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襷の美学【祝 駒澤大学箱根駅伝優勝】

2008年01月04日 11時51分04秒 | 社会問題&時事ネタ

駒大、逆転で3年ぶり栄冠=2位に早大、3位中央学院大-箱根駅伝 (時事通信) - goo ニュース

駒大が3年ぶり総合優勝=早大を逆転、東海大棄権-箱根駅伝 (時事通信) - goo ニュース

なぜ、彼らはそこまでして走り続けるのだろうか

もしかしたら、そのような「問い」が当たり前に湧いて出る世の中になってしまったのかもしれない。

そんなことを、ふと新年早々考えてしまった。

我が家の新年の楽しみの一つである箱根駅伝を、今年もテレビを通して観戦した。

母校の復活はもとより、今年は個人的に往路5区での順大途中棄権のシーンが心に強く残った。

前年度優勝校の途中棄権に驚きを隠せなかったが、まさに箱根では何が起こるか分からない事を実感させられた。

山の神・今井が去った順大往路5区は鬼門と化してしまったのだろうか。

史上初、3校途中棄権=指導法などに批判も-箱根駅伝 (時事通信) - goo ニュース

今年は結果的に計3校の途中棄権校が出る波乱の大会となった。

「駅伝戦国時代」という言葉が象徴するように、今年の箱根は肉体的にも精神的にも非常に苦しい戦いが強いられたのであろう。

往路で棄権したことにより、今年の順大の記録は公認もされないし、当然の如く来年のシード権も消失をした。

それでも復路の順大の選手たちは懸命に大手町を目指して走り切った。

「そこまでしてなぜ彼らは走るのか

冒頭述べたように、もしかしたら今の日本ではその様な疑問さえ湧いて出てくる空気が漂っているのではと考えさせられてしまった。

ここ数年、日本は某カリスマ経営者が起業したIT企業、投資ファンドが立て続けに不祥事を起こして社会問題化した。

渦中の経営者らは「金儲けをして何が悪い」とテレビの前で開き直り、見ている我々もそれに対して自信を以て反論できない空気さえ漂っていた気がする。

まるで、世の中全ての価値観がお金や損得勘定で割り切れるような風潮が知らず知らずのうちに蔓延していたのだと思う。

「それでもなぜ彼らは走るのか」という「問い」がもし発生する世の中であれば、それはまさにその様な風潮が生み出した負の所産とも言えよう。

確かに、彼らが復路どれだけ頑張って走っても、途中棄権の結果が覆る訳でもないし、来年のシード権を取り戻せる訳でもない。

しかし、彼らにとってはその「問い」自体が愚問なのである。

恐らく、いや確実に彼らは、損得勘定以外のところで走る「想い」があったのだと思う。

物理的に繋がらない襷であっても、仲間の気持ち、周囲の方々からの期待、お世話になった全ての方々に対する「想い」が詰まった襷だからこそ、決して蔑ろにできなかったのであろう。

彼らの肩に掛かるのは、襷に託された人々の「想い」なのである。

既述もした不祥事に対しても、我々は金儲け自体に憎悪したのではないと思う。

そこに人々の「想い」が見えなかったことに違和感を感じていたのではなかろうか。

間違いなく駅伝という競技は、日本人特有の心情に裏打ちされた一つの伝統文化だとも思う。

途中棄権せざるを得なかった当事者の気持ちを慮るに、彼らも自分との闘いであるフルマラソンであったならどんなに気が楽だった事かと察する。

箱根に携わる全ての方々の「想い」を背負った襷だからこそ、彼らは個人の損得勘定以外のところで頑張れるのであり、駅伝はここまで日本人の心を魅了するのだと思う。

そこに、昨今日本人が失い欠けている価値観や伝統文化が垣間見れるゆえ箱根から目を離せないのだろう。

陳腐な表現だが、繋げるべきものは襷だけでなく、その人々の「想い」の部分なのだと思う。

箱根に魅了される人々は、襷に託された人々の「想い」に自己の心情を投影させるのではなかろうか。

我が家の正月は箱根から始まるといっても過言ではない。

襷の精神は、現代に生きる「自己」と「他者」との横の繋がりだけではなく、時空を超えた縦の繋がり、つまり先祖から我々へ、そして我々から子孫へと受け継がれるべき何かをも内含しているものと思われる。

自分一人の都合のみで、途中棄権をして襷を途絶えさせてしまってはならないのである。

日本人はそういう襷の精神に魅了される精神性を持ち合わせている民族と堅く信じたい。

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