教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

合意形成マシーン

2015-09-08 | 雑感(教育以外の話題)
合意形成に関するワークショップ「合意形成って何だろう?」が9月6日(日)に行われました。

「合意」や「合意形成」そのものの定義を結構丁寧に追ったプロセスでした。


その中で、3人グループでフリーにディスカッションする機会があり、その中で、自分の中でふいに、「合意形成マシーン」が思い浮かんだので、ここに忘れないように報告したいと思います。


話し合いの合意形成をするときの欠点として、
1.人からどうみ見られているか? このような態度表明・意見表明をしたらどう思われるのかが気になる。
2.意見の移り変わりをリアルタイムで人に伝えることは難しい
3.全体がどちらを向いているかということがバイアスとなり、自分の意に反しているとしても、それを堂々と表明できない

1~3のようなことがあると思います。


そこで、デジタル機器をうまく利用したひとつのソリューションを提示したいと思います。
簡単のために、A案とB案のどちらかを合意により決めるプロセスを考えます。


ここでは簡単のために、何人かでA案かB案かを決定する話し合いをするとします。
手元には、どちらの案を支持するかわかるように、レバーのついた、他人からは見えない簡易装置があります。
よく、100人にスタジオで聞きましたというようなボタンで判定する装置がありますが、あれよりもファジーな意思表示ができるようになっています。集計はもちろん、リアルタイムにできます。

設定として、例えばA案にすごく賛成の場合は左端にレバーを動かしておき、B案にすごく賛成の場合は右端にレバーを動かします。
中立的な立ち位置の時は真ん中にしておきます。

討論中は、常にこのレバー装置を意識しておきます。


ここからが、上記の1~3の問題をカバーするための仕組みです。
いろいろな人が自由に発言しながら、各参加者は、レバーの位置を確認しておきます。
意見がかわったら、その時点でレバーの位置を随時動かします。
この動きは他人からは見えません。

意見を変えていく微妙な遷移過程を他人に見られないというところが特徴です。

リアルタイムにA案、B案のどちらを支持しているかの総意がグラフとなって、リアルタイムに記録されます。
公開世論調査に近いです。ただし結果は、最後の振り返りの時間まで明かされないのが特徴です。
(なぜなら、途中の結果をみることがバイアスとなり、自分の本来の意見が反映されなくなるため)

ひととおりの議論が済んだ後、
ログとして残っているグラフ(A案を支持していた、B案を支持していたのがどのくらいの割合になるか)
を全員で確認します。このグラフは、リアルタイムにA案、B案のどちらよりに傾いているかということを
時間をさかのぼって知ることができます。
(冒頭の図は、そのイメージ図です)

また、そのときに、どんな意見が話されていたかもログをとっておき
画面などで共有することができます。(この記録についてはオプション)

意見がどう移り変わったのかの遷移グラフの確認により、意思決定に携わる人の支持の傾向を
偏見なく振り返ることができます。

この振り返りの時間をもとに、また同じテーマで論じてもいいですし、テーマを変えて、違う問立てをして
話し合いを再開してもいいと思います。

もし、大方の人の意見が安定的にA案またはB案となっているのだとしたら、
機は熟したと言え、参加者の納得感が高い意思決定になっているのではないでしょうか?


人間の気持ちは、白黒いつもはっきりしてものではありませんし、同じ人でも時間によって、
また人の意見によってダイナミックに変わっていくはずです。

それを反映した、新しい合意形成を今後も模索していこうと思っています。
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