そりゃおかしいゼ第二章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界の政治を問う

自衛以外の戦争理由は見つからない

2014年12月03日 | 集団的自衛権

集団的自衛権」などともったいぶった名称つけてはいるが、ヤクザの喧嘩や出入りと同類のものである。仲間がやられると、助けに行くのは仁義というものである。内容は問わない。イラクにブッシュが攻め入った時に、真っ先に支援を表明したのが小泉である。そしてブレアも後に続き兵士を送った。
ブッシュの選択が正しいかどうか関係ない。仲間の出入りである。何をおいても駆けつけるのが、仁義(同盟関係)というものである。次郎長と杯を交わした、吉良の仁吉のように荒神山に駆けつけるが、仁義である。
友好関係なら、「ブッシュさんそれは間違いですよ」と注意してあげるものである。仁義や恩義の前には、正義などない。勝った方が正義となるからである。

今年は世界最初となった第一次世界大戦から100年の節目の年であった。それまでの戦争と異なり、この戦争が世界大戦になったのは、同盟国同士の助け合いのせいである。それまでな二国間の戦争が主であったが、これ以降それぞれが複数国が入り乱れるようになったのである。
そしてもう一つ重要なのが、第一次世界大戦以降「自衛」が戦争の理由の主流になったのである。それまでは明らかな侵略や領土拡大で、自国の富を得るためと国民を煽った。
第一次世界大戦以降の戦争や紛争で、自衛以外のものを理由に掲げた戦争はない。自衛の理由がなければ、侵略する側は理由を自作自演することで、侵略するのである。
日本が満州侵略のためにでっち上げた「柳条湖事件」や、アメリカが北ベトナム空爆の理由にした「トンキン湾事件」や、イラクのフセインが大量破壊兵器を持っているので攻撃すると、ブッシュは無根拠の侵攻理由に掲げていた。
この100年の間に起きた、戦争や紛争は言い換えれば「相手の方が悪い」という戦闘理由を必ず掲げるものである。多少質は異なっていても、自衛権の行使に他ならないのである。それは、ヒトラーもスターリンも北朝鮮もイスラム国も変わるものではない。
もちろんそれが、正当な理由であるかどうかは問題ではない。自衛権はほとんど唯一正当とされる戦争理由だから、これを掲げるのである。
自衛ですら戦争理由であるのにましてや、集団的となればいくらでも戦争を拡大できることになる。安倍政権は、この100年の人類の教訓を生かすことなく戦争理由を模索するのである。
集団的自衛権、が奇しくも今年の流行語大賞になった。それは「ダメよ~ダメダメ」と重ねることで意味を持つようになる。

「この道しかない」、軍事国家への道

2014年11月26日 | 集団的自衛権
自民党は総選挙に向けて、政権公約を発表した。表向きは、アベノミクスなる経済政策を「この道しかない」と大きく掲げた。どうやら看板にしたいようである。
アベノミクスは、金融緩和とする国債の大量発行とお札刷りで、株高と円安現象が人工的に作られて、一時的に設けた富裕層にとって成功したと言える。第二、第三の矢は放ったように見えるが、実効は何も上がっていない。雇用や賃金の改善はどの国の話か。実体経済は改善していない。この道はすでにない。
安倍政権の目指す本性は「集団的自衛権行使容認」に見られる、戦争のできる国家へと突き進むことである。
日本が戦後、営々と築き上げてきた、平和国家の世界的印象をかなぐり捨てて、安倍政権は突き進んでいる。
安倍政権の「この道しかない」というのは、経済政策でなく軍事国家への道である。
経済政策などは一貫していない。来年実行すると言っていた消費税は、18カ月引き伸ばすことにした。選挙の川を渡らなければならないので、これまで否定していた低減税率を導入すると姿勢を見せている。異次元の金融緩和策を、二度にわたって打ち出している。公共投資は、バラマキにしないと言いながらバラマキ政策をやっている。財政再建のためにやらないとか言っていたが、国土強靭化計画などは明らかに矛盾し、財政圧迫することになる。
要するに、経済政策は安倍晋三にとっては、政権維持のための方便でしかない。一貫することにない、そばしのぎを繰り返しているに過ぎない。

安倍晋三に一貫しているのは、軍国化への道である。彼には「この道しかない」のである。
武器輸出を可能にし、国家のために機密を守り永劫にわたって公開しないとか、報道機関に自らのお友達、息のかかった人物を送り込み、周辺に専門委員会を立ち上げて討論させたる偽装によって、自説に従う結論を引き出す行為を繰り返している。
極めつけは、この国の形を変える集団的自衛権について、密室で与党の公明党を折伏し多だけで、閣議決定をししたことである。私的諮問機関にあたかも検討させたように装うことで、世論が傾いたように偽装したのである。立憲国家の否定である。
その裏では、靖国に何度も参拝して中国韓国を刺激し、尖閣を必要以上に防御し中国の動きを報道させる。こうした動きそのものが、憲法の前文に抵触する行為と言える。危機を煽り作り出すことで、軍事国家へと世論を導き、この道を歩み出したのである。
安倍政権は総選挙後に、数々の集団的自衛権行使容認や防衛に関連する法案を提出することになる。とても恐ろしい、「この道しかない」安倍晋三である。

平和国家放棄の宣言をした安倍首相

2014年10月27日 | 集団的自衛権
安倍首相は26日、茨城県の百里基地で行われた自衛隊の航空観閲式に出席し、集団的自衛権の行使を可能にする、安全保障法制の整備を進めていく考えを強調した。
安倍首相は、「今後、いわゆるグレーゾーンに関するものから、集団的自衛権の行使に関するものまで、切れ目のない、新たな安全保障法制を整備してまいります」と述べた。これまで有事、しかも自国が攻撃されたときに限定されていた武力行使を、切れ目のないという言葉によってぼかしながらも、有事から平時までどんな時にでも武力行使できるように、法律を作っていくと明言したのである。
そもそも、集団的自衛権の行使については、同盟国のためならということが掲げられるだけである。ことの正邪は問わない、場所の規定もない。要約すれば、世界で最も戦闘的で戦闘行為を繰り返すアメリカのためなら、世界中何処へでも、戦闘行為があるときもない時にも出兵できるように、法律を作りますということである。
同時に安倍政権は、これまで原則武器輸出の禁止をしてきたが、武器輸出の実質解禁を行った。日本という国家が、戦後世界で得てきた平和国家という信頼の放棄である。自衛隊という、いわば安倍首相にとって軍事国家に変貌することを理解されやすい場所であったこともあってか、得意げに訓示したのであろう。
積極的平和主義を何度も強調しているが、平和を武力で造ることを日本の憲法は禁じているのである。憲法の何処に、一国平和主義などと書かれているのだろうか。憲法前文には、世界の平和を前提にした文言で満たされている。
平和国家日本は戦争放棄を放棄し、安倍晋三は、きな臭い軍事国家に変貌することを宣言したのである。