そりゃおかしいゼ第二章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界の政治を問う

温暖化と長寿になった雲のエトセトラ

2014年11月04日 | 環境保護
雲の寿命が延びている。雲が水分を集めて出来上がるには、核になる粒子が必要になる。空中に浮遊する、微小な砂粒や塩分など(エアロゾル)がその役を担っていた。
ところが近年になって、化石燃料が大量に燃やされるようになり、微粒子が大気中に浮遊するようになり、これが雲の核に新たに加わってきた。とりわけ最近の中国などのPM2.5と言われるような超微小エアロゾルが核になることによって、水滴が集合しても中々雨となって落下してこなくなった。つまり雲の寿命が延びる結果になっているのである。雲の社会も高齢化になっているという、笑い話では終われない。
雲の粒子が小さく太陽光を反射する効率が高くなる。その一方で、雲の寿命が長くなるので、さらに太陽光が地表には届き難くなる。化石燃料などをどんどん人類が燃やすことによる地球の温暖化には、長寿の雲は抑制的な働きをしてくれている。地表に対しては抑制的であっても、雲を抱えている大気層は加熱される。
大気中のエアロゾルが化石燃料の多い北米・欧州・アジアなどに対して、森林火災の多い南米・中米では温暖化に抑制的に働いていると言われている。しかし、全体的には温暖化の方が勝っていると、IPCCの第5次評価は報告している。下の表を参照ください。
しかしこうした専門家の評価を、一般人が受け止める現実は、温室効果ガスの働きを、そのために作られた雲が空で抑制されているというのは気分がよくない。
微小エアロゾルは、人体に対して肺の奥まで侵入するなど健康被害が引き起こす。化石燃料がの燃焼が生み出したエアロゾルは、酸性雨の原因にもなっている。要するに、環境汚染と健康災害の原因にもなっている現実がある。
その一方で、寿命が長くなりいつまでも浮遊する雲は、実質水分含量がどんどん膨らむことになる。一旦雨が降ると記録的だったりして、洪水や土砂崩れなど様々な災害が起きると推察されます。その一方で、雲が長く生き続けることによって、水(雨もしくは雲)を失う地域もできてくる。ここ数年起きている、水害と干ばつが同時に地球上の異なる地域で起きているのではないかと思われる。
専門家は、このように断定はせずに慎重な言い回しで、寿命の伸びた雲の評価に困惑して判断しかねている。前例がないからであろう。
地球の温暖化は、地球の異常気象の一つの現象でしかない。異常気象は確実に進行している。雲の質的変化はその一つにしか過ぎない。東京で亜熱帯の病気の、デング熱が発生することを、蚊のせいにするような矮小な評価は許されない。洪水被害や土砂崩れを見ていると、温室効果ガスの排泄の抑制を先進国は率先して取り組まなけれならない時期に来ていると思われる。


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