コニカが、まだ小西六写真工業と称していた1950年代ころに発売された、
距離計連動式のマニュアルカメラ「Ⅱbm」～Ⅰ型から沈胴式を廃すなど
の改良を加えた機種．曲線のエプロンは直線的だったⅠ型より柔らかさを
強調したものらしい．実質的にはⅠ型の後継機のⅡ型をマイナーチェンジ
した普及機種として昭和30年に発売されたモデル．仕様のおもな変更点は
沈胴式のレンズをダブルヘリコイド方式に．二重露出防止装置の組み込み．
シャッターは巻き上げ操作時にチャージされるセルフコッキングではなく、
レンズ部分に配置された専用レバーを回転させチャージするタイプに変更．
巻き上げや巻き戻しの操作はノブ式に．…現在では名機との評判のカメラ．
今ではかなりの稀少品．状態のいい個体はもちろん安価には入手できない．
だが私はまた不思議と何故か、安くオークションで落札することができた．
シャッターが切れることだけが確認されたジャンク扱いの品で、740円＋
送料で千数百円ほど．普段の買いものよりはわずかに割高なだけの値段で．
そして運良く、撮影のための動作に問題はなく、ただ絞りの開閉にわずか
に粘りが発生している以外は、各部は機能している個体だった．精度にも
問題はなさそう．ボディもレンズも非常にきれいで、新品の状態を今でも
保っているような美しさ．金属の質感もすばらしいし．純正品のケースや
キャップやフードやカラーとモノクロ用の２種の小型フィルターも付属を．
Konica II bm
●レンズ：Hexar 50mm/ F2.8、Hexar 50mm/F3.5
●シャッター：コニラピッドS・B・1～1/500秒
●焦点調節：距離計連動式(ダブルヘリコイド方式)
●撮影距離：1.0m～∞ ●絞り：F2.8 ～ 22
●画面サイズ：24×36 ●カウンター：手動純算式
●サイズ：137×77×67 680g
●当時価格：27000円 ●発売：1955年（昭和30年）
非常に幸運な買い物だったらしい．撮影は可能で、数カットにⅠか２割の
程度で絞りの不調が発生する状況．試写の結果次第だが、このままの状態
で常用可能なカメラになるかもしれない．修理の必要がないほどのわずか
な不具合かもしれない．とりあえず簡単にボディを清掃．さっそく試写を．