blueな日々

( Art で逢いましょう)

中世を生きる人々

2009年07月14日 | 読書メモ
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『路上の人』 堀田善衛・新潮社(1995.5)
十三世紀、異端討伐十字軍がピレネーの山麓に集結した。迎える
異端カタリ派は、天空に突き立つ岩峰上の城塞を最後の砦とする。
法王庁が絶対的な力を持ち、一方、王権も漸く台頭してきた中世
ヨーロッパで、路上に生活の糧を求めて浮浪する、自由人の眼に、
教会は教義は、騎士たちの生態は、どう見えたか。時代の転換期
を舞台に、人間の自由と尊厳を問う長編小説。

『大聖堂~全3巻』
 ケン・フォレット・ソフトバンク クリエイティブ(2005.12)
いつかこの手で大聖堂を建てたい。果てしない夢を抱き、放浪を
つづける建築職人。やがて彼は修道院院長と出会う。かつて隆盛
を誇ったその修道院の大聖堂は大掛かりな修復を必要としていた。
折りしも国王が逝去し内乱の危機が。十二世紀のイングランドを
舞台に、幾多の人々が華麗に織りなす波瀾万丈、壮大な物語。

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先週、読んだ「沈黙」「侍」のながれで、中世のヨーロパ~キリ
スト教的世界を舞台にした物語を。『路上の人』は再読。著者の
堀田善衛は好きな作家。まだ未読の他の作品も読んでみようかと。
『大聖堂』の続編~全3巻が、文庫で出版されている。図書館に
リクエストを。ケン・フォレットの作品ははるか昔、推理や冒険
小説などを数冊を読んでいる。うまい作家。『大聖堂』では正邪
が描き分けられ、争いばかりがつづいてゆく。聖堂がじれったい
ほどに建たない。だが、よくまとまった物語ではある。




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