娘から電話が.遊びに来ますか.ついでに赤ちゃんのミルクを
買ってきてもらえますか.彼女は自分の娘=私の孫への授乳は、
母乳から粉ミルクにかえたばかり.私は着替えて外出を.自宅
の近くに昨年末オープンしたばかりの大型薬局へ.娘から教え
てもらったメーカー品の大きな缶入りの粉ミルクを買う.バス
に乗って,娘が暮らすこの都市の中心へ向かう.後部座席から
30分ほど街なみを眺める.娘は街なかのワンルームマンション
に住んでいる.私のはじめての孫もそこにいる.生後4か月だ.
………………
先日、赤ちゃんの定期検診にいったらしい.私の孫娘は身体が
平均よりもかなり小さくて,娘は不安になったと.そういえば
私も孫にはじめてあった時に,小さい身体だなと感じたことを
思い出す.ミルクをたくさん飲ませなさい.そんな医者のアド
バイスも.しばらくあやして遊ぶ.先月よりもいくらか大きく
なったようなので,それなりに成長しているのだ.心配をしす
ぎるのもよくないこと.やがて孫娘は私の顔をじっと見てから,
きゅうに泣きはじめる.白髪混じりの無精髭の老いて中途半端
に太った大きな顔が怖くなったのだろうか.おしゃぶりをくわ
えさせて,だっこをしたら泣きやんで、やがて眠ってしまった.
粉ミルクの甘くなつかしい臭いもそこに.私のDNAを受け継ぐ
産まれて間もないおさなく小さな女の子.不思議な感覚にも.