そして私は今月の下旬.ある週末の夜に、夕食を終えて食器を洗い、
コーヒーを飲みながら、ネットをまたさまよってみようかと.だが
不意に気分の悪さを感じる.起きてはいられないほどの意識の混濁、
皮膚になにか熱気のベールをまとったような嫌な違和感.息苦しさ、
鼓動の高鳴り.作ったばかりのコーヒーもネットもあきらめ、私は
すぐにベッドで横になる.身体の異常を感じそうするしかなかった.
私は熱中症になりかけているのではないのか.それは確実な予感で.
ひどく具合が悪い.連続している猛暑日と熱帯夜.毎日の最高気温
は38度代.最低でも30度ほど.異常気象のただ中のこの地方都市.
夜中に起き私はまだ具合が良くないことを知る.冷蔵庫から枕型の
保冷剤を取り出してベッドに戻る.苦しんだがいつの間にか眠って
いたらしい.午前3時にまた目をさます.いつもならかなりの汗を
流しているはずだが、不思議と身体も顔も首筋もどこも汗をかいて
はいない.身体にまとわりつく熱気のベールは感じているのだが….
しかしそれから朝までの3時間ほど何度かトイレに行くことになる.
妙な感覚を覚える.熱中症が怖かったので、水分の補給も.明け方
には塩もわずかになめてみた.結局次の日曜日には終日横になって
具合の悪さを感じていた.食事は夜になって軽く.冷蔵庫に入れて
いる冷えた麦茶だけを飲んで過ごしていたような感じだ.何度も目
をさましたが、ずっと眠っていた実感も.その夜もまた眠りつづけ.
月曜日の朝になってようやく気分は良くなった.身体の辛く異常な
感覚は消えていた.なにか食事をして、体力をはやく回復させたい.
じつは救急車を呼ぼうかとまで考えた具合の悪さだった.わずかに
高齢だったら、私はそのまま死んでいたのかもしれない.異常気象
の最中の真夏の孤独死かも.最後に目にするのは、アップした写真
のような、こんな何気ない眺めかもしれないと.ベッドの足もとの
形あるものたちを.………後日、内科の受診時に以上を話してみた.
今度具合が悪くなったらすぐに点滴を打ってあげます.回復が早く
なります.院長のアドバイス.熱中症は危険.治療が遅れてはだめ.