このカメラはオートのみの操作系だが、フィルムの感度を設定した後には、
単一の露出の組み合わせしかなく、シャッター速度を1/250秒に決めれば、
絞りは開放の f2.8に.速度を遅い 1/30秒にすれば、絞りは最小の f16に.
つまりオートでもマニュアル操作でも、じつはそれほどの違いがないのだ.
露出の基本をアバウトでもいいので知っていれば、撮影自体には、とくに
不都合はないはずだ.…明るい被写体なら速度は高速側に.暗い室内では
低速よりに.あるいはその中間を選んで.そんな作りのカメラだから.
8月初旬にオークションで入手.送料を加えても千円以内.動作が未確認
ゆえに私が安価に手に出来たようなもの.経年の劣化もある.キャノンの
ハーフサイズシリーズの非常に希少種「Demi C」~50と28mmの、2種
のレンズ交換式.この個体には50mm/F2.6の標準レンズと純正キャップ
とストラップが付属していた.そしてやはり動作品だった.そんな予感が
していたのだ.出品者は古物商のようで、取り扱うカメラなどは動作品の
確率が高い.経験上の私の知恵.故障品だったとしても修理にチャレンジ
してみたかったのだ.唯一の難点は、露出計の表示窓にあるはずの、適正
露出を表す指針を「追伸するための針」がないこと.レンズまわりにある
露出用のリングを動かしても、その針がないために、今どんな露出を選択
しているのか不明に.内部のどこかに針が引っかかっているのだろうか?
固着しているのかもしれない.だがもちろん運良く、撮影は可能である.
たぶん、ほとんどおなじ操作系の Demiの初代機の露出計の動きを参考に.
感度を同じ設定にして、Demiの指針をDemi-Cの操作に移し替えてもいい.
Canon Demi-C
●型式:35mmレンズシャッター式ゾーンフォーカス
●画面サイズ:24×18mm ハーフサイズカメラ
●標準レンズ:(レンズ交換式=ねじ式マウント)
SD28mm F2.8(3群5枚構成)、SD50mm F2.8(6群7枚構成)
●シャッター:セイコーシャL、ライトバリュー・プログラム式
EV8(1/30秒.F2.8)~17(1/250秒.F22)とB. ビハインド式
フラッシュシンクロはX接点式
●ファインダー:ケプラー型実像ファインダー
倍率0.41倍 視野率90%.SD50mmレンズ用視野枠付
●焦点調節:フォーカシングリングによるゾーンフォーカスマーク式
SD28mmレンズ=0.8~15m(∞)、 SD50mmレンズ=1.2~15m(∞)
1・3・15m位置に近・中・遠距離を表すピクトグラフ付
SD50mmレンズ用として距離目盛り表示付
●露出調節:セレン光電池式露出計の追針合致式
適正シャッタースピードと絞り値のプログラム式
●測光連動範囲:EV8~17=ISO100.フィルム感度=ISO10~400
●フィルム装填・給送:裏蓋開閉スープル差し込み式
上部レバー145度回転(予備角20度)、小刻み巻き上げ可能
●フィルムカウンター:裏蓋開放に連動 自動復帰する順算式
●フィルム巻き戻し:上部回転クランク式
●サイズ:115×68×37mm.370g=(28mm付.420g=50mm付
●当時価格:18,000円(SD28mm・50mm付き)
1,500円 (ケース)、300円(リストストラップ)
●発売:1965年(昭和40年)
*デミシリーズのバリエーション機種で、レンズ後部に設けた
ビハインド式レンズシャッターの特徴を利用して、ネジ式で
レンズごと交換できるハーフサイズカメラ.用意されていた
交換レンズは、標準のSD28mmに対して焦点距離が約1.8倍
に伸びる望遠系のSD50mm/F2.8があった。ファインダー内
に画界を示す視野枠が設けられていたが、その他の機能は、
デミに準じていた.(CanonのHPより転載してリライト)