12月9日(日)にセントが入院しました。
セントのいない家の中はとても静か・・・
「セントはどこ?」と聞くと、ラブは一瞬スクッと立ち上がってキョロキョロと辺りを探し
ます。でも、いないと分かるとワン用ベッドにうずくまり、ママが構わない限りずっと寝ています。
飛び交う言葉も少なくなり、なんとなく、静か・・・
セントのおかげで、毎日がどれだけ活気があったか、思い知る日々。
では、11月29日(木)に診察を受けてから入院までのこと、改めてまとめておきます。
11月29日(木)
ASC(動物皮膚病センター)へ。
26日にHペットクリニックで抜いてもらった左下顎の水(写真、向かって右下顎)がもう溜まりはじめています。
26日に120ml.、29日のこの日は65ml.抜きました。
この日のACTH(副腎皮質刺激ホルモン)検査結果:15.5
正常範囲内だが前回(6.6)より高値になっており、デソパン1日1/2×2回投与を継続。
写真:病院待合室にて。
ネット通販で購入した赤い洋服、ちょっと大きすぎた
検査の1時間の待ち時間の間、すぐ近くの神代植物公園へ。落ち葉の積もった歩道
を歩いてみるが、セントは洋服が大きすぎて歩きにくそう。
駐車場の車の中で時間をつぶして再びASCへ。
顎に水は溜まっていても元気なセントでした。
11月30日(金)

前日、水を抜いたばかりなのに、もう下顎に水が溜まりはじめています。
でも、食欲はあるし、一応元気に見えます。
12月2日(日)
下顎に溜まった水、かなり目立ちます。
しかし、元気だし天気は良いし、ラブ姉ちゃんとおそろいの赤い洋服でお散歩に行くことに。
で、お散歩に行ったのはいいけど、やはり洋服が大きすぎて、セントだけでなくラブまでもとても歩きにくそう。
なので、お散歩を早めに切り上げて、ママは帰るなり二着の洋服の補正にチャレンジ。
同日夕方くらいから、水の膨らみがひときわ大きくなったような気が・・・
珍しくセントが夕飯を半分残した。
多分、水が溜まっているせいで食べにくいのではと推測。
明日は朝一で近くのHペットクリニックに連れて行き、水を抜いてもらおうと思う。
夜になり、寝そべったセントの息遣いがおかしいと感じはじめる。
呼吸のたびに、全身が震えている。
原因は溜まった水が喉を圧迫しているとしか思えない。

(写真:クリックで大きくなります)
この状態で朝まで待つわけには行かず、深夜の緊急病院を調べる。
Hペットクリニックより夜間対応動物病院のリストをもらっていたので、その中から
三鷹獣医科グループ病院とペットのための救急車・F&S動物救急をチョイス。
それぞれホームページで連絡先や受付時間や料金などをチェック。
両病院ともに夜間救急は2万円以上かかるらしいが、今はお金よりもセントの命。
救急車の中で処置してもらうより、診療室できちんと処置してもらう方が安心なので、
三鷹獣医科グループ病院に電話して、車でセントを連れて行く。
午後11時半過ぎ、三鷹獣医科グループ病院に到着。
これまでのセントの治療経過をプリントアウトしたものをドクターに見てもらい、水抜きを依頼する。
ドクターは慎重に問診をしてから水抜きをしてくれた。
水抜き量:80ml.
この日の状態と処置内容を書いた診断書を出してくれた。
診療費用は処置料1500円と初診・時間外診療費で計12.600円だった。
帰りは深夜のため、20分くらいで自宅に着。
まずセントをラブの待つ部屋に入れてから、車の中の荷物を取りに行く。
そして、部屋に戻った私はセントを見て一瞬、目がテンに

その手にはしっかりと北海タラちゃんが・・・
お留守番のラブのために大きめのタラちゃんを与えて出かけたんだけど、ラブは
ほとんど食べてない様子(異変を感じて食欲がなかったんでしょうか)
そのタラちゃんを見つけたセントはちゃっかり、しっかり自分の手に。

右や左から夢中で食べるセント・・・
夕飯は珍しく半分しか食べてないし、お腹が空いてたのねぇ。
いつもなら取り上げるところですが、今は食欲が戻ったこと、元気に食べる姿が見ら
れることが嬉しくて、好きなように食べさせました。
食欲不振も、呼吸困難も、やはり顎下に溜まった水のせいでした。
12月3日(月)
朝一でASCの主治医に電話。
昨夜のセントの状態を伝える。水の溜まる速度が早くなっており、今の状態では数日
に一度の水抜きが必要。でないとまた昨夜のような事態を引き起こす可能性がある。
主治医によると、毎週火曜日は皮膚科以外の専門医の診察日で、その先生にも
セントの状態を見てもらい、これからのことを判断しましょうとのこと。
セントの食欲は普通に戻っている。
無糖無脂肪ヨーグルトのトッピングは中止した。
投薬時、錠剤二種はバナナを小さく切った中に埋め込み、粉薬は無糖ヨーグルトに
混ぜて与えている。
この無糖ヨーグルトのメーカーは固定していず、スーパーに買い物に行った時には
だいたい、森永とか明治の無糖ヨーグルトが安売りになっているのでどちらかを購入。
ただ、今与えている無糖ヨーグルトは11月29日に初めて行ったスーパー・イオンの
オリジナルブランドの無糖無脂肪ヨーグルト。甘味抜きだとこれが結構スッぱい。
で、やっとハタッと気が付いた。
酸っぱいものは、唾液腺を刺激する!!!
余分な唾液が出てしまう・・・
というわけで、他の無糖ヨーグルトに比べてとりわけ酸っぱいこのヨーグルトは即時
中止にした。(あ、誤解なきよう。健康時に食べるのは何ら問題はないですので)
12月4日(火)
午後、指定された時間にASCへ。
火曜日だけ診察に来られているのは川口動物医療センターのA先生。
このA先生と、主治医のS先生とでセントのこれまでの経過や直近の状態などを診
て、今後の治療方針を話し合う。
水の溜まる原因としては、唾液腺が損傷(断裂?)ており、そこから唾液が皮膚の間
に溜まっていると思われる。
A先生によると治療法は二つ考えられるという。
①全身麻酔下による唾液腺手術
皮膚を切開して、唾液腺の損傷部を縫ってやる。
しかし、この場合、いくつかの危険が考えられる。
一つは全身麻酔薬によって起こる危険性。血栓などができ易く、そのため血管が
詰まり命を落とす危険がある。当然、全麻使用前には血栓予防薬を処方するが、そ
れでも危険がないとは限らない。
次に、唾液腺の損傷部分の縫合に関して。損傷した周辺の唾液腺が脆くなってい
る場合、縫合しても縫合部分がすぐに崩れてまた断裂する可能性がある。
さらに、損傷した唾液腺が目視出来る場所にあれば手術そのものは難しくないが、
目視できない場所に潜り込んでいる場合、唾液腺の近辺には顔面神経があり、手術
により顔面神経に影響が出てくる恐れがある。
②局所麻酔によるドレーン手術
水(唾液)の溜まっている箇所にドレーン(排液管)を挿入し、液が溜まらないよう
常時、排液してやる。
この場合、一番気をつけなければならないのはドレーン孔からの細菌感染。
特にクッシング症候群では免疫機能が落ちており、通常より細菌感染しやすい。
そのため、家庭での厳密な消毒管理が必要になる。
A先生は、最初から大きな危険を犯して①を行うより、まず②の処置をして、その
結果を見てはどうかという。
S先生も同意見。
もちろん、私もA先生の話を聞きながら心の中では②を選んでいた。
大バクチみたいな①は不安が大きすぎるし、毎日の消毒が大変だったとしてもやは
り②の方法でしょう。
ということで、川口動物医療センターにて9日にドレーン手術を行うことに決定。
12月9日(日)
4日、ASCで手術日が決まり、4,5日の入院が必要ということを聞いて以来、ママの
脳裏には不安が浮かんでは消え、浮かんでは消え・・・
大分前に読んだ「多摩センター動物訴訟」や「多摩センター動物病院事件のまとめ」
で、入院した動物たちの悲惨な状態が記憶に甦る。
だが、しかし、問題の病院と全く異なるのは川口動物医療センターのA先生は、とて
も信頼できる先生だということ。
手術に関する説明も丁寧に十分行って下さった。
なので問題病院とは比べものにならないほど安心なのだが、そうはいっても、セント
には肉体的負担と同時に精神的負担も掛かってくるわけで、どんな急変が待ちうけ
ているかも分からない。
心配し出したらきりがない。また私が心配しているとセントも不安になる。
不安なことばかり考えないで、まず一番は、A先生を心から信頼すること、そして、私
ができることを準備しておくこと。
そういうわけで、ここ数日はセントに異変が現れてから現在までのことを、要点を抜
き出して表に作り直す。
A先生にセントの状態を正確に把握しておいて欲しい。そのための情報を作っておく
ことが今できる私の精一杯のことだった。
そしていよいよ当日の朝。
ギリギリまで作っていたセントの経過表、飲水時間と食事時間の記録表とそれをグラ
フ化したもの、5日分のハードフード、毛がないセントのための着替え二着などを、こ
れまた手作りの「清水セント」の名札をつけた“お泊まりバッグ”につけて出発。
自宅から外環自動車道で川口市の病院へ向かう。
カーナビ通りに走っているのに、大泉近辺で二度も曲がる所を間違ってしまい、
約50分後、予定より10分遅れて午前11時30分過ぎに川口動物医療センターへ到着。
午前の診療は11時30分までだけど、まだ何組かの患者動物たちが待っていた。
その中にシーズーちゃんもいて、同じシーズー同士自然に会話が。
このシーズーちゃんも一般動物病院を経てASCに辿り着き、そこからこの病院に来
ることになったのだという。
文京区から通っているとのこと。・・・むむむ、みんな家族の動物のために一生懸命
なんだなぁ。
間もなく、A先生が待合室に出て来られて、「セントちゃんが入院に耐えられるかど
うか、まず様子を見てみたい」とのことで、セントを階上のお泊まり室に連れて行く。
待つこと約1時間で診察室に呼ばれる。
セントは新しい環境にもすぐ慣れた様子で、お泊まり(入院)は問題ないとのこと。
神経質なラブに比べて、好奇心旺盛で人もワンちゃんたちも大好きなセントのこと。
やはりね、と納得。
これでセントを約5日間入院させることが決定したわけだけど、あと問題は面会。
50分かかったとしても、できることなら毎日セントの様子を見に行きたい。
だけど、セントの身になれば、「ママが迎えに来た! おうちに帰れる!」と毎回期待
するにもかかわらず、ママはセントを置いたまま帰ってしまう・・・では、却ってセント
が可哀そう。
「心配で心配で、毎日でも会いたい・・・なんて思うのは人間側の勝手な感情なんでし
ょうね」と思わずA先生に向かって呟いてしまう。
「実はそうなんですよ。動物たちは割りと平気なんですよ」とA先生は笑って答えた。
それでママの腹も決まった。
治療に集中するセントの心を乱さないために、緊急のことがない限り中途半端に
様子は見に行かない、と。
そして、ママはセントを病院に預けて一人で帰って来ました。
が、が、帰りついた途端に、心配とセントのいない寂しさに涙が噴出すように出てきて、
ついには声を上げて泣いてしまいました。
ラブがそんなママを心配そうに見ている・・・
いつもはいるはずのセントがいないというだけで、この大きな寂しさはなんなのでしょう。
セントの場合は、病気を治すために入院しただけで必ず元気に帰ってくると分かって
いるのに、家の中にセントがいないことがどうしようもなく淋しい。
ペットを亡くしたペットロスの人の気持ちが本当に本当によく分かりました。
ひとしきり声を上げて泣いたあと、今度はラブの気持ちが心配になって来る。
「私がいるのに、セントじゃなきゃダメなの?」
ママがあんまり淋しがり悲しんでいると、ラブのそんな声が聞こえてきそう。
「ラブがいてくれるから、まだママの淋しさは少なくて済んでるんだよ。いてくれて
ありがとうね、ラブ」
そう言ってラブを何度も抱きしめました。
12月10日~
翌日もセントのいない寂しさで、なんども涙ぐんでしまいました。
同時に病院から電話がないことにホッ。電話があるとすれば緊急事態ですから・・・
本日午後からセントの退院について電話で聞く予定。
順調にいっていれば、明日はお迎えに行けるはずです。
早く早く、セントに会いたい・・・