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「ペルソナ・ノン・グラータ」とは?2025年トランプ政権下で南ア大使が追放

2025-03-22 05:36:07 | 日記

2025年、トランプ政権下で「ペルソナ・ノン・グラータ(persona non grata)」という外交用語が注目を集めました。これは、南アフリカの駐米大使エブラヒム・ラスール氏がアメリカ政府から「好ましからざる人物」と宣言された事件によるものです。この出来事は、国際社会における外交関係の複雑さと、「ペルソナ・ノン・グラータ」の概念の重要性を浮き彫りにしました

エブラヒム・ラスール大使とは

エブラヒム・ラスール氏は、2013年から南アフリカの駐米大使を務めてきました。彼は南アフリカの政治家であり、過去には西ケープ州の首相を務めるなど、国内外で高い評価を受けてきました。しかし、2025年3月、彼の発言が米国政府との間で大きな波紋を呼ぶこととなりました。

発端となった発言

ラスール大使は、ヨハネスブルクのシンクタンク向けに行った講演で、トランプ大統領とその支持者たちを「白人の被害者意識」を掲げる「至上主義者」と批判しました。この発言は、アメリカの保守系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」によって報じられ、米国政府内での反発を招きました。

ルビオ国務長官の対応

この報道を受け、マルコ・ルビオ国務長官は自身のSNSでラスール大使を名指しし、「人種問題をあおる政治家で、米国とトランプ大統領を憎んでいる」と非難しました。さらに、「彼と話し合うことはなく、『ペルソナ・ノン・グラータ』とみなす」と宣言しました。これは、ラスール大使がアメリカ政府から正式に「好ましからざる人物」として認定されたことを意味します

南アフリカ政府の反応

ルビオ長官の発言に対し、南アフリカ大統領府は遺憾の意を表明し、確立された外交的手続きを取るよう求めました。また、「アメリカとの互恵関係の構築に引き続き尽力する」との声明を発表し、両国間の関係維持に努める姿勢を示しました

「ペルソナ・ノン・グラータ」とは

「ペルソナ・ノン・グラータ(persona non grata)」は、ラテン語で「好ましからざる人物」を意味し、外交上、接受国が特定の外交官の受け入れを拒否する際に使用される用語です。外交関係に関するウィーン条約第9条および領事関係に関するウィーン条約第23条で規定されており、接受国は理由を提示する義務なく、いつでもこの宣言を行うことができます。この宣言を受けた外交官は、派遣国によって召還されるか、任務を終了しなければなりません

「ペルソナ・ノン・グラータ」の起源と使用例

「ペルソナ・ノン・グラータ」の概念は古くから存在し、外交上の慣習として確立されてきました。例えば、1973年には、韓国の1等書記官が金大中事件に関与した疑いで日本から「ペルソナ・ノン・グラータ」と宣言されました。また、2006年には、駐日コートジボワール大使館の外交官が暴力団との関与が疑われ、「ペルソナ・ノン・グラータ」として認定されました

このように、「ペルソナ・ノン・グラータ」は、外交関係において接受国が特定の外交官を受け入れられないと判断した場合に使用される重要な手段であり、国際関係の調整や安全保障の観点からも重要な役割を果たしています。

今回の事件の影響

エブラヒム・ラスール大使に対する「ペルソナ・ノン・グラータ」の宣言は、南アフリカとアメリカの外交関係に一時的な緊張をもたらしました。しかし、両国ともに冷静な対応を心掛け、対話を通じて関係修復に努めています。この事件は、外交官の発言や行動が如何に国際関係に影響を及ぼすかを再認識させるものであり、今後の外交活動における慎重さの重要性を示しています

まとめ

2025年に発生したエブラヒム・ラスール駐米大使に対する「ペルソナ・ノン・グラータ」の宣言は、外交上の緊張を引き起こしました。しかし、両国の冷静な対応により、大きな対立に発展することは避けられました。この事件は、外交官の言動が国際関係に与える影響の大きさと、「ペルソナ・ノン・グラータ」という外交手段の重要性を改めて浮き彫りにしたと言えます


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