
高齢化が加速している今
私たちの病棟でも、認知症の方を看護させて頂くことが多くなってきました。
私は幼少の頃祖父母に育てられたので、時に祖父母の面影に重なる場面も少なくありません。
つい先日の夜勤時も強い不穏状態の方が
薬の副作用もあってか、食事をしっかり摂っても空腹を訴え続けさほど眠らずに食べ物の要求
深夜からついに朝まで大声を出し
ナースステイション内に水を投げ入れ
病棟内にも水をかけまくり
しまいにはテーブルを倒す・・・等々。
様々な場面に遭遇します。
袋田病院の名物・仙人とも呼ばれた、療養棟玄関前を自分の造園にしていたAさんも
体力・認知機能の低下により、お気に入りだった看護師の名前さえ忘れてしまっている現実には、何とも言えない寂しさや虚しさがあります。
そのAさんを見るたびに、いつも脳裏に浮かんでくる光景があります。
それは、私が療養棟から新棟に異動になって少し経ったある朝のことです。
私が出勤するとAさんが駆け寄ってきて、怒りの形相でこう言ったのです。
「どごさ行ってんだよ!」
「探したっぺよ!」
私の忘れられない一場面になりました。
長い年月入院されている方々も年を召され、若かりし日の姿をエピソードと共に懐かしく思い出すことがあります。
いえ、実は患者さんたちの方が若くて、しかもとても未熟だった私を眺めて笑っているかもしれません。
袋田病院に入職して二十四年になります。
病院にも諸先輩方にも多大なご迷惑をおかけしながら今日に至っております。
ただ年ばかりを重ねただけの、何ら変わらない未熟な私ですが今後ともお付き合いのほど宜しくお願い申し上げます。
看護課 藤田 誠
※院内誌に掲載された記事をそのまま掲載しています。その為、表現が院内向けの場合があります。
(管理人H)
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