囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

「咳をしても一人」

2020年11月25日 | インドア・アウトドアにて

 


随分と違う昔の咳と今の咳。

 ~ 群青の空、墨色の車内、桜色はまだかいな の巻】

 

 

咳をしても一人 尾崎放哉

 

咳をしても、案じてくれるヒトとていないーー。

放哉の代表句のひとつ。大正14年の作。

孤独な生活のなか、現実をしっかりと受け止めている。

 

エリート会社員としての豪奢な生活から、

失職、事業の失敗、病、離婚となり、全てを失い、

社会から離脱して懺悔の生活に入る。

しかし安心境に至ることなく、流浪の日々。

 

おざき・ほうさい(明治18年~大正15年) 種田山頭火と並ぶ自由律俳句の著名俳人のひとり。東京帝大法学部を卒業後、東洋生命保険(現・朝日生命保険)に入社し、大阪支店次長を務めるなど出世コースを進む。しかし、突然それまでの生活を捨て、俳句三昧の生活に入る。寺男で糊口をしのぎながら、句作を続ける。周囲とトラブルが多く、気ままな暮らしぶりから「今一休」といわれた。 

 

 

◇代表句鑑賞

 

墓のうらに廻る

 

足のうら洗えば白くなる

 

肉がやせてくる太い骨である

 

いれものがない両手でうける

 

こんなよい月を一人で見て寝る

 

一人の道が暮れて来た

 

春の山のうしろから烟が出だした (辞世の句)

 


    

 


とある肌寒い日の夕暮れ迫りくる頃、

ジェイアール西の電車が疾走する。

車内はひところよりは混みだして、

ちょっぴり澱んだ空気が気にかかる。

 

マスク姿のヒトがコホっと咳をする。

周囲の視線が一斉に注がれる。

密というほどではないにしても、

空気は一瞬にしてピリッピリ。

 

昨今は感染者がまたもや増え出し、

数字だけが右肩上がりの不気味。

喉がいがらっぽくウッとなっても、

我慢する小心な わたしがいる。

 

こんな世情を観察しつつ

ちょっとシツレイして

皆様のご様子をパチリ。

視線の先はブルーであるか

そのまなこは鈍色であるか。

 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。