
今日ある仕事の打ち合わせがあり、その事務局を務める後輩のお寺に拝登させて頂きました。
非常に落ち着いた景観のお寺で、その後輩のお寺に対する「想い」が随処に散見できる素敵な空間でした。

法堂正面からお参りをすると、入口には「ようこそお参り下さいました」との行灯が......。人が通るとセンサーで灯りが点される粋な演出です。

大間中央には、こういう時代ゆえに参列者用の椅子がきれいに並べられてあります。これからの時代は正座が困難な施主(参列者)が増えるゆえ、殆どの寺院が椅子を用いる事となるでしょう。


その後、本尊様前にて新潟中越地震の犠牲者の方々へのご冥福と、被災者の方々へ無事安穩をお祈りいたしました


ご本尊様の奥には、東北地方の開山堂を摸したと言われる奥行きの深い立派な開山堂と位牌堂がありました。


葬儀と法事が重なった時は、先ほどの本堂にて葬儀をし、合わせて同時進行で位牌堂にてご法事をお勤めするそうです。これだけの広さがあったら可能ですね。
お檀家さんの法要控室なども、工夫を凝らした空間で充実しておりました。


また、このお寺には道了尊が奉られています。

道了尊とは、宗門では広く知られる伝説の伽藍神。曹洞宗の名刹・大雄山最乗寺(神奈川県南足柄市)の開祖である了庵慧明に随侍し、了庵が最乗寺を草創する際に神通力をもってその功を助け、了庵寂後は山門鎮守を誓って身を変え伽藍を御護りしていると伝えられる伽藍神です。
後に「道了大権現」、「道了大薩埵」とも称され、宗門天狗信仰の先駆けとしても知られています。
後輩に聞いたら、人がお寺に足を運ぶきっかけになれば

正面の緞帳には、ご祈祷の際にお唱えをする真言「おんまか きゃろにか そわか」の垂れ幕が掲げられていました。参列した皆さまが真言をお唱えし易い様にとの配慮が垣間見れます。

また法堂にも、ご回向の際に唱えられる略三宝「十方三世一切仏 諸尊菩薩摩訶薩 摩訶般若波羅蜜」(じーほーさんしいしふー しそんぶさーもこーさ もこーほじゃーほろーみ)の垂れ幕が掲げられていました。

ここにも後輩のお檀家さんに対する配慮が読み取れます。
しばらくすると、東司をお借りしたくなりました。東司の場所を聞いてドアを開けたら何やら良い香りが......。
なんと東司にラベンダーの香りが充満しているではありませんか。東司にはラベンダーのドライフラワーが飾られてありました。これも素敵な演出ですね。

ラベンダーの香りに癒されたのか



壁に目をやると、そこには相田みつをの日めくりカレンダーが......。

永平寺三代尊である徹通義介禅師御遠忌のポスターも貼ってあります。

ここなら、必ず皆さん落ち着いて目を通せますね

ほんの些細な事ですが、随処に後輩のお檀家さんやお寺に対する「想い」というものが散見できる素敵な空間でした。改めて、お寺というのは「空間」を大事にしなくてはならないなと感じました。
その後、後輩とは仕事の打ち合わせはもとより、お寺に対する「想い」について熱く語り合いました。法友とは誠に以てありがたいものです。
「想い」というのは、「言葉」や「イベント」だけで伝わるものでなく、この様に静寂の中にも伝わり得るものがある事を改めて学びました。
お寺という空間は、その住職の「想い」というものを、お参り頂いた方々にお土産として持ち帰って頂く場所でなければなりません。
先日の「つるりん学校」が「動」の布教であれば、今日の後輩のお寺は「静」の布教といった感じでしょうか。どちらが是でどちらが非というものでもありません。どちらも立派な布教の形であると感じました。
今日は後輩から多くの事を学びました。ぜひ、与えられた仕事の方も頑張りたいと思います




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