スイスに本部がある国際自然保護連合(IUCN)は最新のレッドリストを公表し、世界的に生育量が減少しているなどとして、2020年7月9日に「マツタケ(松茸)」を新たに絶滅危惧種に指定しました。IUCNは野生生物の専門家などで構成されており、世界の野生生物が絶滅する危険性を分類して「レッドリスト」を作成しています。
絶滅危惧種は絶滅の危険性が高い順に3段階にわかれており、このうちマツタケは3番目で、太平洋の「クロマグロ」などと同じ「危急」に分類されています。
IUCNでは、病気や伐採、それに森林の環境悪化などで世界的にマツタケが育つ松林が損なわれていて、日本でも松枯れ病などの影響が出ているため、生育量が著しく減少しているなどが理由になっています。
マツタケは日本やロシアを含むアジアとヨーロッパ、北アメリカに分布しており、50年の評価対象期間の間に30%の減少が見られています。日本国内では、昭和初期の流通量は約6000トン、最盛期の1941年には、約12000トンでしたが、その後、1965年に約1300トン、1998年に約250トン、2010年には約140トンとなっています。
日本国内の主な産地
岩手県下閉伊郡岩泉町
山形県東置賜郡高畠町
長野県松本市四賀地区、上田市、諏訪市、伊那市、下伊那郡豊丘村、松川町、喬木村
京都府京都市(特に右京区、北区、左京区など市北部の丹波高地の山間部)、亀岡市、南丹市、船井郡京丹波町丹波地区
兵庫県丹波篠山市、三田市、丹波市
和歌山県伊都郡高野町
岡山県美作市
広島県神石郡神石高原町、府中市、世羅郡世羅町
一方で、日本国内の流通量のほとんどが輸入品で占められ、韓国や中国などから輸入が多くなっています。一時期、北朝鮮から輸入されていましたが、現在は輸入が止まっています。
日本国外の主な産地
大韓民国(韓国)
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)
中華人民共和国(中国)
スウェーデン、フィンランド、トルコ、ロシア
米国、カナダ、メキシコ
ブータン、ラオス
モロッコ
など、
ちなみに、日本に輸入されるマツタケは植物防疫法により微量でも土が付着した状態での輸入が禁止されているため、洗浄する必要があり、流通過程において風味が劣化しているともいわれています。
今回IUCNでは、6年前に絶滅危惧種に指定した「ニホンウナギ」の再評価も行っており、過剰な漁獲や川の環境の悪化などで「近い将来、野生での絶滅の危険性が高い」として、これまでと同じく絶滅危惧種のうち、2番目に当たる「危機」に分類されています。
ちなみに、我が家の食卓において、マツタケはウナギとともに、「既に絶滅したと考えられる種」である「絶滅(EX)」指定されています。
(もちろん、買えるはずはありません・・・匂いだけで満足)
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