がちゃ三毛庵~猫よ、花よ~

東京の一角。ご近所から次々合流してきたネコたちと暮らす・・・いけばな徒然日記

秘書がほしい

2014-11-07 | Weblog
オフィスで一人、のんびり仕事に精を出していると、
友人が仕事をさぼって遊びに来た。

仕事をさぼっているのは友人である。
ワタシは仕事をさぼらされた、という立場であることは日報には書かないでおこう。

友人は大きな顔を五分の一ほど隠した真っ黒な肩までのストレートヘアで、
真っ黒なコートを着て、
グレーの折り畳み傘を持ち、怪しげな微笑みを浮かべてオフィスに入って来た。
「ハロウィーンは先月末、終わっているはずだが、何の仮装か?」
と思わず聞いてみると、
『仮装じゃないわよ。いつもと同じよ~』
と仮面のような顔で口元だけ微笑む。

こういう人物と一緒に居ると、ワタシまでベムベラベロの仲間ではないかと疑われてしまうことが心配になったが、
部屋には、さぼって来た仮装女史と、さぼらされている一般民間人女性しかいないのが幸いだ。

『最近、兄の子供の面倒をみてるのよ』
「それで子供がいつでも笑えるように、そんな仮装をしてるのか」
『やだぁ。だから仮装じゃなくって普段通りだってば!
やたらデカい男の子だから、両方の婆ちゃんが面倒みきれなくなっちゃって、ワタシが面倒みてるのよね』

オトコとコドモには全く縁がないのかと思っていたが、
話を聞いてみると「乳児」と「ケモノ」には絶大なる人気があるらしい。
モノを話さない、ということが共通点だ。
何も話さないことをいいことに、
ご希望を察して、先回りして親切を施すところが人気の秘訣なのだそうだ。
ワタシのような控えめなニンゲンには考えも及ばぬ心構えである。

そう言えば彼女が世話を焼いている(彼女の会社の)社長さんは、
不思議の国のアリスに出てくる、卵型したハンプティダンプティが、
大きな荷物を持って、ゼイゼイ言いながら、階段を上がっているイメージがあるが、
話が不明瞭なため、会話は、いつも彼女がご希望を察してアレコレ付け足し、
やっと共通言語として認識できるレベルに達する。

ただし、本当に言いたいことは、そのことなのか、を確認するすべがない。
自信満々に断定されると、なぜか自分が間違っているような気になるからだろう。

『社長、コレコレこうおっしゃりたいんですよね!』
「ウンウン・・・」

『社長、ランチはAコース、Bコースどちらになさいますか?』
「文字が小さくて良く見えないが・・・」
「Aコースですね。ホットコーヒーは食後にお飲みになりますよね」
「ウンウン・・・」

こんな秘書の脳内は「悪」「邪」「猛」「暴」で埋め尽くされているに違いない。
ちなみにワタシの脳内は「休」「嘘」「秘」「私」で構成されている、と出てしまった。
明らかに秘書向きではない。秘書が必要なタイプだろう。

秘書タイプ


秘書が必要なタイプ


~おまけ~
「ウッディペア」というオーストラリアの乾燥花材を使った作品。
1本スッと伸びている枝は「桐」。




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