厚生労働省の『誓いの碑』
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/chikainohi/
1.ジャーナリストの猪瀬聖氏の次の記事には、薬害エイズの被害者である立憲民主党の川田龍平議員の国会での発言が報じられています:
https://news.yahoo.co.jp/byline/inosehijiri/20190725-00135499/
売上No1除草剤に発がん疑惑、禁止国増える中、日本は緩和
猪瀬聖 | ジャーナリスト 2019/7/25(木) 7:00
猪瀬聖
ジャーナリスト
慶應義塾大学卒。米コロンビア大学大学院(ジャーナリズムスクール)修士課程修了。日本経済新聞生活情報部記者、同ロサンゼルス支局長などを経て、独立。日経では、食の安全、暮らし、働き方、ライフスタイル、米国の社会問題を中心に幅広く取材。現在は、主に食の安全やライフスタイル、米国の社会問題などを取材し、雑誌などに連載。また、日本人の働き方の再構築をテーマに若手経営者への取材を続け、日経新聞電子版などに連載している。著書に『アメリカ人はなぜ肥るのか』(日経プレミアシリーズ、韓国語版も出版)、『仕事ができる人はなぜワインにはまるのか』(幻冬舎新書)。日本ソムリエ協会認定シニアワインエキスパート。
『薬害エイズの二の舞に?
海外では危ないと言われている農薬の規制緩和に不安を募らせる消費者は多く、市民団体が独自にグリホサートの残留値を調べる取り組みも始まっている。
3月18日の参議院予算委員会では、質問に立った立憲民主党の川田龍平議員がグリホサートなど農薬の問題を取り上げ、「薬や食品など国民の命にかかわる分野に関しては、薬害エイズの時のように、何かあってから対処するのでは取り返しがつかない」と政府の姿勢を厳しく批判。そして、「EUをはじめ多くの国々がとっている予防原則にのっとって速やかに対策をとるべきだ」と政府に規制強化を迫った。
薬害エイズの被害者だけに、説得力のある言葉だ。』
*立憲民主党の川田龍平議員の公式サイト
https://ryuheikawada.jp/index.php
2.薬害エイズ事件の概要は、Wikipediaのサイトにまとめられています。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%96%AC%E5%AE%B3%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%82%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6
『薬害エイズ事件(やくがいエイズじけん)とは、1980年代に血友病患者に対し、加熱処理してウイルスを不活性化しなかった血液凝固因子製剤(非加熱製剤)を治療に使用したことにより、多数のHIV感染者およびエイズ患者を生み出した事件である。
非加熱製剤によるHIV感染の薬害被害は世界的に起こったが、日本では全血友病患者の約4割にあたる1800人がHIVに感染し、うち約600人以上がすでに死亡しているといわれる。』
薬害エイズの被害者は約1800人で、うち600人以上の方が既に亡くなられています。
ラウンドアップ(グリホサート)による発癌性の問題は、米、小麦、大豆、野菜、肉類のようなほとんど全ての日本人が食べている基本的な食料品に発癌性物質が含まれている問題です。
薬害エイズ事件のような、少数の患者の方が対象であった事件とはけた違いの規模になります。
日本の人口1.268億人が対象になりますから、薬害エイズの被害者1800人との比を計算すると、被害者の規模は7万倍も大きなものになります。
このままいけば、想像を絶する悲惨な未来、癌患者の大幅な増加という地獄絵図が日本人を待ち受けていると思われます。
3.薬害エイズ事件を発生させた後、厚生労働省は、再発防止を誓って敷地内に『誓いの碑』を設置しました。
厚生労働省の公式サイト『誓いの碑』
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/chikainohi/
誓いの碑
厚生労働省では、「薬害エイズ事件」の反省から、血液製剤によるHIV感染のような医薬品による悲惨な被害を再び発生させることのないように、その決意を銘記した「誓いの碑」を、平成11年8月24日、厚生労働省の正面玄関前に設置しました。
『誓いの碑
命の尊さを心に刻みサリドマイド、スモン、HIV感染のような医薬品による悲惨な被害を再び発生させることのないよう医薬品の安全性・有効性の確保に最善の努力を積み重ねていくことをここに銘記する
千数百名もの感染者を出した
「薬害エイズ」事件
このような事件の発生を反省し
この碑を建立した
平成11年8月 厚生省』
ラウンドアップ(グリホサート)は農薬の除草剤であり、医薬品ではないから、どうでも良い、と厚生労働省は思っているのでしょうか?
医薬品であろうと農薬であろうと、毒性のある物質が人体に及ぼす悪影響を規制するのは、厚生労働省の管轄です。
現に、厚生労働省はグリホサートの食品への残留基準を決定する責任を負っています。
薬害エイズの反省と『誓いの碑』は、口先だけの嘘なのでしょうか?
厚生労働省の体質は、薬害エイズの時代と何一つ変わっていないようです。
参考資料
厚生労働省は2017年12月、一部の農産物のグリホサートの残留基準値を引き上げました。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000193425.pdf
生食発1 2 2 5 第4 号
平成2 9 年1 2 月2 5 日
厚生労働省大臣官房
生活衛生・食品安全審議官
( 公印省略)
食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について
食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件(平成29 年厚生労働省告示第361号)が本日公布されました。
改正の概要については、下記のとおりですので、関係者への周知をお願いするとともに、その運用に遺漏がないようお取り計らいをお願いします。
第1 改正の概要
1 食品衛生法(昭和22 年法律第233 号。以下「法」という。)第11 条第1項の規定に基づき、農薬イソキサチオン、農薬オキシテトラサイクリン、農薬グリホサート、農薬シクラニリプロール、農薬スルホキサフロル、農薬ニテンピラム、農薬パクロブトラゾール、農薬フェンピラザミン、農薬フルトラニル及び農薬ボスカリドについて、食品中の残留基準値を設定したこと(別紙参照)。
2 法第11 条第1項の規定に基づき、食品において「不検出」とされる農薬等の成分である物質として規定されているジエチルスチルベストロールにおける試験法を改正したこと。
(中略)
第3 運用上の注意
1残留基準値関係
(1)残留基準値の欄に記載のない食品及び表中にない食品については、一律基準(0.01ppm)が適用される。
(以下略)