栗林写真工業という、たぶん今は存在しないメーカーの、初期の一眼レフ
カメラ「Petri V6」~オート露出が不動かもしれない,レンズの先端には
歪みがありフィルターを装着できないはず.他の動作に問題はなく少なく
とも撮影は可能.そんな個体.特徴のあるボディデザイン.カメラ正面の
シャッター配置が奇抜.最速 1/500秒のシャッター速度、F2.0のレンズ、
完全自動絞り.標準レンズの Petri C.CAuto F2/55mm は独自のマウント.
素晴らしい描写を見せてくれる魅力的な存在.開放時の乱れたボケの入り
方も面白い.鮮やかさを通り越して派手ですらある色彩.シャープさの中
に温かさを感じる描写.立体感こそ乏しいが絵画的な見所に満ちた、傑作
レンズといえる.そんな評価がネットで.私が手にした個体は,それほど
悪い状態ではないが,レンズがボディに完全にフィットしていない.ぐら
ついているのが実感できる.遮光やピント調節などの不安があるが,とに
かくまずは試写を.感度400/36枚撮りのカラーネガフィルムで.レンズ
先端のわずかな歪みは簡単に治すことができた.フィルターも装填可能に.
うれしい撮影結果に.カメラの動作はレンズの状態も含めて、問題はなさ
そうないい写りだった.レンズのがたつきが不安だっただけにそれはうれ
しいものだった.たぶんまだしばらくは,数年間は、なんとか故障せずに,
常用することができるのではないだろうか.その個性的なボディデザイン
とともに写りの好印象で、私のお気に入りのカメラになるのかもしれない.
不安なのは,不規則にわずかなカットで,シャッター幕の不具合のような
現象が起きていたことで、写っている被写体のほぼ右半分が真っ暗なのだ.
以前,他のカメラで経験した同様の不具合では、左側部分のみが真っ暗に
なっていたのだが….シャッター幕の開き方で発生する現象が違うのかも
しれない.あるいはフィルムの巻き上げに問題があったのかも.再度撮影
してみれば,もっと詳しいことが判明するかも.あるいはしないかも.