加東市議会議員・藤尾潔の出る杭日記

出ない杭は地面で腐食します。杭を打つ手も結構しびれているはず。
打たれないような杭では使い物になりません。

小中一貫校の事業費の増額

2020-02-03 11:40:03 | Weblog
(表の部分を除き チラシの原稿をそのまま掲載します。表はpdfでご確認ください)
現在の加東市における目玉事業とも言える小中一貫校ですが、東条地域で2021年(新しい建物を利用するのは2022年1月からの予定)、社地域で2024年、滝野地域で2027年の開校を目指し事業を推進しています。
 加東市で小中一貫校の議論の端緒になったのが2015年に市民の皆様もまじえ大きな議論となった公共施設の適正化に関する計画であり、行革の観点からやむを得ないというご意見や、地域の資源を守るべき というさまざまな議論を経て議会でも一度承認した経緯があります。(現在は「市役所の進め方が議決当時の趣旨と異なり責任が持てない」と言った意見や「そもそも議決計画とする必要はなかった」という意見などから市議会の議決計画ではなくなっています。)
 そのような中で事業は進んでいき、昨年6月に東条小中一貫校については入札の段階まで進みましたが、工事を受けていただける業者がなく、事業費などの見直しを行いました。
 東条小中一貫校の整備事業に係る建設費などの債務負担行為について、約43億7000万円から約49億2650万円に、約5億8000万円増加しています。

②はオリンピック建設などにともない工事費が高騰しているのは事実ですし、③については昨年9月に議会で前倒し発注を認めている経緯もあります。しかし、①については市役所の当初の見込みが甘かったことは間違いないですし、今後の入札への影響があるので見積もりの単価を公開できないこともあり、説明に限界があります。
 実は、今回の事業費の増加の前にも、一度市役所は事業費を増額しています。その際にも議会で色々意見はありましたが、「事業費は枠内に収める」「建設費の高騰は見込んでいる」等の答弁があり、議会でも変更した予算が通過した経緯があります。
 その上で「積算に使った単価が、市場の価格より安かったので増額します」と言われても、私は納得できませんでした。(もっと詳細に検証すれば良いのでしょうけれど、先述したように、今後の入札に影響するので『単価はいくらで積算していたのか』などという質問をしても回答を得ることができないのです)

●社地域小中一貫校・滝野地域小中一貫校
 さて、今回の東条の一貫校の事業費増額の要因が、建設費の高騰である以上社や滝野にも影響が出てきます。市役所の見込みでは






(注:東条は左ページに書いているものと同じ内容。概数なので表の合計は合いません)
・・・表を見て、小心者の私は胃が痛くなりました。今回議案になった約5億8000万円どころの話ではありません。資料をよく読むと、建設費の高騰だけでなく、現在の議会での説明・市の計画では「現在の中学校の施設を有効活用する」ことになっているのに、プールや体育館を壊して新築することになっています。きれいになれば良いのはわかりますし、「子供たちに夢と希望を!」「次世代への投資として子どもたちにお金を使ってあげるべき!」という意見もいただくのですが、結局は借金で子どもが返すわけですから・・・・
 滝野地域小中一貫校の起債の返済が本格的に始まる令和12年度からは、増額した場合毎年の返済が約1億2800万円増える見込みです。その分行政サービスを見直す必要が出てきます。これらの市債は25年ローンになりますので、令和30年くらいまで財政に大きな影響が出ると思います。

●1月30日に、東条の一貫校の増額についての補正予算が臨時議会で審議されました。
 私は小中一貫教育については理解を示していますし、当初は小中一貫校の建設にも理解を示していました。しかし、議会での当初の説明や市の計画にそわない形で話を進めていき、事業費の増額を当然のことのように考えている今の推進体制には賛同できません。
 審議当日には、多くの傍聴の方が来られており、推進を願っている方の気持ちもよくわかるのですが、結局今のまま進めてしまうと 困るのは市債を返済することになる子どもたちになる、との思いで反対しました。議案は9対6で可決されました。
 しかし、今後の3校の事業については 将来の過度な負担にならないよう引き続き求めていきたいと思います。


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