不思議活性

『趣味の部屋・詩と私』 SNOWさんの詩より



『趣味の部屋・詩と私』  紹介詩: SNOWさんの詩より


DATE: 11/04/2008 07:41:14 AM

『Ti voglio bene. ティ ヴォッリョ ベーネ-』

目を背けたくなるような
リアルがあるから こそ
夢心地を求める気持ちは
ますます 募っていく
そんなことは 解っている
頭では ちゃんと解っている

でも
理屈じゃない
愛する気持ちには 偽りはない
そこには 何の計算もなく

ただただ
その心を
欲して
やまずにいる

リアルのせい だけじゃない
身体の中心が叫んでいる
あなたが必要だ と

欲してやまない この
切なさには
何の嘘はない
身体のすべてが
あなたを 求めている

苦しい
苦しい
苦しい…
あなたを
求めている…

『恋心』

好きです
好きです
好き
何度伝えたら
この切なさが消えるのだろう
好き
好きでたまらない
身体のすべてが
つねにあなたを求め
あなたの名前を呼んでいる
好きです
心から
何度でも
言わせてください
あなたが好きです と

DATE: 11/23/2008 09:20:44 PM

『nome ノーメ』

わたしの名前をよんで
あなたの
その声で
わたしの
わたしだけの名前
あなたが
優しくよんでくれたなら
わたしは
それだけで本当に
しあわせな気持ちになれる
あなたの
その声が
あなたの
その声が
わたしを
本当に
しあわせにしてくれる

DATE: 12/05/2008 03:14:47 PM

『sottomare ソットマーレ … 海底』

深くまで沈みたい
この首に外せない重しをつけて
紺色の海の底まで
深く深く 沈みたい

二度と浮かび上がらないように
ちゃんと縛り付けてね

それがあたしの望みなのだから

太陽の光は
あたしにはつらすぎて
その中で生きるには
脆弱でありすぎた

あたしがあたしでいるためには
深海の光も音も届かない
重い海圧に潰されるくらいの
枷があるくらいがちょうどいい

この身体がふやけて
腐りはじめたら
あたしの中の少し残った
¨期待¨というガスが
きっと懸命に
あたしを浮かび上がらせようと
もがき始めるかもしれない

そんなものには
負けないように
ぐるぐると幾重にも
固くきつく贖罪の重しで
ひと思いに波間へと
投げ込んでくれない

それが今のあたしの
望みなのだから

『深呼吸』

つながらなかった
それが単純に
どうしようもない事象のせいなのか
それとも
じつは
こころ が
なんて寂しい考えが浮かんできたら
こわくて 急にこわくなってしまった
でも
いまは ちがうことを考えよう
ただただ
ゆっくりと 深呼吸 してみよう
あせってはいけない
すごく こわいけれど
いまは ちがうことを
いまは あのひとの しあわせだけを
祈って 深呼吸 してみよう

DATE: 03/04/2009 06:35:41 PM

『incertezza … インチェルテッツァ』   
(不確かさ、不明確さ、ためらい、不安 )

あたしは
どんな存在なのだろう
誰かの記憶の一筋に
ちゃんと刻まれているのかな
あたしは
あたしは どこかにいますか?
ふと 足元の影に怯えて
のまれないかと不安になる
この 伸ばした指先を
誰でもいい ぐっと掴んで
あたしは
あたしは どこかにいますか?
あたしの 名前を
呼ぶ人はいますか?
不確定な証をどうか
わかるように
あたしに見せてください
あたしが生きていく理由を
誰か 教えてはもらえませんか

DATE: 04/13/2009 06:00:57 AM

『いつかどこかで』

いつか どこかで
また 出会えたら きっといいね

何度も転んじゃったけれど
それも 今は 笑える思い出

目を閉じると
いつでも 浮かんでくるよ

あなたの 笑顔 話し声

一緒にいたら それだけで
それだけで 楽しかった

それだけで よかったのにね

そんな簡単なことに
気が付くのが あたし
だいぶ 遅かったみたい

あなたのこと
ちょっと 結構 だいぶ 本気で

大好きだったみたい

だから もう
悲しむばかりじゃなくって
楽しかったことだけを
あたしの胸に 大事にしまって
今日からは

…明日から は

にこにこ笑って
あなたが褒めてくれた
あたしのいちばんの笑顔で
歩いていくからね

だから また
いつか どこかで 笑顔で
出会えたら きっと いいね 

DATE: 04/25/2009 05:27:53 AM

『tsuyosa』

あたしの心って
すごくちいさい

自分がころんで
傷がつくと 途端に
そのことで
頭がいっぱいになって

ほかのだれかのことが
遠くなってしまう

いたい いたい

そう言って
泣いてばかりで
大切なものを いつも
見失いかける

ほんのちょっと
ほんのちょっとでいい

つよくなりたい

大切な人たちのために
つよくなりたい

たとえころんでも
周りを見渡せるつよさ

ほかの大切なだれかが
泣いていないかを
見渡せるつよさ

そんなつよさが
あたしに 欲しい

DATE: 05/01/2009 08:36:32 PM

『きいていたいの』

好きだといわれた

あたしのことが
あたしなんかのことが
好きだって そういわれた

胸が どきどきした

頬も熱く火照ってしまった
けれど なんだか
あたしの こころ
とっても 暖かくなったの

言葉って 本当に不思議

簡単に
鋭利な凶器にもなるのに
簡単に
軟らかい毛布のようになる

どうしよう
どうしよう

好きだと あたし
いわれてしまったの
こころが こんなに暖かくって

だけど ね
すごく 胸がどきどきして
しんじゃうかも しれない

でも
こういうどきどきで もし
しんじゃえるなら ねえ

あたし とっても
幸せかもしれない

もっと聞きたいな
もっと もっと聞きたいな

そしたら あたし
もっと もっと もっと…

暖かくなれるから

DATE: 09/23/2009 07:05:31 PM

『繭の恋文』

言葉を紡ぎすぎたみたい
少しだけ休んで
またはじめよう…

愛しい人への恋文さえも
あたしの心は
その命を削りながら
少しずつ消費されてゆく

あたしは
コクワガの幼生と同じ
小さな躯から愛を吐きだし
美しかれと言葉を形づくる


唯一
違うとしたら


あたしは
この心の命が尽きるまで
永遠に吐きつづけること

コクワガはいつか
繭を破り羽ばたくけれど
あたしはその内側で
息絶え朽ちていく…


愛しい人は知らない
あたしの
いつか訪れるその時を


それでも
少し休んではまた
あたしは
恋文に言葉を紡ぎつづける

吐きだしては削りゆく
この心を抱きしめながら

DATE: 10/01/2011 07:43:24 PM

『僕』

今夜も なんだか眠れない
眠りかた 忘れたかな
いやちがう

いつの頃からだろう
夜中の静寂に
刻む時のひとつひとつが
まるで退屈…

暗闇の部屋の中に
他の生物たちもが
大なり小なりかまわず
寝息をたててるのは
ホントウ…?

僕だけが 夜の世界とは
ほんの薄い壁一枚で
仕切られたみたい

つづく孤独感…

さまざまなものが
休息を味わうなかで
何故 僕だけは
こんなにも
ざわざわと臨戦体制…

まるで クジラの爆発寸前

夢の中に入ってみたい
だけど 本能が
拒まれていること
理解している

僕に 休息の時はない
退屈な 一刻一刻とともに
脳を働かせよと
きっと でも 多分

多分

そんな指令とともに
この世界に湧き出てきたんだ

いつか 僕も爆発するのかな
クジラみたいに

弾けて 飛び散る
その時が 僕の最初で最後の
休息になるのだろう


*その心は未来が見えるかな。ブログ「雪月花」のSNOWさんの詩の紹介でしたが、その繊細な心の襞から零れた言葉の結晶としての詩。でも、SNOWさんいはく、そのすべてがわたしで、すべてがわたしではない結晶の不思議という・・・・。

僕は この世界に 在るのだろうか
足元の影を 確かめては 瞳を閉じて安堵する
風吹けば すり抜けぬよう 雨降らば 湿るのを確かめ
僕が 僕を ひとつでも 微塵も逃さぬように
僕が 僕を 見つけることができるように
不安の粒を ひとつずつ そう ひとつずつ 消して 潰さなくては



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