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つれづれなるままに。

プロ野球スピリッツ3

2006年04月21日 | Consumer Game
コナミから発売されている「リアル系パワプロ」と評される作品。「パワプロ」シリーズを担当している開発チームで作成しており、選手のグラフィックや試合演出など、現実のプロ野球に近づくことを目的とされている。1人の選手だけを担当して、その選手の視点で守備・打撃・走塁パートをプレイする遊び方ができるのが特徴。

まずは良い点から。変化球のバリエーションが多く、投げる側にとっても打つ側にとってもその点は魅力。また、バットを振るタイミングがシビアで、緩急をつけたピッチングに対しての適応が必要な点も面白い。

ストレートの軌道が投手によって異なっている。パワプロのように狙った点にそのまま納まるのではなく、沈んだりホップしたりする。これで手元の伸びを表現しているのだと思うが、面白い試み。

盗塁場面では、投手の隙を付いてベストのタイミングでスタートを切る緊張感が良い。少しでも早いと牽制で刺されてしまうし、遅ければ捕手からの送球で刺されてしまう。

また、1人の選手としての守備場面も面白い。打球の方向、ランナー、アウトカウントを考慮してベースカバーに入ったりするのは「野球をしている」という感覚が得られる。

これまで挙げたように数々の良い点があるものの、それを上回る不満点がある。まず致命的なのが、ロード時間が長く、多いこと。ゲームのテンポを悪くしている。選手が打席に入る際の表示などいちいちロードが入り、演出としては良いのだろうけれど、長く遊ぶには邪魔になる。これを省略する設定ができれば良かった。もっとも、それ以外にもロードが入る場所は多いのだが。

そして、バッティングが難しい点。アナログスティック操作の人であればそうでもないのかもしれないが、十字キーで操作するには少し癖があり、安打になるかどうかのミートポイントの判定もシビアなため思い通りに打てるようになるには結構な時間練習が必要だと思う。十字キーをわずかに動かすとボール半個分以上カーソルが動いてしまう印象で、微調整が難しい。打撃の爽快感がなければ、ゲームとしての楽しさは相当減少するだろう。

細かなところで言えば、選手育成を楽しむスピリッツモードでの操作設定が一試合ごとにリセットされてしまうのはいかがなものか。いちいち第一打席でタイムを掛けて設定をやり直さないといけない。モード開始時に設定ができてそれを継承できるくらいの心配りはあっても良いのでは。

既に一大ブランドとなっている「パワプロ」シリーズと比べるとまだまだ試行錯誤の作品という印象を拭い切れない。操作インターフェースはどことなくPCゲーム(特に「ダグアウト」シリーズ)に近いし、まだまだ洗練しきれていない。荒削りな魅力があるものの、まだまだゲームとしての完成度は低い。

ゲームはあくまでゲームであり、シミュレータではない。最近の「ウイイレ」でも感じている作品としての位置付けの難しさをこの作品でも感じた。実際のプロ野球を再現することが大事なのではなく、その世界を上手く使って、いかに面白いものを作れるか。

この作品は開発者の自己満足となってしまっていないか・・・。偉そうに言っても仕方ないが、その点がどうも気になってしまう。自分自身が今のゲームの風潮と乖離してしまっているのかもしれないが・・・。

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