優れた作品世界を見せて~読ませてくれる作家との出逢い。
読者に正面から体当たりしてくる作家の姿勢に拍手である。
………
『第三の時効』図書館を利用(文庫本)
著者:横山秀夫 出版:集英社 発行:2006.03
出版社の内容紹介:殺人事件の時効成立目前。現場の刑事
にも知らされず巧妙に仕組まれていた「第三の時効」とは
いったい何か。刑事たちの生々しい葛藤と、逮捕への執念
を鋭くえぐる表題作のほか全六篇の連作短篇集。本格ミス
テリィにして、警察小説の最高峰との呼び声も高い本作を
貫くのは硬質なエレガンス。圧倒的な破壊力であぶり出さ
れるのは男たちの矜持だ。F県警強行犯シリーズの第一弾。
………
ある都市の警察組織。強烈な個性の刑事たち。あくまでも
犯人を追いつめる。犯罪捜査の内幕の数々。警察組織内で
の激しい競争や確執。刑事と犯人の掘り下げた人物の造形。
内面の描写。思わぬ展開。事件解決後の余韻。そのすべて
において、最高レベルの作品~連作短編集である。
たとえば推理小説の一時代を築いた松本清張~社会派推理
を構築~のように、横山秀夫もまた警察小説で新たな時代
を創りつつあるのかもしれない。私にとっては、それほど
のスキルとパワーを感じさせる作家である。すべての作品
を読んでみたいと思える、数少ない作家のひとりである。
古書店で『動悸』『陰の季節』を買っている。ともに警察
小説の短編集。読むのが非常に楽しみである。図書館へは
3冊をリクエストした。『クライマーズ・ハイ』『臨場』
『顔』~これはお気に入りの仲間由紀恵の主演でドラマ化
されているらしい。いつかまとめてDVDを見たい。
警察小説:警察官やその組織を中心に書かれた作品である。
推理~謎解きそのものよりも警察の捜査活動の描写に重点
が置かれる。警察組織内部の情勢や暗部を題材とした作品
も多く存在する。必ずしも推理小説であるとは限らない。
(Wikipediaより転載・編集)
警察小説もエド・マクベインの87分署シリーズ「警官嫌い」
をはじめとしたシリーズ物なども多くの作品を読んできた。
本格推理物にはない、その社会的な現実感覚~問題の提起、
犯罪~人間の描写などが好きなのだ。身にしみるのだ。
余談:松本清張の作品はほとんど読んでいない。短編集を
2冊ほど?読んだだけ。彼の推理小説もいつか読むつもり。