そりゃおかしいゼ第二章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界の政治を問う

選挙の大義は消費増税ではなく集団的自衛権行使容認である

2014年11月14日 | 総選挙
いよいよ総選挙が行われることになるようである。総選挙には大義が必要である。解散権を持つ首相が行う、最大の政治的判断であるからである。大義を、安倍首相は「消費増税の延期」を問うというのである。自民党と公明党と民主党の三党合意を破棄する、というのであるから総選挙というのである。
これはどう見ても無理がある。アベノミクスの行き詰まりの経済政策を、総選挙で誤魔化そうというのでもある。GDPの動向と庶民の生活の動きとは、はほとんど関係ないことが明らかになっている。それはバブル期でしか意味を持たない。
安倍晋三が首相になるまで、この男は経済に関する発言をほとんどしたことがない。戦前の国家への回帰を様々な手段と手口で存在感を示していただけである。就任早々多くのお友達のつながりを利用して、金融緩和による見せかけの株価で踊る階層だけの景気と、公共投資による一時の金の動きを演出したに過ぎない、アベノミクスとする経済対策を打ち上げた。
安倍政権が掲げた経済対策は、政権が延命するための手段でしかない。2年前の総選挙で、最も国民が関心が高かったのは、景気対策であった。そのために経済対策を、見えるところに掲げただけである。
安倍晋三の真の目的は、戦前の軍事国家への回帰である。安倍政権が優先して行ってきた政策は、平和憲法を蔑ろにするための道づくりでしかない。
消費増税などと言うのは、大義でもなんでもない。この国を戦争ができる国家へと変貌させることが、安倍晋三の最大の大義である。
今回の選挙は、集団的自衛権行使容認か否かで、立候補者を選別し投票すべきである。

健全な牛乳を飲みたい消費者たちに知っていただきたいこと

2014年11月13日 | マイペース酪農
下の写真は、10産目の子供をお産して起立不能になった乳牛です。血液中のカルシュウムが低くなる、乳牛ではよくある”乳熱”と呼ばれる病気です。
この乳牛は、10産目で初めての乳熱です。幸い一回の治療で起立し、今も元気に搾乳しています。ちょっと高齢なので、少し気を使った治療ををしました。
この酪農家にはこれより年上の牛が2頭います。搾乳頭数は、45頭ほどです。子牛まで入れても、80頭足らずです。家族は、本人夫婦と両親と子供3人の7人家族です。この頭数で十分一家が生活できるのです。日本最大の酪農地帯の根室地方は、酪農の大型化が進行して平均130頭飼育しています。ほぼ半分の飼養頭数です。
この酪農家は、ほとんど病気というものがありません。年間に診療代も、30万円足らずです。通常この頭数なら100万円以上は見ておくべきでしょう。牛が病気にならない酪農家は、獣医さんにとっては、お金になりません。
写真の牛もそうですが、治療への反応が良くて基礎体力が高いことが判ります。
一頭平均の乳量は年間6000キロ足らずで、この地域の平均の7割足らずです。牛舎も古く新しい投資はほとんどなく、穀物給与量も少なく、出荷乳量も年間250トンほどで、この地域の平均の600トンの半分以下です。
現在日本の酪農家は、多頭化・高泌乳化が進んでいます。特に大規模農家では、平均産次数(分娩回数)が、2.5産ほどになっています。3年も搾らないということです。牛全体が不健康で、若い牛しか飼えないといえます。この酪農家の牛は、驚異的に高齢なのです。
北海道の乳牛と言えば、青空の下で牧草を食べている印象がありますが、そうした健全な牛乳は北海道牛乳の5%にも満たないのです。多くの北海道牛乳は、閉じ込められた牛舎で大量の穀物を耐えられ、泌乳しています。北海道である必要もなく、北海道の特性などありません。
この農家は、生産量も低く牛舎も50年も使っていますし、近代的な機会がありません。もちろん負債などほとんどありません。この農家のような小規模の健全な農家は、国は支援をしてくれません。大規模・高泌乳こそ競争力があると、アベノミクスご推奨だからです。農家は規模拡大することで、機械屋さんや飼料屋さんや土建屋さん、それに獣医さんたちが忙しくなります。何よりも外部資本に委ねることで、お金の収支が経営の主体になって、牛の管理は二の次になり疎かになり健康が損なわれます。金の計算ばかりをする農家になって、牛もかわいそうです。
消費者の皆さんは、政府が進める、若く体力のある時にしか飼うことのできない、不健康な寿命の短い牛からの牛乳を飲んでみたいと思いますか? それとも健康な牛からの牛乳が飲みたいでしょうか?
(今年5月2日に書いた旧ブログを若干訂正して掲載しました)

誰のため、何のための総選挙か

2014年11月12日 | 総選挙
2週間前に、「ひょっとすると年内解散?」を書いたが、これほど早く進むとは意外だった。解散のお題目(理由)を模索中である。消費増税の時期を選挙理由にしようとしているが、それはあまり関係ない。今解散すれば、多少議席は減らしても、政権は維持できるからである。支持率が低下したと言っても40%前後は維持している。長期政権を維持するための布石である。今回勝利してしまえば、民意に逆風の消費増税や原発再稼働、そしてなによりも集団的自衛権行使に関わる案件の数々を時間をかけて通しやすくなる。
公明党は憲法を踏みにじった与党合意をで、平和を掲げている創価学会が不快感を持っていて、かなり支持率が低下している。既に臨戦態勢である。
民主党は、いつでもおやりなさい受けて立ちますとの、海江田の言葉は現実味はない。党内はバラバラで先に掲げた自民党の目論みに、対立軸を示すことさえできない。第一消費増税は、戦後最悪の民主党の野田政権が旗を振った案件である。全選挙区擁立をできない状況である。
みんなの党や維新の党や結の党や次世代の党だったかは、選挙区の候補者の調整するための動きで終わる。共産党は唯一、自民党に対しての対立軸が鮮明であるが、全選挙区で候補を立て選挙協力を今回はやらないようである。反原発や消費税については票を割ることになりかねない。
古くから唯一反原発主張していた社民党は、存在感のない党首を抱えて存続さえ危ぶまれる。
要するの野党はバラバラなのである。特にみんなの党や維新の党は、自民党の保管部隊でしかなく、選挙民は投票に戸惑うことになる。自民党にとって、好都合の現状なのである。
総選挙の大義はないが、安倍首相が掲げる選挙の大義は、三党合意が決めた消費増税の縛りを外ずし、経済情勢とは無関係にそして財政再建や構造改革も手を加えず社会保障に向けることなく、来年10月の増税するというシナリオである。たった2%上がるだけですよ、キリの良いところで計算し易いですよ、とでもいうのであろうか?冗談ではない。消費税は5%から10%へと倍になるのである。忘れ易いこの国の人は、たった2%上がるのかと思うタイミングである。政治家たちも行政も痛みを伴わないのである。
安倍晋三による安倍晋三のための選挙である。僅かでも勝利すれば、格差社会と軍事国家へと向かう日本が出現するのである。

習近平にすっかりやられた安倍首相

2014年11月11日 | 安倍政権
北京で開かれているAPECのついでに、安倍の要請を受けて習国家主席は面会した、と中国メディアは報道している。日本ではほぼ三年ぶりの首脳会談と大騒ぎであるのと、対照的である。下の左の絵は、チャイナディリーの戯画である。安倍首相はお面をして、室内歩行器で前進することなく、義手で握手している。
2番目は両首脳の笑顔なき握手である。中国側は、これで安倍首相は靖国に参拝できなくなったと報じている。会談(面会)では、尖閣も靖国も話は出なかったが、中国は議長国として儀礼的に振る舞った会談である。安倍はコケにされた。
習近平はしたたかに、同じく海洋国境問題を抱えるフィリッピンとベトナムとも会談している。習近平は笑顔であった。
習近平は、TPPでもたつく日本とアメリカを尻目に、新たな枠組みの自由貿易FTAAPを2025年までに締結すると動き出している。
今回、日中間だけで判断すれば、習近平にのやりたい放題だったと言える。安倍晋三は指をくわえて見ていただけである。安倍首相は次はないをやるの?、と新華社は余裕の報道をしている。
尖閣はともかくとして、憲法に抵触する靖国参拝を執拗に続ける安倍晋三であるが、これを教訓として中止するべきである。50番目に来たと意義づけの意味のないことなど口にせず、習近平に指摘されたとおり、これまで通りの平和国家でいてい欲しいという言葉を、メンツなどに囚われることなく憲法を順守していただきたいものである。
安倍はアベノミクスの内政でも、外交でも成果が上がらない。

デフレの元凶は派遣法である

2014年11月10日 | 労働者派遣法
安倍政権は、デフレ脱却を最大の目玉として経済対策をやっている。アベノミクスなる、いい加減で耳当りのいい言葉をどこからか見つけてきたが、実態は金融バブルを煽り公共投資を行う、イカサマの成長線戦略であることが判ってきた。
デフレが悪いかどうかは、政治家や経済学者のお好みであって、恰好が悪いからインフレにしたいだけである。資源も地球も有限である限り、いつまでも成長するはずがない。里山資本主義ではないが、インフレには今を大事にする発想がない。環境を守る思想がない。インフレは環境を食い潰しながら成長する。今より明日がよくなるのは、お金の問題ではない。明日はもっと良くなるのは、収入が増えることを意味するのではない。
そもそも、デフレの原因は日本のGDPの半数を占める、消費動向が鈍ったからに他ならない。消費動向が鈍ったのは、労働者の賃金が減ったからである。
労働者の賃金を減らしたのは、まぎれもなく『労働者派遣法』である。小泉が作った。何時でも雇えて、いつでも首を切れる非正規労働者は、雇用者にとって都合の良い制度である。これまで企業は製品販売などだけではなく、労働者の雇用を通じて社会貢献してきた。派遣法は明らかに、労働基準法に抵触する制度である。
デフレの原因である安い賃金を改正しない限り、デフレ傾向は収まらない。お金をたくさん刷って市場にバラマキ、大量の国債を発行して刷り増ししたお金でそれを買い戻すのが、現在日銀のクロトン(黒田東彦)がやっていることである。ちょっとデフレ傾向にあるなどとは、日銀のデフレの自作自演である。
世界20位以下になった労働者の賃金を上げることが何よりも、デフレ脱却にもなる。それでは資本の側が儲からない。社会は不安定の方が、派遣法が機能する。派遣労働者は、医師や通訳や高度技術者など、特殊技能者を特定期間必要とする時のためのものである。雇用する側は、雇い入れる労働者を安定して雇い、社会的地位を与える義務がある。それが企業の社会的貢献であり責任である。競争だけを優先させ企業に利する制度を、手を変えてまた今国会に自民党は提出する。
安倍政権は労働者のことなど考えていないのである。

地方選連戦連敗の自民党

2014年11月09日 | 安倍政権
ベルリンの壁崩壊25年めの、今日(9日)北海道の旭川市長選挙と新潟市長選挙の結果が飛び込んできた。どちらも、民主党系の現職に自民党が新人を擁して挑戦したが、いずれも敗退した。滋賀知事選挙以降自民党は、地方選挙で連戦連敗である。例外は福島知事選であるが、これは元々社民党候補を自民党が恥をかなぐり捨てて支援した。自民党が勝ったわけではない。不利な選挙戦を、県民に見せないように計らっただけである。
来週は、沖縄知事選挙が行われる。これは、地域振興の美名の元で、お金をたくさん振り向けてくれる自民党に尾を振り、公約を破棄した現職の仲井真の落選が決まっている。最大の、あるいは唯一の争点である普天間基地の移転問題を、7割を超える沖縄県民が県外あるいは破棄を望んでいる。
ましてや普天間を辺野古に移転するとする、実質新基地の建設には、殆どの沖縄県民が反対している。
辺野古埋め立てには、瀬戸内海から土砂お持ち込むそうである。辺野古沖は一気に深くなっているところである。多くの種類のサンゴが垂直的に自生する、貴重な所である。ジュゴンの棲息する、本来は保護しなければならないところである。日本自然保護協会は、埋め立て反対の要請を出している。
沖縄戦は実質、翁長氏と仲井真氏の戦いである。沖縄県民の民意が示されたとしても、普天間の辺野古移転は決まっていると、菅官房長官も発言している。地方選挙の民意は、国政には関係ないと政府は示したのである。その割には、名護市長選挙に懸命に札びらを見せていた。500億円の追加支援すると言ったが、敗北している。
一連の地方選挙の自民党の敗退は、現政権の不安と不満の表れである。争点が明快な沖縄知事選挙の結果を自民党はどう扱うつもりなのだろう。

川内原発再稼働という愚かな判断

2014年11月08日 | 原子力発電
日本のあらゆる世論調査で、原子力発電に賛成する人はせいぜい10%程度である。日本国民のほとんどが原発に反対している。誰もが危険を感じ、不安をいだいている。安倍政権が懸命に、あの手この手で再稼働を模索しても、不安が払拭されたわけではない。
原子力規制委員会は新規制下で国内初となる、鹿児島川内原発再稼働を認めた。あとは地元を動かせば、再稼働となる。立地自治体の動きを待って、九電と親密な関係がうわさされる伊藤鹿児島知事が再稼働に同意した。政府の意向に沿っていれば、お金がやってくるからである。
原発が日本のエネルギーに欠かせないというのは嘘である。原発が安価だというのも嘘である。安全だというのも嘘である。プルサーマルも嘘である。
地元の賛成派の人々の意見は、どの地域でも同じである。巨大な資金が動く原発に関係系する業者は、長年培ってきた業務がなくなることに抵抗を持つのは当然であろう。停滞する地方経済にとっては深刻な問題かもしれない。とりあえず事故はないものとして考えたい願望も、理解はできなくはない。
しかし原発はそうしたレベルでとらえるような代物ではない。地方経済の隆盛問題の中に、原発の可否を封じ込める論議には与しない。
安倍政権の目玉の小渕が辞めた後に急遽据えられた、宮沢洋一経産大臣は「事故が起きたら国が責任を持つ」と発言したが、原発事故はいったん起きれば責任というような言葉では始末は取れない。被ばくは環境にも人や生物にも、取り返しがつかない事態になることを、ピンチヒッターの大臣には理解できないのだろう。タイムマシーンで時間を戻すしかない。
この代替えの宮沢大臣は、川内原発を『カワウチ』原発と言ったそうである。理科もレベルも低いが、地理にも疎い大臣である。この大臣は、震災地には一度も行ったことのない、極めて珍しい国会議員の一人でもある。こんな低レベルの男しかいないのかね。
安倍政権は、国民の原発への不安をしり目に、再稼働への道を急いでいる。原子力行政が擁護してきた、電力会社はそれにまつわる利権構造に縛られた、政権の判断である。原発はそうしたレベルで論じる代物ではないことを、安倍晋三は理解できないのである

アラブの春は冬だったのか

2014年11月07日 | アラブの春
2011年から始まった、アラブ地域の民主化運動”アラブの春”は欧米の支持を受けて、燎原の火のごとく広がった。若者たちが街頭に出て、長年続いた独裁者たちやイスラムに対する反抗として歓迎され、東欧の崩壊のように一気にアラブは民主化されると多くの人が思っていた。
ところが、現実には何十年も続いた独裁者が倒れ、そのこととで抑制されていた宗教勢力や政治団体が、お互いを認めないほどの対立とが鮮明になり、より一層混乱の輪が広がった。
これは、アラブの春の10年前に起きた、イラクのフセインがアメリカの侵攻によって倒されたことと類似する。これまで抑制されていた宗派対立が一気に噴き出し、今では解決困難な暴力テロ事件の連鎖の中にある。アメリカがイラクを理解することなく暴力的に介入し、不用意にバランスを崩したためである。
アラブの春は、チュニジアから広がった。チュニジアでは先月末にやっと選挙が行われ、穏健な世俗政党である、チュニジア労働党総同盟がイスラム政党を抑え第一党になった。イスラム色を否定するよりも、汚職官僚への反発から起きたジャスミン革命と言われるものであったが、唯一民主化への道を歩み始めたといえる。
残りはというと、アラブの大国エジプトが良い例である。若者主導で30年続いたムバラク政権を倒したが、選挙ではイスラム同胞団が勝利して政権を取ったものの、一年して軍部が政権を握るという事態になっている。選挙という手法が、アラブのイスラムの国々にとって文化的にも歴史的にも、受け入れられていないシステムだということが解る。
リビアも42年続いたカダフィ大佐の独裁の、後始末が出来ていない。フランスなどが加わった政権打倒が、ボコハラムなどの過激派を産み、武器も流れる結果になり、いまだに混迷している。
シリアはこれら先発のアラブの春による民主化が定着していない現実を背景にして、政権打倒を目指す欧米の支持を受けた反体制派に反対する、イスラム原理主義国家を打ち立てるとする、イスラム国が凶暴な姿を現している。アサド政権の延命に手助けする形になっている。シリアにはもう一つ、クルド民族という問題があり、解決を一層困難にしているといえる。シリアの混乱はアラブの春のもう一つの行き着いた結果ともいえる。
アラブの春は、欧米の煽る形で大きな流れを作ってきた。即自的に若者に支持されたとはいえ、所詮欧米の制度であり、背景にキリスト教が見え隠れする。アメリカのような軍事的介入が解り易いが、欧米の介入は結果的には解決の道すら見つけられない。独裁者が続きその間言論の自由などないものの、イスラム国家の統治には独裁制度が都合良いように思われる。
イランの人たちの声に驚いたのは、だれもが王政の復活を望んでいることであった。欧米の民主制度以外の手法をアラブは模索しているのかもしれない。
民主化の道を模索するチュニジアと、ハメネイ師の寿命が尽きようとする単一民族国家のイランが、アラブの統治機構のモデルを示してくれるように見えるのであるが。

2局面からこの国を破壊する安倍政権

2014年11月06日 | 安倍政権
安倍政権が次第に危険度を上げてきている。根底ではつながっているかと思われるが、全く異なる2局面からこの国を破壊へと導入する。
一つは、経済政策で。もう一つは安全保障としてである。先月末から開設したばかりの本ブログで、すでに2度に渡って日銀の量的緩和について述べたが、現状はさらに破滅への道へと向かうことがはっきりしてきた。
私も気が付かなかったが、黒田日銀総裁が量的緩和策を発表した10月31日の同日に、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は資産127兆円の運用指針を見直し、デフレからの脱却を見据え国内債券の割合を大幅に引き下げ、収益機会を増やすため国内外の株式での投資比率を引き上げると、三谷理事長が発表したのである。私たちの年金をリスクの高い運用へと舵を切ったのである。
GPIFは日銀との連携はないとしたが、素人目に嘘だとわかる。両組織はそろって、アベノミクスのデフレ脱却政策のお先棒を担いだのである。見事な円安と株高が生まれた。消費増税を実行するための、数字づくりの両組織の支援である。
イギリスの某誌はまるでバンザイ突進のようだと皮肉った。敗戦濃厚になると、日本兵は巨大なアメリカ軍に向かって、銃剣を構えて突進したバンザイ突進になぞらえて皮肉ったのである。
アベノミクスは、成長期の日本を倣った政策である。経済成長を高水準で成し遂げた日本は、高齢化社会となってGDPに占める輸出割合は僅かに15%にもかかわらず、円安奨励による輸出振興には繋がるものではない。トヨタが9月の決算見込みで2.5兆円という空前の収益を報告しているが、その後の円安で3兆円は超えるものとみられている。
そもそも、日本のインフレの元凶は賃金安である。これは非正規雇用者を量産させた小泉内閣から始まっている。労働者の賃金を上げなければ、デフレは改善されない。特定の企業の収益を上げて、成長戦略の成功を裏付けるインフレ指数を演出したところで、実体経済は伸びていない。
世界は日本の経済が政策破綻するのを予測し、冷静に観察して教訓を読み取ろうとしている。アベノミクスは破たんする。
その一方で、平和国家として日本が気づきあげてきた信頼を、安倍政権は根底から破壊しようとしている。安倍晋三は「積極的平和主義」という矛盾語で覆い隠し、軍事国家へと変貌の道を歩んでいる。軍事大国のアメリカ追従という、集団的自衛権行使容認や武器輸出の解禁である。
アベノミクスはの破たん後の金融システムの破壊と財政破たん、そしてアメリカの相対的地位の低下によろ多極化により、日本の存在が危うくなる。安倍政権の経済政策と、右傾化軍事国家の転換の2面で、日本は国家として破滅の方向に向かていると言える。

トヨタの収益 15年度は見込みであるが、円安でさらに伸びるものと思われる。

温暖化と長寿になった雲のエトセトラ

2014年11月04日 | 環境保護
雲の寿命が延びている。雲が水分を集めて出来上がるには、核になる粒子が必要になる。空中に浮遊する、微小な砂粒や塩分など(エアロゾル)がその役を担っていた。
ところが近年になって、化石燃料が大量に燃やされるようになり、微粒子が大気中に浮遊するようになり、これが雲の核に新たに加わってきた。とりわけ最近の中国などのPM2.5と言われるような超微小エアロゾルが核になることによって、水滴が集合しても中々雨となって落下してこなくなった。つまり雲の寿命が延びる結果になっているのである。雲の社会も高齢化になっているという、笑い話では終われない。
雲の粒子が小さく太陽光を反射する効率が高くなる。その一方で、雲の寿命が長くなるので、さらに太陽光が地表には届き難くなる。化石燃料などをどんどん人類が燃やすことによる地球の温暖化には、長寿の雲は抑制的な働きをしてくれている。地表に対しては抑制的であっても、雲を抱えている大気層は加熱される。
大気中のエアロゾルが化石燃料の多い北米・欧州・アジアなどに対して、森林火災の多い南米・中米では温暖化に抑制的に働いていると言われている。しかし、全体的には温暖化の方が勝っていると、IPCCの第5次評価は報告している。下の表を参照ください。
しかしこうした専門家の評価を、一般人が受け止める現実は、温室効果ガスの働きを、そのために作られた雲が空で抑制されているというのは気分がよくない。
微小エアロゾルは、人体に対して肺の奥まで侵入するなど健康被害が引き起こす。化石燃料がの燃焼が生み出したエアロゾルは、酸性雨の原因にもなっている。要するに、環境汚染と健康災害の原因にもなっている現実がある。
その一方で、寿命が長くなりいつまでも浮遊する雲は、実質水分含量がどんどん膨らむことになる。一旦雨が降ると記録的だったりして、洪水や土砂崩れなど様々な災害が起きると推察されます。その一方で、雲が長く生き続けることによって、水(雨もしくは雲)を失う地域もできてくる。ここ数年起きている、水害と干ばつが同時に地球上の異なる地域で起きているのではないかと思われる。
専門家は、このように断定はせずに慎重な言い回しで、寿命の伸びた雲の評価に困惑して判断しかねている。前例がないからであろう。
地球の温暖化は、地球の異常気象の一つの現象でしかない。異常気象は確実に進行している。雲の質的変化はその一つにしか過ぎない。東京で亜熱帯の病気の、デング熱が発生することを、蚊のせいにするような矮小な評価は許されない。洪水被害や土砂崩れを見ていると、温室効果ガスの排泄の抑制を先進国は率先して取り組まなけれならない時期に来ていると思われる。

ペットの店頭販売の規制強化を

2014年11月03日 | 動物愛護
栃木県の鬼怒川河川敷で10月31日、小型犬約40匹の死骸が捨てられていた。犬に外傷はなく人気犬種が多かったと報道されている。
これは業者の犯行である。数の多さや外傷などがないことから、処分に困った業者の犯行と断定してかまわない。年齢などの詳細は分かっていないから、即断はできないものの通常販売が出来なくなった業者の犯行ではないか。
私のころは、約1000名が毎年獣医師になるのであるが、小動物(犬猫などのペット)と大動物(牛馬豚の産業動物)それに研究職と行政に、それぞれ均等に流れていたものである。ところが最近は、7割がペット・犬猫専門になっている。それほど犬猫が増えているのである。
かつては犬は家の外で飼われていた、日本犬かその雑種で番犬として働いていた。今は室内で、血統書付の犬をそれも複数飼っている。美食を与えられて運動不足のため、犬猫病院は大流行である。
町にはペットショップが溢れている。このお店屋さんが問題である。最近になって、8週齢(56日)を超えるまで店に出さないようにとか、夜間の販売を禁止するように法規制がされた。
無機質の明るいばかりの店頭に、親に甘えたい時期に引き離して並べることが、この子たちにどれほどのストレスがかかっているのか知っていただきたい。
店に来る人たちは、子猫の仕草や子犬のあどけない表情につい買ってしまう。それが業者の狙いでもある。衝動買いが少なくない。ところがいつまでも犬猫は子供ではない。購入した時より大きくなったり、大人の行動をするようになって、戸惑う人も少なくはない。
飼い主から愛情を失った、犬猫たちが虐待をうけたり遺棄されることも珍しくはない。そもそも、飼い主としての基本的な知識も少なく、室内に閉じ込めて飼っていることですら、虐待に等しいことすら知らない。店員の教育も不十分である。
ヨーロッパでは、すでに幼い犬猫を店頭に置くことを禁止している。店頭表示ゼロのところもあると聞く。ただし多くのパンフレットなどを用意していて、業者間の横のつながりを持っていてすぐさま、子犬や子猫をお客さんに提供するよう対応している。
現在の日本では、店頭に並べられて売れなくなった幼い犬猫たちは、当然のことのように月齢を重ねて大人になる。大人になった犬猫は売れない。商品価値が下がるのである。店頭では子犬にはかなわない。売れなくて商品価値の下がった犬猫たちは、在庫処理しなければならない。生き物であるから、維持費のかかるばかりか、更に買い手がなくなってくる。
今回の鬼怒川河川敷の犬猫死骸放棄事件は、こうしたことを背景に業者が殺処分したものであろう。犬猫の店頭販売を禁止するべきである。

3年前に19才で亡くなった我が家の、プーちゃんです。もうすぐ命日です。

円安は日本にプラスになる?

2014年11月01日 | アベノミクス
私は獣医師であって、経済学者ではない。経済のことは良く解らない、というよりも大嫌いである。社会動きを金銭評価するからである。その典型が、アベノミクスの第一の矢である。第一の矢は大胆な金融緩和策である。それが足らんかったのか、思ったような効果がなかったのか、昨日書いた”病的”金融緩和策である。
実体経済を見ることなく、インフレ率の数字をなんとしても2.0%にしたいのである。まず最初に市場がサプライズして、株高と円安を招いた。何もしないで大儲けした連中がいる。円安は今日も進行して、1ドル111円を超えた。
この円安を受けて黒田東彦(クロトン)は、「円安は日本全体ではプラスになる」と言ったのである。打ち合わせがなかったのか、安倍首相は同時刻に「円安は家計と中小企業ではデメリットが出ている」と発言している。トリクルダウンが起きてないこともとれる発言であるが、円安を歓迎していないととれる発言である。経団連の榊原会長も「これ以上の円安化好ましくない」と言っている。日銀総裁のクロトンのマネーゲームであるが、円安は日本にプラスになったのか?
貿易収支の赤字は今年十数兆円に上るようであるが、鳩山政権時代は10兆円もの黒字だったし、野田政権時代でも4兆位円の黒字であった。マネーゲームは失敗しているのである。日本のお金が流出しているのである。これが日本にプラスになるのか。
安倍首相はお嫌いなようであるが、対中国の収支は鳩山政権時代には、4兆円の黒字であったのであるが、1兆円もの赤字になっているのである。円安がもたらしたこうした結果が、日本にプラスになっているというのだろうか。
仕掛けられた円安で、原発停止を受けて石油や天然ガスを大量に買わなくてはならなくなったが、円安が大きな負担になっている。早く原発再稼働しなければ、貿易収支は悪化すると安倍政権国民を恫喝するが、実態は自らが作った円安に依拠するところが大きいのである。これも日本にプラスになっているというのであろうか?
アベノミクスで日経平均株価は倍近くも跳ね上がったのに、小売販売は138兆円からほとんど動いていない。物価が上がっていることを考慮すれば、消費動向は下がっているとみるべきなのである。なのに、円安は日本にプラスになっているのだろうか。
そもそも消費増税で経費は上がったのに、我々小規模業者はそれを農家に転嫁できないのが現状である。即ち消費税分を自らが負担して、国家に奉仕しているのである。一般国民は、円安によって生活必需品を主体とした物価上昇をまともに受けているのである。なのに、何が円安が国民にプラスになるというのであるか!


ここまで来た、日銀の病的金融緩和策

2014年10月31日 | アベノミクス
日銀は31日の金融政策決定会合で、追加の金融緩和策を決めた。長期国債などの金融資産を市場から買い取って、年間60兆~70兆円としてきた資金供給量を3割も増やし、80兆円に増額するとした。消費増税で消費者物価の伸び率が鈍化しているのが理由である。日銀の金融政策を決める政策委員9人のうち4人が反対した。クロトン(黒田東彦総裁)以外は意見が相半ばし、同数ということであった。
前回が異次元の緩和策なら今回は、病的緩和策と言える。驚いた市場はすぐさま反応し、株価は上昇した。実体のない株価上昇は必ず反動が起きる。前回の異次元の緩和策の時にも同様に市場は反応したが、何しろ実体経済がついて行っていない。単なるサプライズ効果でしかない。そのことに気がついて、異次元はいつの間にか異次元でなくなった。そこ度今回又同じことをやる。市場にジャブジャブ金は出回るが、庶民には縁遠いところで回転するだけである。今回は病的金融緩和策と言える。一時的効果しかなく、覚せい剤のようなものでしかない。
日銀が行った緩和策は、アベノミクスの第一の矢である。第一の矢はマネーゲームである。輸出主体の大企業と株主が儲けたに過ぎない。そうした意味で、アベノミクスの第一の矢は成功しているとは言える。
しかし、実体経済を公共投資と成長戦略ので作り出すはずであったが、何一つとして成功していない。特に、大企業や都市の好景気が波及効果が一般国民にまで及ぶとしていた、トリクルダウンは起きていない。実質賃金は下がり、格差は拡大する一方である。
金融緩和策が誘導した円安で、日本の貿易赤字は膨大な数字になった。これまで日本をさえてきた輸出企業の海外移転で、円高は全く効果がなかったばかりか彼らも見捨てる結果になっているのである。
円安は庶民の必需品の燃料や食料価格を吊り上げる結果になっている。これに逆進性の強い消費税導入がさらに追い打ちをかける。さらに、金融政策で儲けた企業は、次の不景気に備えて企業内ストックを膨らませるだけとなっている。
アベノミクスの第2の矢の公共投資は、財政健全化に逆行するバブル時代の成長戦略である。不要な土木工事が頻繁に行われて、財政出動を穴埋めする税収など起きていない。安倍政権は行政改革を置き去りにし、官僚主導の増税と軍国化へと歩みを進める。
今回の日銀の金融緩和策は、実態を見極めることのない”病的”金融緩和策であると言える。


南京事件も慰安婦もなかったことにするのかNHK

2014年10月30日 | 南京事件・慰安婦
もう2週間も経ちましたが、私たちは「ジョン・ラーベ ~南京のシンドラー~」という映画を上映しました。一般上映としては日本初、上映そのものも日本で4度目というものでした。この映画は製作後既に7年以上経過しているにもかかわらず。日本では上映が禁止されているのです。右翼の圧力で配信する団体が出てこなかった。
ジョン・ラーベというドイツ人が、こまめに日記を書いていました。後日南京虐殺に関する部分をまとめた、「南京の真実」ジョン・ラーベ著講談社文庫、平野卿子訳、として発刊されています。この日記を根拠に製作された映画で、ベルリン音楽祭などの賞を受賞しています。独、仏、中の合作映画です。
上映会は予想に反して大盛況でした。北海道の片隅の小さな町で、70名もの方が鑑賞していただきました。上映委員会としては赤字覚悟だったのですが、何とか黒字に持って行けました。
南京大虐殺は、通説では30万人もの大虐殺があったとされますが、その数字は多少大きすぎるように思われます。それを根拠に、南京事件はなかった、虐殺などなかったと主張する人たちがいるのです。
それは朝日新聞の、従軍慰安婦に関する誤報道を根拠に、なかったことと事実を隠ぺいする行為に似ています。
おりしも、イギリスのタイムスが「日本の公共放送のNHKが従軍慰安婦放送禁止」という報道をしました。安倍晋三は故中川昭一を連れだって、NHKに従軍慰安婦報道の放送に圧力かけるため、直接乗り込んだ経歴もある。安倍政権になって、安倍のイエスマンとして籾井を会長に送り付け、経営委員に百田尚樹や長谷川三千子の戦争校訂者を送り込み、自分の家庭教師だった本田勝彦を送り込んでいる。
タイムスは、従軍慰安婦だけでなく南京虐殺事件もNHKは報道することに圧力をかけられていると、内部文書を基にして報じている。
確かに映画、ジョン・ラーベを見ていて、日本人として愉快のものではない。しかし、日本軍行った各種の残虐行為は決して容認できるものではないでしょう。30万人は殺さなかった、5万人だというのは被害者の意識を逆なでするものである。慰安婦に金を払っていたとするものと同質のものと言える。
今、安倍政権とそれを取り巻く連中は、戦争を美化することで国家の威信を守ろうとしている。そうした意識は、結局は集団的自衛権行使容認に見られるように、好戦的な軍事国家の意識を肯定するものでもある。
歴史は建前で自国の名誉を飾り付けることではなく事実を認め、過ちをそこから引き出し歴史を教訓にするべきなのである。

ひょっとすると年内解散?

2014年10月29日 | 安倍政権
安倍政権は3年近くになるが、それにしてもいろんなことをやってくれた。日本版NSC(国家安全保障会議 )を作り、特定機密法案を作って、情報管理を国家に優先させ、着々と軍事国家の匂いを広める下準備を進めた。正体不明の専門者会議や諮問委員会なるものを、かつての知人などの人脈を軸にして集め、自らの意向の沿った協議や検討を繰り返し、周辺をお友達で固めた。
組閣も同じである。自らの意見に近い人物と、代弁者の登用を行ってきた。
極めつけは、集団的自衛権の行使容認を閣議決定させたことである。国家の背骨となる憲法を政治的とによって、解釈を変えたことである。明らかに立憲国家の否定である。
当初から打ち上げていた、アベノミクスと名付けた経済政策は、すでに破たんしている。格差社会を生み、農業を一時的な利潤を求めるだけの大型にすることで破壊への道を歩ませた。何よりも、国民の8割以上が反対する原発の再稼働をさせる道を付けた。
改造内閣は女性閣僚2名の辞職に留まらず、何かとも問題が噴出してきている。
今安倍政権は逆風にある。悪名高いカジノ法を引っ込めるようである。そうした中、自民党の一部から解散総選挙の声が上がっている。
安倍政権は逆風の中、これから取り組まなければならない大きなことは、消費増税、原発再稼働、集団的自衛権行使に関わる各種法案の作成、である。このどれもが、世論に厳しいものである。
これだけの悪政をやり、軍事国家への道を歩みさせていても、支持率が40%を大きく下回ることはないのである。最大の要因は支持ではなく、「他の政権よりましだから」といことである。民主党政権の体たらくがこの背景にあり、いまだ立て直すまで至っていない。先に掲げた3つの案件も、民主党は明快な反論を持ってはいない。自民党と変わらない考えの派閥が存在するからである。
そこで今総選挙に打って出ても、現有議席を減らすことはあっても、政権を失うことはないと思われる。ここで総選挙を行っておけば、4年間はやりたい放題である。先の逆風の課題も乗り越えることが出来るというのである。
安倍晋三の求心力も高まる。求心力とは、ポストに涎を出す政治家が権力者に寄り添う姿のことである。
そこでまことしやかに、年内総選挙説が浮上するのである。安倍晋三にとっては、延命工作として意味を持つが、国民不在の文字通り政治的な動きである。