『あなたの人生の物語』 テッド チャン・早川書房(2003.9)
地球を訪れたエイリアンとのコンタクトを担当した言語学者ルイーズは、
まったく異なる言語を理解するにつれ、驚くべき運命にまきこまれて…。
ネビュラ賞を受賞した感動の表題作はじめ、天使の降臨とともにもたら
される災厄と奇跡を描くヒューゴー賞受賞作「地獄とは神の不在なり」、
天まで届く塔を建設する驚天動地の物語「バビロンの塔」ほか本邦初訳
を含む八篇を収録する傑作集。
『高丘親王航海記』 渋澤 龍彦・文藝春秋(1990.10)(再読)
高丘親王は唐の広州から海路天竺へ向った。幼時から父平城帝の寵姫の
藤原薬子に天竺への夢を吹きこまれた親王は、エクゾティシズムの徒と
化していたのだ。怪奇と幻想の世界を遍歴した親王が、旅に病んで考え
たことは…。遺作となった読売文学賞受賞作。
『遺跡の声』 堀 晃・東京創元社(2007.9)
その恒星系に浮かぶ無人の観測基地のシステムには、太陽爆発で死んだ
女性科学者の人格が転写されていた。「彼女」からの異状を伝える連絡
に、婚約者だった私が派遣された。その途上、私は巨大な太陽ヨットと
遭遇する?。名編「太陽風交点」にはじまるシリーズを最新作まで収録。
辺境宙域で、人間の想像を超えた遺跡を巡る調査員の私と、助手である
結晶生命体トリニティの旅路。
『マシアス・ギリの失脚』 池澤 夏樹・新潮社(1996.5)
南洋の島国ナビダード民主共和国。日本とのパイプを背景に、大統領に
上りつめ政敵もないマシアス・ギリはすべてを掌中に収めたかにみえた。
日本からの慰霊団を乗せたバスが忽然と消えるまでは。善良な島民たち
の間でとびかう噂、おしゃべりな亡霊、妖しい高級娼館、巫女の霊力…。
それらを超える大きな何かが大統領を呑み込む。豊かな物語空間を紡ぎ
だす傑作長編。谷崎潤一郎賞受賞作。
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頭の中の病いと共存しながら、読書の愉しみを、私は再確認しつつ
あるのだろうか。日々の時間が今、本とともにあるような気がする。
SFあるいはファンタジー。「あなたの~」ような難解ぎみな短編集
は嫌いだ。日本の作家たち、その作品たちは素晴らしいものも多い。
うれしいことだ。自分に根気があれば、私も書きたいのだが。
本当に素敵な物語です
渋澤龍彦がこの物語を書いたときの
空想の地図?を見たことがあります
それにしても、確か
登場人物が
「ははは、ディコンストラクションなのだ」とかなんとか
言うところがあり
面白かったですね
また、
渋澤がある評論家の文章にパラダイムシフト
という言葉が頻繁に出ることを奥さんに伝えると
奥さんが「それって、パラダイスの間違いじゃないの?」
と揶揄したことがエッセイにありました
取りようではちょいヤらしいのですが
漫才のようで面白かったです
先週は初めて乙一を読み始めましたが
あまりに気持ち悪くてやめました
昨夜初めて読んだ町田康はなかなか古風でした
やはり
今はかなり時間をかけていますが
On Beautyという2つの家族の物語をずっと読んでいますが
あまりに面白く
ジョナサン・フランゼンの「コレクションズ」同様
そして最近のカポーティの「冷血」同様
私の一生の宝になりそうです
それにしても
気に入った小説の中では
いつも男は妄想をもった
空虚の存在として描かれていますね
空虚だからこそ現実の中では力を発しているのですが・・・
ともあれ平均就労時間が12時間なので、相変わらず
読書もちょっとつらいですが
唯一の癒しです
ジュリアン
自宅にはもう一冊もない。また再読をしたいと思うのに。
町田はいつか読むことになるかもしれない。彼がミュー
ジシャンのころ、一度、会ったことがあるかもしれない。
私も、読書のみが、もちろん癒しである。