
先日、ちょっとしたご縁から「つるりん学校」の元教頭先生とお話する機会がありました。
その会話の中で、「お寺には『過去帳』というものがありますが、これからのお寺には『現代帳』というものが必要ですね」というお言葉をいただきました。
教頭先生が仰る『現代帳』とは、葬儀を通してご縁ができた施主(ご遺族)の方々の情報を書き留めておくノートを指していいます。
『過去帳』が故人の事柄を書き留めるものであれば、さすづめ『現代帳』とは施主の方々の現状を書き留めておくものと言えましょうか。
我々は、ホトケ(故人)の供養はもちろんのこと、そのご遺族の方々の心のケアにまで責任を持つべきなのでありましょう。
もちろんこれは遺族の求めがあっての話ですが、いざ頼りにされた時に、手元に十分な情報があれば力になれることはたくさんあるはずです。
逆に、『現代帳』なる備えがなければ対処のしようがありません。もしかしたら、そこで縁は途切れてしまうかもしれません。
「葬式仏教」という言葉が何かと批判の対象として使われる昨今、葬儀をきっかけに広がる生きた私たちのご縁というのもあるはずです。
そういう意味で、我々僧侶は生きている施主の方々にもアンテナを張っておくべきなのでありましょう。
『過去帳』は故人情報ですが、あくまでも『現代帳』は個人情報です。取扱いには十分な配慮が必要ですね(あ、もちろん『過去帳』もですが......

早速、私も今日から『現代帳』なるものをつけ始めてみました

亡くなったホトケも大切ですが、生きた仏にも我々は目を向けるべきなのでありましょう。



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ちょっと前までは、自ずと住職さんは、それぞれ『現代帳』をつけていたと思いますし、今でも一部地方は同様だと思うのですが、核家族化が進み、人間関係が希薄化の一途を辿る現在は、キチッと記録しておく必要があるのかもしれませんね。
これぞ、平成復古運動???ですか(笑)
新紀要が締め切り間近で、泣きそうです。
さておきまして、「平成復古運動」ですが、拙僧的には、勝手に終わったものだと思っていたのですが(笑)2年間で50回出張に行ったんですから、もう終わりで良いですよね?