囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

“誤解”しないでね

2019年10月01日 | ●○●○雑観の森

碁は「手談」なり、対局中は口を閉じよ!の巻】

 

■この数年、計12カ所の碁会所・囲碁サロンを訪れた。

 

■「商売」だから、同好会とは雰囲気が違う。フリー客も多く開放的だったり、常連ばかりで暗かったりはする。ほとんどが後者だが、初めての客にとっては「敷居が高い」ことだけは共通している。

それでも半日遊んで1500~1000円。地方都市なら700円なんてところもある。恐るべき囲碁のコストパフォーマンス。

 

■わたしにとって碁会所に行く目的は「道場破り」。

期待するのは「真剣勝負」である。

気の置けない関係の「お遊び碁」や地域の同好会の「自由対局」は、それはそれでいいのだが、緊張感を求めたい時だってある。(例会では、わたしも口出ししたくなることも。ただし対局のゆるい空気感があり、対局者の了解がなければ、厳禁と思っている)

常連ではないわたしの碁会所の入場は、少しの入場料を支払い、見知らぬ碁打ちとの「斬り合い」。

アマ大会への参加も、同じようなものだ。

 

そもそも「大人の遊び」なんてものは、真剣にやらねば面白くない

サイコロだって、花札だって、トランプだって、そうである。

必要最小限の言で、事を進めるから、いいのだ。

ただし、おしゃべり碁や、会話を楽しむマージャンを、ダメと言っているわけではない。

ちょっと違うテイストであり、別物だと思う。

 

■さて、そこで、碁会所に求めるものは何かと言えば、

マナー・所作をわきまえた客層を抱える」の一点である。

 

■わたしは、いつもフラッと入る。

少し緊張するが、最初が肝心である。

席亭や従業員とあいさつした時の感じで大体は分かる。

「どれぐらい(の段級位)で打たれていますか?」

「自分は初段と思っていますが、地域の集いで四段で打てと言われます」

「じゃ、とりあえず四段ということで」

となる。

どこでも、これで大体打てる。

 

■空間を見渡してみる。

「〇か」「×か」「△か」。直覚した時点で評価はほぼ固まる。

分煙していない空間。ガヤガヤと話し声が大きい空間。これはまずダメ。

結局、12カ所のうち、二度三度訪れたいと思ったのは3カ所しかなかった。

居心地がいいか、悪いか。

ただ、それだけである。

 

         ◇

 

■全国といっても、まだ京都、東京、大阪だけ。いずれ時間ができれば、青春18切符を手に地方都市へ「発掘の旅」に出たいと思っている。

 

■それはさておき、主題の「居心地」だが、それを言葉で説明すると長くなる。

端的にいえば「席亭の運営姿勢」に尽きる。

 

■例として二つだけ上げておく。京都・大阪で有名な某所である。

 

◎ また行きたくなる碁会所 (出入り禁止令の巻)

 → 対六段戦。相手は強い。対局途中で「おしゃべり」が始まる。「その手はダメだな」「おっと、それはない、ない」「小さい手、1目損だよ」「これで10目は開いている」

後で席亭がやってきて、小声で「すいませんでした」「うちも迷惑しているんです」と頭を下げた。

しばらくして行ってみると、例の「六段」の姿が見えない。

席亭は穏やかでフレンドリーオーラのある年配女性だが、彼は「出入り禁止」の処分となったようだ。

ちなみに年数回、顔を出すようになったが、彼女とのおしゃべりが主目的である。

 

× 二度と行かない碁会所 (牢名主の講釈の巻)

 → 相手は八段格。席亭は年配だが六段。「先生」と呼んでいる。途中、わたしがヘマをしてスミの石が死んだ。そこで相手はなんと、いきなり石を崩して「解説」を始めた。わたしが「投了」を口にしていないのに、である。

以下、相手の言。「序盤は初段レベルかと思ったね。途中からの打ち回しは三段、四段の力が確かにある」。あなたは何様か?

近くで見ていた席亭は「牢名主の講釈」にうなずくだけである

2016年末に2度行ったきり、もう足が向かなくなった。

 

誤解のないよう断っておくが、前者が良く、後者がダメ、というわけではない。

前者でも「観戦者の口出し」が少し残っているが、後者には何故かそれだけはなかった。

また後者の「牢名主の講釈」の後、わたしは「未明の棋譜並べ」を習慣とし、しばらく続けた。

道場破りの想定外の効用と言うべきであり、大いに感謝せねばならぬ。

だが世が世なら、おっちゃんの指と手の平が、それがしの脇差で泣き別れになるはずだった。

彼もまた幸運であった。

  

 

★ご参考

一度行って気持ちよく打てた東京の碁会所。とても親切にされ「優」評価だが、想定外の刺激はなし。

これからも上京すれば、どちらかに行くつもりだ。

 

日本棋院 有楽町囲碁センター」 東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館9階

 https://www.nihonkiin.or.jp/sisetsu/yurakucho/common_play.html

 

碁席 秀策」 東京都新宿区歌舞伎町2-38-2 第2メトロビル3階

 http://www9.plala.or.jp/bohno/

 


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