blueな日々

( Art で逢いましょう)

踊れば救われるのか?

2006年02月10日 | 読書メモ

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そんな単純なことではないだろうが…。
踊りと念仏、救い救われるということ…。

………
『一遍上人~旅の思索者』
 監修:栗田 勇
 出版:新潮社 発行:2000.09(文庫本)
 出版社の紹介:一遍智真は、愛と憎しみの底知れぬ
 苦悩の果てにわが身を捨て、捨てる心をさえ捨てて
 諸国漂泊へと旅立ったノ。国宝絵巻『一遍聖絵』に
 描かれた足跡を各地にたどり、肌身で感得する遊行
 の心。信・不信をえらばず、浄・不浄をきらわず、
 ひたすら念仏流布の旅に生きて死んだ男の、足音に
 耳をすまし生身の人間像に肉薄する。芸術選奨賞。
………
仏教、宗教人、その社会その芸術などにも興味がある。
人物と時代のうねりに引きつけられる。追体験したい。
仏教(時宗)に関連した記述は、たぶんほとんど理解
できていないだろう。高校で、古文の授業をさぼった
ことが悔やまれる。本書の著者は思想家?著述家?
一遍への思い入れが強すぎるような印象もあったが、
いい本を読んだ。若い人は著者の文体は受けつけない
ような気がする。もったいないことだが。
………
一遍。武士階級の出身。人を殺したこともあるらしい。
女性との問題和解別離…、子供の存在?そんなことも。
鎌倉時代に生きた人。日蓮の島流し、元寇の役、多く
の飢饉など、社会は混乱していた。新興の鎌倉仏教の
中にあって、一遍は、全国を遊行(ゆぎょう)して、
踊りながら念仏を唱える「踊り念仏」を主唱。
時宗の開祖。51歳で死去。当時は当然、激烈な批判も
あったらしいが、踊り念仏は全国の民衆の間で、後代
までも流行した。必要とされた。

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『一遍聖絵』は、弟子聖戒が絵師円伊とともに、
 一遍ゆかりの地をめぐって、師の没後10年で
 (13世紀)作り上げたもの。
 写実性にすぐれ一遍の伝記として、中世の記録
 としても注目されている一級の資料。絵巻は、
 当時の生活風俗なども詳しく伝えている。
 *聖戒は、一遍の実弟や子供との説もある。
 *図画(彩色されたもの)は「国宝」なんだが、
  一個人のただのブログで、掲載してもいいの?
 *こちらは、江戸時代に作られた版木から。
  一遍の出家? 京の都でのエピソード?

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………
何かを忘れている。書きたりていない。
もやもやが私に取り憑いている。
一遍に連れ添った多くの人々が、旅の途上で死んで
(成仏して)いる。そんな人たちの想いかもしれない?


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