突如アレルギーを発症した中年女から届いたメール文通（その1)

日頃、気に食わない男性にはあからさまな拒否反応を見せ、好みの男性には目の色を輝かせて応対する＝「地軸はワタシの下にある」＝独身道を闊歩している友人が、大好物の相手に対し、生まれて初めて拒否反応を示す羽目に陥った、という内容のメールが届いた。
自分の意志を貫き通して生きてきた生き様を、根こそぎ否定されたような事件である。

海鮮丼を平らげ、イクラアレルギーを発症したというのだ。

『背景　りささま～こんにちは！
ご機嫌麗しゅう！？

それに比べて、、、ちょっと　ちょっと～
ワタシったらどうなってしまったのかしら！！
（注：何と何を比べているのかは不明）

この歳になって「イクラアレルギー」が発覚したわぁ。
公設市場のお祭りにて　美味しい美味しい海鮮丼をいただいたの。
新鮮なお魚がてんこ盛りの本当に美味しい昼食でございましたの。
で、シアワセ満喫した１時間後には病院送りとなりました。
もちろん「食中毒」ではござんせんぜ。
だって　まわりの人も同じモノを食べたけどピンピンしてるもの。
そーよ、ワタシだけなのよ。
思えば20代前半のこと　苦手なイクラを食べた後に苦しんだことはあった！
だけどそれは鮮度がそんなによろしくない＆あまり旨くないイクラだったの。
あれ以来「イクラ嫌い」ではあったけど、、、
大人になったことだし、鮮度の良いモノは確かに旨い！
ってことで　イクラごと完食したらこのザマでございます。
先生は「たぶんイクラだと思うけど、念のためアレルギー検査の結果がでるまでは
海鮮丼に入っていた他の魚も食べないでね」
ってさーーーー！！！
マグロも　ホタテも　海老も　イカも　好物がほとんど入っていたやーーーん！！
その他の好物は　ほぼ犯人じゃないと思うのよーーー！！
とはいえ　結果が出るまで一週間の辛抱か、、、あの苦しみを思えば我慢したほうが良さそうだわね。
あ～　早くその他のお魚は解禁！でお願いしたいざます～。
後略・・・』

メールを見返せば、
20代前半、「苦手なイクラ」を食べた後、苦しんだことがあったと記されており、
現在、中年のカテゴリーに至ってみれば、「美味しい美味しい海鮮丼」をペロリと食べ、病院送りになっている。
つまり、
「オンナいぶし銀」度数が増してくるに従い、
脳内変換で、イクラは「苦手なもの」から「美味しいもの」にすり替わっているが、
体内反応は、残念ながらすり替わっていない、ということになる。

中年女は「前向き」で「能天気」で、ネタは上でも下でも盛り上がる・・・という特徴があるが、まさに代表格、と言っても過言ではない。
だが、さすがに心美しく、慈愛に満ちたワタシ・・・
「ネタはイクラでもある。今度から下でも喰っておけ」などと、オヤジの詰め合わせのようなふざけたご返信をお送りすることはない。

早速、お見舞いのメールを差し上げた。
『このたびのイクラ大事件！
まずは、本来ならば今頃小さな体ながらも、必死に川から大海に向かうためにご成長なさっているはずの稚魚の皆様に、心よりお悔やみ申し上げます。
ついでに、大切なわが友が、イクラと心中、などとの新聞ネタにならず、心より安堵いたしました。
美人薄命のカテゴリーから遠ざかった数十年。
お互い、食い意地張って落命した、と、葬儀でコソコソ言われないように心がけたいものでございますわ。

ワタシも知るヒトぞ知る、胡麻アレルギーでございますので、「死ぬかと思った」お気持ち、重々にご拝察申し上げます。
まずは、他のお魚さんたちが解禁になることを心よりお祈り申し上げますと共に、
この1週間、貴女様の元気の源となるお肉の皆様へ心よりご冥福をお祈り申し上げます。

ふと思いまするに・・・・日々、出来るだけ目立たないよう、外出を避け、友人も少なく、粛々と隠遁生活を送っているワタシからしてみますと、お食事に誘っていただける口実がグーンと増えることはうらやましい限りです。
たとえ割り勘でも、お寿司屋さんに誘っていただける率が増えるであろう、という予測は容易で、とてもうらやましく存じます。

結果が出るまでは気が気ではないでしょう。
是非、数日以内に、
河童と鉄火＋お茶。
イクラとウニ、カニ、ホタテ＋大吟醸
アレルギー発症を回避したメニューを堪能しつつ、
割り勘で、症状や処置のお話を伺わせてくださいませ。
お目にかかれますこと、楽しみにしております。

御機嫌よう　かしこ』

早く候補日を上げて来ないかな！？久々の寿司屋、楽しみだ。

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いつの間にか「ネコのブログ」から
「ネコと暮らす中年女のブログ」にすり替わっていることに気がついた。

チャンとネコ、居ます（マカロニ・・・ひもじさ全開でご飯をねだる）。