自然の中で週に数時間過ごすと健康に有益
2つの研究の要約
(1)約2万人の英国成人を対象にした調査で、自然の中で週に2~3時間過ごす人は、全く屋外で過ごさない人と比べて健康だったり幸福を感じたりする確率が高いことが分かった。
必ずしも山歩きをしたり遠出をしたりする必要はないようだ。参加者の多くは、自宅から約3km以内にある公園や緑地などで自然を楽しんでいたという。「場所はどこでもよく、一度に2時間でなくてもよい」と同氏はいう。
(2)自然の多い、①改装保育園で過ごした子供たちは、自然の少ない②標準型保育園で過ごした子供たちよりも、皮膚の微生物の多様性が30%以上増加し、腸内細菌にも大幅な増加が確認されました。
さらに子供たちの血液サンプルからは、抗炎症性サイトカインや制御性T細胞など、免疫系に関連する様々なタンパク質や細胞に有益な変化が表れたのです。
この免疫上の良い変化は、③自然志向型保育園の子供たちでも同様に観察されました。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの免疫学者グラハム・ルーク氏は、「この研究は、子供たちを生物多様性のある自然環境にさらすことで、本質的な制御メカニズムのいくつかが高まることを示している」と述べています。
1.自然と人の触れ合いによる健康の維持
人工的なもので満ち溢れている大都会にいると、人は自然との触れ合いを失いやすくなります。
自然とは、宇宙、銀河系、太陽系、地球のような惑星、月のような衛星、海、湖、川、陸地、森林、山、そしてそこに生きる無数の動植物・昆虫などの生き物が含まれます。
良く忘れられているのは、われわれ人間も自然により生み出された、自然界の生き物(動物)であるという事実です。
大都会のような人工的なものの中にいると、肉体的・精神的な不調を訴える人が数多くいることが知られています。
その原因は、各種の有害物質、ストレスに満ちた生活など、様々なものがあります。
人は、非常に複雑な生き物であり、環境による影響を大きく受ける「超複雑系」というべき生き物です。
人に影響する要因の中で、自然との触れ合いに関する研究があります。
これらの研究を見ると、極論すれば人は自然から離れて生きていくことはできないようです。
自然との触れ合いを、どこか遠くの土地の山や海に行くことというような大げさなものとしてとらえるのではなく、近所の公園に行って、時間を過ごす、公園の植物に触れてみる、公園の土に触れてみる、自分の家の菜園や畑や花壇に触れる、というような、身近で簡単なものをやってみてはどうでしょうか。
このブログでは、真如=空=天の父=宇宙の英知について調査・報告しています。
自然は、真如=空=天の父=宇宙の英知により作られ動かされているものです。それは、われわれ人間も同じであり、真如=空=天の父=宇宙の英知により作られ動かされているものです。
人が自然に触れることは、人に毒されていない真如=空=天の父=宇宙の英知に触れることのように私には思われます。
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2.ネットに「自然の中で週に数時間過ごすと健康に有益」という記事があります。
自然の中で週に数時間過ごすと健康に有益?
提供元:ケアネット、HealthDay News
公開日:2019/07/10
週に数時間ほど自然の中で過ごすだけで、心も身体も健康になる可能性があることが、英エクセター大学のMathew White氏らによる研究で明らかになった。約2万人の英国成人を対象にした調査で、自然の中で週に2~3時間過ごす人は、全く屋外で過ごさない人と比べて健康だったり幸福を感じたりする確率が高いことが分かった。研究の詳細は「Scientific Report」6月13日オンライン版に掲載された。
この研究は、国が行った調査に参加した英国成人1万9,806人を対象としたもの。参加者には全般的な健康状態と生活の満足度(ウェルビーング;身体的、精神的および社会的に良好な状態)のほか、過去1週間に森林や海岸、街中の緑地などの屋外で過ごした時間について尋ねた。さらに、さまざまな因子を考慮するため、外出を妨げるような健康上の問題や運動習慣以外にも年齢や職業、婚姻状態、貧困率や犯罪率といった居住地域の特徴についても調べた。
その結果、自然の中で週に2~3時間過ごしていた人は、82%が「健康状態が良好」と回答し、65%が「精神的な幸福度が高い」と答えていたのに対し、全く自然に触れていなかった人では、それぞれの割合は68%、56%と低かった。また、高齢者や健康に問題を抱えている人でも、屋外で週に2時間以上過ごす人は自身のウェルビーングを高く評価していた。
White氏によれば、必ずしも山歩きをしたり遠出をしたりする必要はないようだ。参加者の多くは、自宅から約3km以内にある公園や緑地などで自然を楽しんでいたという。「場所はどこでもよく、一度に2時間でなくてもよい」と同氏はいう。
この研究には関与していない米ワシントン大学のKathleen Wolf氏も、「“自然と触れ合う”と言えば国立公園などに出かけることを連想する人も多いが、時間やお金をかける必要はなく、自宅近くの公園で十分だ」と述べている。
また、Wolf氏によれば、この研究は、単に「屋外で過ごそう」というだけではなく、具体的に過ごすべき時間を明らかにしている点が興味深いという。これまでにも多くの研究から、自然に触れることは心身の健康に有益なことが示されている。
例えば、2018年には140件の研究をレビューした論文で、日常的に屋外で過ごしたり、自宅周辺に緑地が多かったりする人では、血圧や心拍数、「ストレスホルモン」であるコルチゾールの血中濃度が低いことに加えて、睡眠時間が長く、2型糖尿病や心疾患になりにくいことが示されている。
自然と触れ合うことが健康に有益であることのメカニズムは明らかになっていないが、「このエビデンスには説得力があり、地域の住環境を整備する際には、緑地化を進めるべきだ」とWolf氏は主張する。また、同氏は「地域住民の誰もが公園や緑地を利用できるように配慮することも大切だ」と付け加えている。
[2019年6月13日/HealthDayNews]
原著論文はこちら
White MP, et al. Sci Rep. 2019 Jun 13. [Epub ahead of print]
原論文フリーアクセス
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6565732/
Sci Rep. 2019; 9: 7730.
Published online 2019 Jun 13. doi: 10.1038/s41598-019-44097-3
PMCID: PMC6565732
PMID: 31197192
Spending at least 120 minutes a week in nature is associated with good health and wellbeing
Mathew P. White,corresponding author1 Ian Alcock,1 James Grellier,1 Benedict W. Wheeler,1 Terry Hartig,2 Sara L. Warber,1,3 Angie Bone,1 Michael H. Depledge,1 and Lora E. Fleming1
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3.ネットに「子供の免疫力は自然と遊ぶことで強くなるという研究結果」という記事があります。
https://nazology.net/archives/71478
子供の免疫力は”自然と遊ぶことで強くなる”という研究結果
HEALTH 大倉康弘 2020/10/18(日)
フィンランド・ヘルシンキ大学生物環境科学部の研究者アキ・シンコネン氏らが発表したものを要約したものです。
https://advances.sciencemag.org/content/6/42/eaba2578
Biodiversity intervention enhances immune regulation and health-associated commensal microbiota among daycare children
Science Advances 14 Oct 2020: Vol. 6, no. 42, eaba2578
以下は、ネット記事の抜粋です
この実験には、フィンランドの2つの都市に住む75人の子供たちが参加しました。
彼らは皆3~5歳であり、28日間、朝と夜は自宅で、日中は10か所の保育園でそれぞれ過ごした後、免疫機能の変化を検査しました。
そして保育園は次の3種類に分類されています。
①改装保育園(4か所)。都会の標準的な幼稚園に小さな森(土、草、芝、コケ、低木、植栽箱)を導入しています。
②標準的な都市型保育園(3か所)。緑地はほとんど無く、全く無い所もあります。
③自然志向の保育園(3か所)。子供たちは毎日近くの森に連れていかれます。
子供たちはそれぞれ保育園特有の環境で過ごしましたが、特に改装保育園では1日1.5時間、植物や土で遊ぶよう勧められました。植物を植えたり、天然素材を使って工芸品を作ったりしたとのこと。
保育園の食事はすべての場所で同様の物が与えられており、自宅での生活様式は指定されておらずランダムです。
実験の結果、①改装保育園で過ごした子供たちは、自然の少ない②標準型保育園で過ごした子供たちよりも、皮膚の微生物の多様性が30%以上増加し、腸内細菌にも大幅な増加が確認されました。
さらに子供たちの血液サンプルからは、抗炎症性サイトカインや制御性T細胞など、免疫系に関連する様々なタンパク質や細胞に有益な変化が表れたのです。
この免疫上の良い変化は、③自然志向型保育園の子供たちでも同様に観察されました。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの免疫学者グラハム・ルーク氏は、「この研究は、子供たちを生物多様性のある自然環境にさらすことで、本質的な制御メカニズムのいくつかが高まることを示している」と述べています。
(抜粋終わり)
ネットのこの記事には、グラフや写真もありますから、ご覧になってください。