中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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唐松岳・五竜岳・鹿島槍ヶ岳・爺ヶ岳縦走(3)

2007年08月04日 04時33分38秒 | 北アルプス
      北アルプス:唐松岳・五竜岳・鹿島槍ヶ岳・爺ヶ岳縦走(3)
                (山旅スクール挑戦コース)
         2007年7月28日(土)~8月1日(水)

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第2日目 2007年7月29(土) 曇

<唐松山荘へ>

■慌ただしく出発

 八方池山荘で1泊した私達は,今日から足かけ4日間にわたる北アルプス屈指の難関コース,八峰キレットを抜ける旅が始まる。昨夜,早くに就寝したが,余りよく眠れないまま朝を迎える。
 今日の天気予報は思わしくない。午後,雷雨になる可能性がある。そこで,ツアーリーダーの山岳ガイド,Nさんの判断で,早朝,4時に朝食を摂った後,速やかに登山を開始することになった。
 一同,3時30分頃に起床する。リュックを持って,他の登山者に迷惑にならないように,抜き足差し足で,食堂へ移動する。八方池山荘の特別な計らいで,本来ならば朝食は5時からだが,今回,特別に4時に朝食の準備をして頂いた。こんなに早い時間から暖かい味噌汁付きの朝食が食べられるのは幸せなことである。

                <八方池山荘の朝食>

 私達は,4時41分に八方池山荘(標高1840m)を出発する。全員を3班に分け,それぞれの班に山岳ガイドが付くという万全のチーム編成である。Flower-hillは3班になる。男性1人,女性3人が構成メンバーである。

■ケルンに沿って登る
 1班から順に,2班,3班と,少し間を空けて,つぎつぎに歩き出す。広々とした稜線を少しずつ登っていく。登山道の勾配はなだらかである。雲が多いものの所々に青空も見えている。暫くの間は,一般ハイカーも手軽に歩ける散策路になっている。散策路の両側には色とりどりの花が沢山咲いている。
 
 
             <登山道で見掛けた花の一部>

 5時11分頃,かなり大きな雪渓の脇を通過する。石畳の散策路が続く。そして,5時23分に八方ケルンの前を通過する。
 5時31分,第2ケルンに到着する。進行方向左手には唐松岳や大黒岳などの山々が屏風のように連なっているのが見える。

           <大黒岳方面の峰々:例年より雪渓が沢山残っている>

 5時36分,標高約2045メートル地点で休憩をとる。進行方向右手前方を眺めると,雲の間から,不帰の剣第1峰だけが見えている。屹立した嶮しい姿をしている。昨年(2006年)の今頃,不帰の剣を通過したときのことを思い出す。

        <八方ケルン>                    <第2ケルン>

■八方池湖畔周遊
 5時48分に再び歩き出す。やがて,登山道は稜線コースと湿原コースに分岐する。私達は,湿原コースを辿る。緩やかな傾斜を下って,5時53分に八方池の湖畔に到着する。雲と雲間の青空が湖面に明るく反射して見えている。八方池の周辺に湿原が広がっている。

                <八方池>


         <八方池湖畔の祠越に天狗の大下り方面が見える>

 湿原に繁茂する若草の緑が鮮やかである。池の向こうにはこんもりと盛り上がった丘が見えている。この丘を目指して,やや急な坂道を登っていく。

■下の樺と上の樺
 6時11分頃,下の樺(シモノカンバ)に到着する。大きなダケカンバの林が続く。足下には沢山の高山植物が繁茂している。6時33分に下の樺を抜け,露岩帯になる。さらに,この露岩帯を登り続けて,6時55分,標高2260メートル付近で,14分ほど休憩を取る。目の前には扇沢雪渓が扇の形に広がっている。
 
         <下の樺>                     <扇沢雪渓>

 7時09分に再び歩き出す。露岩帯の登山道を登り続ける。そして,7時18分にダケカンバの林が続く上の樺(カミノカンバ)に到着する。標高は約2300メートルに達している。数分で,上の樺を通り抜ける。この辺りが森林限界で,ここから上は完全な露岩帯になる。

            <不帰の剣の厳しい山稜>

 ガイドの説明によると,ここは2回森林限界があるように見える珍しい場所だという。下の樺を過ぎると,蛇紋岩地帯に入る。蛇紋岩地帯では大きな木は育たないので,ここで樹林帯が一旦途絶える。再び蛇紋岩がなくなると,上の樺の樹林帯になる。

■唐松山荘に到着
 8時21分,私達は無事に唐松山荘に到着する。ガイドが小屋番に挨拶をする。すると小屋番は,
 「やあ・・・しばらく。あなた方の顔を見ると,いよいよ夏が来たなと実感するよ・・・」
と言いながら,ニコニコしている。

                  <霧の中の唐松山荘>

 標高が高くなったためか,それとも天候が悪化しているためか,良く分からないが,何時の間にか,辺りは濃い霧に覆われていて,視界はほとんどない状態になっている。午後から天候が悪化することは間違いない。それならば,天候が余り悪化しない前に,今日宿泊予定の五竜山荘まで辿り着きたい。リーダーのNガイドには,こんな思いがあったのだろう。唐松山荘から唐松岳山頂を往復してくる時間も惜しい。そこで山頂往復を割愛して,先を急ぐことになった。
                      (つづく)


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