ヤシカのプログラム式EEカメラ「Minimatic-S」～セレン電池の露出計
による距離計連動式．オート位置でプログラムEEに．任意に絞りを設定
すればEEは解除されて、シャッター速度1/30秒固定のマニュアル操作が
可能になる．外観のかなりの劣化以外に状態は悪くない個体で、露出計も
精度は不明だが現在でも機能している．各部の操作にも問題はないようす．
大口径のレンズも魅力的に感じる．ボディが大柄なのは時代物だから仕方
がないとして．だがトップカバーに配置してある感度設定窓が奇妙に仰々
しく感じてしまう．まるで露出計の指針窓のようにも見えてしまうのだ．
Minimatic S
●露出：プログラムAE ●受光素子：セレン
●レンズ：Yashinon 45mm/F1.8
●シャッター：COPAL UNIQUE B.1/30.1/40～1/500秒
●ファインダー：採光式ブライトフレーム
倍率0.65倍 パララックス自動補正
●焦点調節： 直進ヘリコイド距離計連動
●フィルム送り： レバー巻き上げ、クランク巻き戻し
●フラッシュ：なし ●シンクロ： Ｘ接点 ●発売：1963年
簡単に分解してファインダー内の汚れを掃除．かなりクリアに．ボディの
剥がれた合成皮革は簡易に修繕を．試写の結果が良ければ、今度は時間を
かけて私にできる限りメンテナンスを行なう予定．そんなつもりで試写を．
感度200/36枚撮りカラーネガフィルムを使用．露出計の不良時を考えて
念のためにオート露出とマニュアルでの撮影を考えていたが、結局は露出
数値などの写真データのメモもとり忘れてしまい，わずかひと月ほど前の
ことなのに、すでに記憶にない．たぶんほとんどをオートで撮ったような．
作りも使い方も写りもなんだかすべてが素朴で堅実な印象の、より正確な
私の印象では、個性をわざと隠したかのような、ヤシカというすでに存在
しないはずの会社のほとんど飾り気を感じさせないようなそんな姿を見る
ような、あるいは時に冷たいイメージをも思わせるようなところから産ま
れてきたカメラ．…写りは普通でとくに悪くもなかった．一部のカットに
は露出に異常があるものもあったが、それはマニュアル撮影での私の露出
数値の設定ミスか，オートでの露出計の異常なのかもしれない．とにかく
使用可能なカメラだが、不安定さも感じる．そんなつもりで以後も使う．
