袋田病院ブログ

茨城県大子町にある精神科・直志会袋田病院のブログです。

(16)袋田病院アートフェスタ2021レポート~看護課vol.1~

2021年11月26日 09時40分23秒 | アートフェスタ2021





俺は神だーーー!!
双極性障害という名前を聞いたことはありますか?
双極性障害は、躁状態(ハイテンションで活動的)とうつ状態(憂うつで無気力)を繰り返す病気です。
気分の波は誰にでもあります。幸せな感じがする時もあれば、悲しい気分の時もあるのは当たり前です。
嫌なことがあって落ち込んだり、楽しいことがあった時にウキウキしたりするのはごく自然なことで、病気ではありません。
でも、周りの人たちが、
「どうもいつものあの人とは違う」
と気づき、
「ちょっとおかしいのでは?」
と思える程その気分が行き過ぎていて、そのために家族や周りの人が困ったり社会的信用を失う程であったら、それは、双極性障害かもしれません。

今回は、その双極性障害の“躁状態”にスポットを当ててみようと思います。
躁状態になると、異常な程の気分の高揚が持続し、自分は「全知全能で不可能なことなどない」というような万能感が強くなります。
体中がエネルギーに満ち溢れたように感じて、殆ど眠らなくても平気になったり、上機嫌でおしゃべりになったり、様々な考えが次々に湧いて、じっとしていられなくなったりします。
しかし、単に陽気でエネルギッシュな状態というものではなく、同時にさまざまな問題も引き起こします。
例えば、他人に対して威圧的な態度に出たり、到底できそうにない無謀な計画を実行に移そうとしたりして、周囲の人とトラブルを起こすこともしばしばです。
後先を考えず快楽的な行動に熱中し、異常な浪費や性的逸脱行為などが見られることも少なくありません。
また、アイデアを次々と思いついているようでも、実際には複数の考えが頭の中で競い合っているような状態になり、注意力散漫で、ものごとに集中できなかったりします。
この作品は、躁状態の“人生バラ色”、“私はなんでもできるんだ!”という気分が高揚している時の状態を具現化してみたものです。
十人十色でたくさんの感覚があるでしょうが、その一部として参考にしていただければと思います。
作品近くにいる看護師や他のコメディカルスタッフと話をしていただきながら、病気に対する理解を深めていただければ幸いです。


(ブログ過去記事から)


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