悪い夢～あるいはAdrien Brody

風邪いがいの病にも蝕まれているのではないか、と
いう不安をかかえながら、今週はずっと具合が悪く
寝込んでいた。咳こむ時の胸や背中などのその痛み
が尋常ではなく、非常に苦しい状態だった。
………
月曜日は、途中で何度も目をさましたが、はぼ一日
を眠ってすごした。奇妙な夢を見ていた記憶がある。
ふたつのリストを比較しながら、室内の整理や自身
の精神状態を分析している夢だったような。何度も
同じ内容の夢。汗をかき目が覚める。また咳き込む。
痛みに顔をしかめる。不安がつのる。悪夢である。
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睡眠と栄養補給で苦しさを乗り越えようと考えたが、
うまくいったとはいえない。この数日よく眠ったが、
食べたのは果物類とヨーグルトだけ。起き上がれば、
ふらつく自分がいた。またひどく痩せた気がする。
………
Adrien Brodyという役者が持つ雰囲気は、私の弟の
ものでもあると気がついた。わずかな歴史の理解が
あれば、彼～私の弟も、なんらかの表現者になって
いたかもしれない。しかし現実は厳しいものである。
………
Adrien～主演の『戦場のピアニスト』という映画を
近いうちに見たいと思った。この作品の監督に対し
ては言いたいことがある私ではあるのだが。
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弟は、若い頃、ピエロの絵をよく描いていたらしい。
先週ネットを散歩していたらAdrien Brodyのこんな
写真も見つけた。まさにこの雰囲気は私の弟のもの
でもある。哀しみの中に何か有意義なものを見つけ、
はやく生還して欲しいものである。彼の人生はまだ
半分近くは確実に、残されているはずなのだから。

………
木曜日。発熱はまだつづいている。うなされながら、
弟や娘～Nのことを、昨夜まで虚ろに考えていた私。
この世界で生き残るためのなんらかのヒントなどを、
彼らに分け与えたい私なのだが、実はそれは私自身
にこそ必要なことではないのか？などとあらためて
自覚して～現実は、より良き可能性が存在する世界
でもある～そんな認識が逆に今、私を絶望感に向き
合わせている。こんな感慨も悪夢そのものである。