そりゃおかしいゼ第二章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界の政治を問う

ペットの店頭販売の規制強化を

2014年11月03日 | 動物愛護
栃木県の鬼怒川河川敷で10月31日、小型犬約40匹の死骸が捨てられていた。犬に外傷はなく人気犬種が多かったと報道されている。
これは業者の犯行である。数の多さや外傷などがないことから、処分に困った業者の犯行と断定してかまわない。年齢などの詳細は分かっていないから、即断はできないものの通常販売が出来なくなった業者の犯行ではないか。
私のころは、約1000名が毎年獣医師になるのであるが、小動物(犬猫などのペット)と大動物(牛馬豚の産業動物)それに研究職と行政に、それぞれ均等に流れていたものである。ところが最近は、7割がペット・犬猫専門になっている。それほど犬猫が増えているのである。
かつては犬は家の外で飼われていた、日本犬かその雑種で番犬として働いていた。今は室内で、血統書付の犬をそれも複数飼っている。美食を与えられて運動不足のため、犬猫病院は大流行である。
町にはペットショップが溢れている。このお店屋さんが問題である。最近になって、8週齢(56日)を超えるまで店に出さないようにとか、夜間の販売を禁止するように法規制がされた。
無機質の明るいばかりの店頭に、親に甘えたい時期に引き離して並べることが、この子たちにどれほどのストレスがかかっているのか知っていただきたい。
店に来る人たちは、子猫の仕草や子犬のあどけない表情につい買ってしまう。それが業者の狙いでもある。衝動買いが少なくない。ところがいつまでも犬猫は子供ではない。購入した時より大きくなったり、大人の行動をするようになって、戸惑う人も少なくはない。
飼い主から愛情を失った、犬猫たちが虐待をうけたり遺棄されることも珍しくはない。そもそも、飼い主としての基本的な知識も少なく、室内に閉じ込めて飼っていることですら、虐待に等しいことすら知らない。店員の教育も不十分である。
ヨーロッパでは、すでに幼い犬猫を店頭に置くことを禁止している。店頭表示ゼロのところもあると聞く。ただし多くのパンフレットなどを用意していて、業者間の横のつながりを持っていてすぐさま、子犬や子猫をお客さんに提供するよう対応している。
現在の日本では、店頭に並べられて売れなくなった幼い犬猫たちは、当然のことのように月齢を重ねて大人になる。大人になった犬猫は売れない。商品価値が下がるのである。店頭では子犬にはかなわない。売れなくて商品価値の下がった犬猫たちは、在庫処理しなければならない。生き物であるから、維持費のかかるばかりか、更に買い手がなくなってくる。
今回の鬼怒川河川敷の犬猫死骸放棄事件は、こうしたことを背景に業者が殺処分したものであろう。犬猫の店頭販売を禁止するべきである。

3年前に19才で亡くなった我が家の、プーちゃんです。もうすぐ命日です。