを持っています。
「活用されていない潜在力があるのは驚くべきことです。」
第三に、省の保健当局は、複数の疾患で発生する症状の原因が、これまで考えていたよりも因果関係の連鎖のさらに奥深くにまで遡る可能性があることを考慮しなかった。
例えば、Beyond Pesticides の投稿「研究により、パーキンソン病とレビー小体型認知症は脳と腸への化学物質の影響と関連している」をご覧ください。この投稿では、ロチェスター大学の神経学者レイ・ドーシー博士が、パーキンソン病とレビー小体型認知症は同じ病気である可能性があるという証拠を追跡調査する取り組みについて詳しく説明されています。どちらもパラコートなどの環境曝露によって引き起こされますが、一方では腸神経系から脳に損傷が伝わり、他方では鼻神経を介して損傷が伝わります。
ドーシー氏はそれ以来、パーキンソン病を「人為的なもの」と呼ぶようになった。
2022年2月24日、同州の最高医療責任者は、州監督委員会が作業を終えたと発表した。「グループ内で共通の感染は確認できなかった」。
最終報告書の中で、省の保健当局は、症例の定義が広すぎて他の病気と重複しており、そのため人体組織検査は必要ないと述べた。
連邦の科学者たちは州の結論に同意していないようだ。連邦のCJD監視システムの責任者であるマイケル・コールハート博士は次のように述べた。
「私の科学的意見は、ニューブランズウィック州では、個々の神経科医の偏見や意図では決して説明できない何かが実際に起こっているということだ。」
彼もまた、「環境的な引き金」があるに違いないと考えた。
州の調査が終了すると、患者たちは最初にマレロに紹介した医師のもとに戻された。州の保健当局は、患者たちに、統合失調症、進行性核上性麻痺、ガン、アルコール中毒による脳損傷、HIV、さまざまな認知症など、医師が診断として考慮すべきことを伝えた。
患者個人にもよるが、こうした症状のほとんどは、マレロ氏に紹介される前に除外されていた。
マレロ氏は現在、診断不能の患者を430人抱えており、そのうち111人が45歳未満。39人が死亡している。マレロ氏によると、ニューブランズウィック州は世界でも最大級の若年層の認知症患者が集中する地域の一つだという。
ニューブランズウィック州の被害者は、膨大な量の関連証拠を考慮しないような方法で調査を定義した捕らえられた専門家や政府当局者によって、業界への犠牲が助長されてきた人々の長い列に加わった。
被害者は通常、何年もの苦しみと努力、自費での検査とさらなる研究に耐え、ようやく、正義への道のりがあまりにも遅い規制機構の方向性を変えるための政治的影響力を蓄積しなければならない。
元々はBeyond Pesticidesによって公開されました。
この記事で述べられている見解や意見は著者のものであり、必ずしも Children's Health Defense の見解を反映するものではありません。
Beyond Pesticides はワシントン DC に本部を置く非営利団体で、公衆衛生と環境の保護に協力し、有毒農薬のない世界への移行を主導しています。
