休日なんで趣向を変えて、今日は読みものだけね(読みたいひとだけ読んで)。
これを最後まで読んだら、きっとあなたは「量子力学」と「とマルチバース」という最先鋭の基本知識をふたつ手に入れるよ。
最近のノーベル物理学賞は、素粒子論と宇宙論という量子系が一年おきにぐるぐると獲り分けてる構図なんで、この流行ってるやつの中身を知っといて損はないと思うんだ。
世間ではオカルトみたいなえせ見識が出回ってるんで、吾輩がちゃんとした説明を試みるものなり。
さて、量子力学についてはどこまで知ってる?
ものは、半分に半分に細かく刻んでいくと、行き着く先は原子という一単位になる。
この原子も原子核と電子でできてて、原子核も陽子と中性子という核子でできてて、核子もクォークという素粒子でできてる。
ところがこの小ささの行き止まりである素粒子ってのは、実体を持たない「波」なんだ。
これが集まって相互作用を起こすことで、ツブという物質のていになるんだ。
そして素粒子にはもういっこのへんなルールがあって、それがなんと「相互作用の現場を人間が見ないと実体化しない」ってことなんだ。
人間が観測しないと、物質は「まだ」そこには存在せず、波のままなの。
・・・結局オカルトみたいだけど、これは実験で証明されてる現代における最先端サイエンスなんで、覚えておいて。
ところで、あなたは三面鏡の中の自分が永遠の向こうまで無限に並んでるのを見たことがあるでしょ。
あれって、実は無限じゃないんだよ。
光速は相対性理論によって厳密に定数化されてるんで、鏡がどれだけがんばって無数のあなたを写し込もうとしても、その仕事は光の速度を上回ることができないんだ。
その像を見るあなたもまた、鏡のいちばん向こうの自分を光の速度でしか追いかけられないんで、結局、最後尾に並んだ自分を見られずじまいだ。
星を見ると、その星が何年も前に放った光が時間をかけてあなたの目に届くという理屈から、その星の姿は過去のものだ、ってのは知ってるよね?
これと同じで、あなたが見る対象物とあなたとの間にわずかでも距離がある限り、あなたの見てる世界は必ず過去の像だ。
あなたが見てるぼくの姿は、ほんのわずかだけ過去のもの、ってわけ。
ここで思い出してほしいのが、前述の量子論の「波の世界は人間が見たときにだけ実体化する」ってやつ。
あなたが見てるぼくの姿は、すでに実体化させた過去のぼくの像なんであって、あなたは現在のぼくをまだ見てないことから、現在のぼくはまだあなたの世界に存在してないと言える。
そしてまだ観測されてない現在のぼくはまだ波なんであって、それは重ね合わせやもつれの状態であらゆる可能性を持って漂ってる。
つまり、あなたが見てる時点から先の世界(厳密な現在)はまだ物質的実体として確定してなくて、無数に分岐してるんだ。
これがマルチバースの理屈だよ。
ほんとに世界はパラレルに分かれてるんだ、ってことが理解できた?
映画や物語なんかでこのへんが奇妙に解釈されてるけど、ちゃんと真の意味を知っとくのも悪くないよね。
たまにぶっ込もうかな、こんな豆知識ブログ。
勉強はなんたって楽しいからね。
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