囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

残酷な天使のテーゼ

2019年04月25日 | 【カベ突破道場】
囲碁の中の人身御供の巻】

■囲碁は「陣地の大きさを競うゲーム」といいますが、最初からそう考えると上達できません。
 
■確かに「最後の最後は、陣地を数え、大きい方が勝ち」ではあります。それは結果であって、本質は、もっと残酷なストーリー「石の生殺与奪権」つまり生きるか死ぬかを争うゲーム、といった方が正確です。
 
■「石を捨てる」という囲碁用語もあります。人身御供(ひとみごくう)ですね。アニミズム(全てのモノに霊が宿っているという考え方)文化圏にある考え方で、日本むかしばなしにもよく出てきます。「永田町」にもね。
 
 
         ◇
 
■昭和最強棋士の一人、坂田栄男九段が著した「坂田の碁5『石の捨て方』」から、昭和35年の日本最強戦の碁を眺めてみてください。
 
■当時のトップ棋士6人によるリーグ戦。同じ相手とコミなしで白番、黒番の2局を打ち、勝率を競う棋戦です。
 
■昭和32年にスタートし、第1期は呉清源九段が8勝2敗で優勝。33年度は坂田九段が8勝1敗1持碁(引き分け)で制し、35年度は二人がそれぞれ6勝3敗1持碁で同率優勝となりました。
 
■本局は関西棋院の星、橋本昌二九段(先番)との対局。坂田九段の白が「捨石作戦」を使って優勢を築いていった一局です。しかし途中、白が真ん中の大ヨセでしくじり、一時逆転。終盤は黒がヨセで損をして、最後は持碁になりました。
 
 
 
 
 
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