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独り言-流動性知能-

2009-05-29 | Futsal
■独り言-流動性知能-

前回の独り言で触れた空間認識能力に続いてちょっと医学的な知識を少し。
今回は知能について触れてみたいと思います。
知能には主に二種類の「流動性知能」と「結晶性知能」に分かれます。

この二つの違いはと言いますと、流動性知能は人が新しい状況に適応したり、これまで経験したことのない問題を解決するのに用いられる能力です。
これと対照的な特徴を持つのが結晶性知能で、語彙や文法、計算などの日々の積み重ねで習得された能力を言います。

流動性知能は、学習や経験や教育や文化の影響を受けない知的能力であり、結晶性知能では役に立たない新しい状況や未知の問題に対して柔軟に対応する能力とされ、先天的な知能とされています。
ですから、加齢にともなう脳の器質的障害の影響を受けやすいと言われ、20歳をピークに下降していきます。
物忘れやパソコンでは若い人にかなわないなどということは高齢期においてよくあることでしょうが、これは正常な老化過程で必然的なのです。

医学的にはトレーニングで流動性知能をアップさせることは可能であるという研究発表もされているようですが、まだはっきりとは結論はでておらず、長い間論争されているようです。
ですので、現状は先天的な知能と認識されています。
しかし、一時的に知識を向上させることは可能のようです。
生まれ持った知能ですので、この知能が高いと頭が切れる、回転が速いなどと表現されます。
謂わば、天才を称する時にこの知能が必要不可欠でしょうね。

対照的な結晶性知能は、簡単にいうと努力型とでも言いましょうか。
この能力はその人の生活経験や教育・職業や日々の訓練などのそれまでの人生を通じて学習されたものを発揮する技能や知識能力なのです。
ですから、結晶性知能は80歳代でも高いレベルで維持している例も多く見られます。

この二つの知能をウサギとカメの物語に例えますと流動性知能に優れる人はウサギで、結晶性知能に優れる人はカメ。
流動性知能に優れる人はウサギのように機敏で習得は速く、効果は著しい。
しかし、流動性知能だけでは結晶性知能というエネルギーが無いので、やがて息切れして日々着実に結晶性知能を蓄えてきた亀に追い抜かれてしまう。

だから、ウサギのような機敏性のある流動性知能が低いからと言って失望、落胆する必要はなく、カメのように遅くとも日々着実に結晶性知能を蓄えていく人が、結局はウサギを追い抜き勝利するのです。

流動性知能はその時の訓練によって若干上がるようですが、訓練を受けなければまた下がってしまうようです。
これに対して結晶性知能は日々蓄えられるのであるのですから、多くの良い知識を吸収することによって着実に年々知能は上昇して行きます。

このようにして結晶性知能は繰り返し行うことで多くなり、脳の各部分が発達し、総合力が生まれ、判断力が生まれます。
結果的に俊敏な流動性知能も作り、脳の働きが速くなっていくようです。

つまり、天才は生まれ持った要素が大きく左右するのですが、努力することで結晶性知能を積み重ね優秀な人材にはなり得るということでしょう。

スポーツに例えると、日々のトレーニングがいかに大切であるかということがわかると思います。

ですが、流動性知能が高く、日々の積み重ねで結晶性知能が備わった選手などには敵いそうにありませんね。
そういう人が世界的に有名な選手になってるのかな?
実際はそうかもしれませんが、そういう選手は流動性知能に依存する率が高いため、選手としてのピークも短いことが想像できます。

日々、努力し鍛錬し続けていくことが天才を追い抜く術なのでしょう。

前回触れた空間認識能力とリンクさせて、今回の知能について考えてみてはいかがでしょうか?
そうすることで、日々の生活の中で色々見えてくることもあると思いますよ。


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