日々・戯言の叫び

感じた事とか色々、表に出せない事を吐き出す独り善がりで嘘つきな日記

最近ネットの調子が悪いです

2013-02-18 20:24:08 | Fate系
突然回線が繋がらなくなるの・・・。
昨日もそれで使えなかったのです。
何でやねん。
兄が言うにはモデムが悪いかもしれないらしいが、私にはさっぱりわからないよ!!
前の続きの聖戦ですー。

使えるときと使えないときがある。
夜は特に調子が悪いんですが、使うのはたいてい夜だよ、畜生!!


Fate/Zero。
オリキャラが無双した話。
個人的にはオリキャラ無双系苦手なんですが・・・。ハーレムものとか読めないんです。
だから書けない。そもそもハーレム苦手ー。
ちなみに話自体は今回で終わりですが、おまけ的な解説があと1Pあるんだぜ?w


世界は幻想を模索する 4P


白地に赤い花びらの散る着物を身に纏う白い髪の子供は物珍しそうに周囲を眺め、浮き足立った足取り。手にした風呂敷包みが歩調に合わせて派手に揺れていた。
灰青の着物、深緑の羽織りの白髪の男性は両手で薄紫が斑を描くやはり着物の幼い子供を抱えている。
男と並んで歩くのは、品の良い女だった。濃い紫の蝶が跳ぶ着物と、紫紺のマフラーが良く似合う。
まるで仲の良い家族の様な。道行く人々は微笑ましく目を細めて見送った。

両開きの扉。外の光と共に入ってきた男――間桐雁夜の姿を認め、一斉に視線を向ける。
教会に集った聖杯戦争参加者。
確認しに行った聖杯は、確かにその名に相応しからぬほどに穢れきっていた。
これでは駄目だ。
叶える願いに相応しい厄災を振りまく、有形の悪夢。
外部の魔術師であるケイネスとウェイバーは、まだいい。
聖杯戦争に参加することが目的であって、真実聖杯を渇望していたかというとそうでもない。
アサシンのマスターである綺礼も似たようなもの。
教会からの命令と、己の答えを知りたくて参加しただけだ。
彼はちらりとセイバーの真のマスターたる男を一瞥した。
今にも死にそうな顔。その目は絶望に荒んでいる。覇気など欠片も感じない、抜け殻と化している衛宮切嗣。
傍らの白い女は懸命に彼を慰めているが、効果はない。
女の隣に腰掛けたセイバーも青褪めた表情。
己の存在を、王であった事実を間違いとした彼女は過去のやり直しを望み、悲劇の回避を悲願としていた。
目の前に提示された奇跡が打ち砕かれたのだ。
マスター共々茫然自失の状態に陥っている。
その原因であるキャスターを――八つ当たりとはわかっていても――睨みつけるが、当の本人は何処吹く風と受け流す。
時臣もまたどこか苛立たしげに、その隣に座った桜は唇をきつく噛んだまま縋るように、雁夜を見た。
「初めまして、バーサーカーのマスター間桐雁夜です」
「それでキャスターのマスターのになってるのがこの子さね」
「雨生龍之介君です。よろしく」
「えーと、俺バーサーカーな」
頭を垂れる雁夜と彼の腕に抱えられた子供を指すキャスター。軽く手を上げるのが真っ白なバーサーカー。
「バーサーカー、あれを」
「おう!
監督役って・・・あんたか? はい、これ。第三次の資料だって」
ぽてぽてと無造作に近付いた子供は、はいと風呂敷に包まれた紙の束を差し出した。
害意も何も無く余りにも自然な動作で差し出されたため、璃正も極々自然に受け取ってしまう。
「俺は魔術師もどきで知識なんてモノはありませんから、これくらいしか提供できなくて。
家の書庫には探せばもっとあるかもしれませんので、調査に来てもらっても構いませんよ」
「宜しいので?」
バーサーカーに優しく微笑みかける雁夜の思わぬ申し出に、璃正は問い返してしまう。
魔術は秘匿されるべきものであり、自身の領域に他者の侵入を許すことなど通常ありえない。しかも魔術書の類も多く収められているだろう書庫に。
聖堂教会に属するとはいえ、魔術師の事情を理解している璃正の戸惑いは当然なのだ。
「はい、俺自身は大して役に立てないでしょうし。俺が見てもわかりませんからね」
浮かべる笑みはあくまで穏やかで、その容貌も相まってひどく儚げに映った。
これが本当に御三家の一角を担う人物だろうかと首を傾げざる得ない。
ケイネスやウェイバー、そして切嗣もその資料を覗き込み、其処に示される事実――辛うじて読み取れた聖杯の穢れやアンリ・マユの記述――に肩を落とす。
聖杯戦争を再開するにしてもまずはこの中身を何とかしなくてはならないだろう。何とかしたところで問題が解決するとは思えないが。
さすがにアレを目にして馬鹿正直に万能の願望機と信じることは出来ない。
深々と溜息をつく一同。
あからさまに落胆する様子を苦笑しつつ見守る雁夜に、近付く人影。
「雁夜・・・!」
胸の内で滾る何かを押し殺した声を発したのは時臣。後ろに桜を伴って。
ひどく難しい顔をして雁夜を見詰め、いや睨みつける。
気付き、振り返った。が、その目はいつもの激しさを欠片も宿してはおらず。
それどころかきょとんと、首を傾げられた。
「ええと・・・ああ。遠坂さんですね、初めまして」
「――何?」
ゆるりと品のある動作で頭を垂れる彼に、時臣は眉根を寄せた。
はじめまして? 一体雁夜は何を言っている。
嫌味か? しかし、彼は直情的な男だ。こんな遠回しな嫌味など言うタイプではない。
思考の停止した父の隣をすり抜けて、桜が飛び出す。
「雁夜おじさん!」
その足にしがみつき、幼い双眸に今にも零れそうな雫。
雁夜はやはりその様子を不思議そうに見詰め、次いで苦笑を零した。
「お嬢ちゃんはどなたかな? いけないよ、知らない人にこんな風に抱きついちゃ。世の中には悪い人もいるんだから」
口調は穏やかで優しいけれど。龍之介を抱いたままの腕は決して桜の小さな丸い頭に伸ばされない。
「お、おじさん・・・?」
絶望を瞳に映し、桜の体が傾ぐ。
その背を受け止め、時臣は雁夜を凝視した。
とても嘘を言っているようには見えない。
そもそも雁夜は時臣を嫌悪しているが、対照的に娘である凛と桜のことは溺愛しているといっても良い。
だから間違っても桜を傷付けるようなこと、するはずが無い。
ならば、これは誰だ?
「――? どうかしましたか遠坂さん?」
己を凝視する時臣に、雁夜は曖昧に笑う。
「桜の、養子の件についてだが」
「養子? もしかしてこのお嬢さんを、ですか?」
「そうだ」
「それでしたら、お断りします」
微笑んで、きっぱりと言う。
「な、何を!? これについては臓硯氏にも承諾を取っている! 君が口を出す権利は無い!!」
思わず声を荒げる時臣を、雁夜は困った様に眉を下げそれでもやはり毅然と言う。
「臓硯はもはや当主ではありません。現当主はこの俺です。
その俺が判断したまでです。遠坂さんのお子さんは、我が間桐には要りません」
要らない。
その一言で、桜の顔色がざっと青褪める。
これまで一度だって優しい雁夜おじさんは桜を否定するようなこと、言わなかったのに!
「しかし、間桐には跡取りがいないだろう? これは両家の盟約に従ってのことだ」
「跡取りなら問題はありません。この龍之介君を俺の養子として引き取ることにしましたから。幸いこの子の属性は水。間桐の魔術と相性は悪くないでしょう。
第一盟約というのなら、お互い不可侵じゃないですか。間桐なんぞに養子に来たら近くに住んでいるのに、その子は家族に会えなくなるでしょう? それは可哀想だ。
それに、その子が大きくなって遠坂さんと争うことになる可能性もあるし、不可侵を破り遠坂に間桐の魔術をばらす可能性もある。
それでは平等ではないし、交わした盟約すら意味の無いものになります。
ですから養子の件、受けるわけにはいきません」
時臣の目を見て、言い切られた。
確かに筋は通っている。
間桐の当主に自分の子供が。それによって得られる利に対して、時臣とてなんら下心が無かったとは言わない。
遠坂の血が間桐に入ることで不可侵が破られる可能性は確かにある。
だからこそ雁夜が断るのも最もで。後継となる者がいるなら、桜を引き取っても不都合。
魔術とは一子相伝なのだから。
正論ではある、だがしかし。
目の前で腕の中の幼子に慈愛に満ちた目を向けるこの男は、誰だ?
固まる遠坂親子の姿を見、英雄王は泰然と佇むキャスターに声をかけた。
「おい雑種、一体アレはなんだ?」
彼とて、その状況の不自然さには気付いていたのだろう。
時臣のサーヴァントであるアーチャーは養子の件など聞き及んでいるだろうし、実際遠坂に返された桜と会話もした。
だからこそ、異常であると知る。
桜に聞いた間桐雁夜という人物は随分とお人好しで少女を可愛がり、決して無碍にするような男ではなかった。
少し離れた所で時臣と向かい合う男は柔和な態度ではあるが、桜に対する気安さなど感じられない。アレは赤の他人に対するそれだ。
そんな英雄王に、キャスターは仕方が無いと言いた気な苦笑を返す。
「お嬢ちゃんが願ったのさね。家に帰りたいと。坊やはお嬢ちゃんの願いを叶えて欲しいと願った。だから叶えたのさね。――代償を持って」
「代償?」
なんだそれは?と問うたのは、いつの間にか傍に来ていたライダーだ。
キャスターはやはり透明な笑みを浮かべ。
「そうさ。それに相応しい代償と引き換えに、願いを叶える。そういった能力さね。
遠坂家の者全ての記憶、それが坊やの代償さね。
だから今の坊やはあのお嬢ちゃんのことを覚えていない。他人としか思えない」
「ふぅむ、そんなものが代償になるのか?」
「なるよ。だって坊やにとっては価値のあるものだったからね。
遠坂葵を中心として、優しさや愛しさ暖かさ。それら全てを持つ幸せな記憶だったんだよ。幸せってのは大事だよ。自分を肯定してくれる。それが一気になくなったんだ。普通なら情緒不安定になるんだけどね。あの坊やは数日寝込んで、目が醒めたときには随分落ち着いてたよ。
多分、良い方向に作用したんだろうね」
苦笑交じりのそれは、しかし確かな母性を感じさせる。
「ま、恋心もあそこまで行くとただの呪いだしねぇ・・・」
小さな呟きはアーチャーとライダーに届いたが、問う様なことはしない。
代わりに代償を支払えばどんなことを何処まで出来るのかと、子供の如き無邪気さで質問攻めにしてきたが、女はにこやかにそつなく答えを返していた。
資料の内容の検証と、間桐にある資料の確認は後日改めて行うことにして、解散の流れとなった。
最も雁夜が持ってきた資料だけでも充分に信憑性はあったものの、切嗣を初めとしたアインツベルンの陣営が諦めていない。それ故はっきりさせるために間桐で眠る資料を漁る。そう決定した。
書庫に他の魔術師が足を踏み入れる点について、現当主である雁夜は快諾した。
日にちが決まったら教えて下さいと会釈して、雁夜はキャスターたちと仲睦まじく帰っていく。
その背を時臣は複雑な表情で、桜は縋る様に見送った。

第四次聖杯戦争は、あっけないほど簡単に――参加者たちの心情などまったく無視して幕を下ろした。

書庫を漁る時計塔の講師と、その彼にいい様に使われている生徒。
彼らの参戦動機は似通っている。
端的に言えば己に箔を付けるため、だ。
聖杯戦争への参加そのものは既に箔であり、だがそれだけでは足らぬと、今日も間桐の書庫に眠る資料を解読することで新たな知識を得、真実を紐解いてゆく。
それによって更に切嗣の希望は断たれていくのだが、そんなこと二人には何の関係も無い。
書庫を開放するかわりとして、魔術師としてはあまりに未熟な雁夜に講義も行っていた。
「ありがとうございます、ケイネスさんウェイバー君」
穏やかに頭を下げる雁夜と一緒に飲むお茶は美味しかった。
玉露というものはケイネスもウェイバーも初めて飲んだが、仄かな甘味と芳醇な薫りが疲労した頭を癒しくれる。
日本茶と言うものも中々良い、イギリスに帰ったら取り寄せてみるか。
ケイネスはそんな事をちらりと考えた。
目の前の当主は魔術師らしくないが、それは仕方の無いことだと時計塔師弟は思う。
間桐の内情は反吐が出るほどに異常だった。
代々の間桐の人間は全てが生餌。ただ一人の欲望を長らえさせるための道具。
魔術の知識など望めはしない、劣悪な環境。
よくもぁ今まで持ったものだ。とっくに廃れて当然の環境だと言うのに。
それが間桐の化け物の悪足掻きの結果なのだろう。
キャスターが封印したという『蟲倉』はウェイバーどころかケイネスでさえ近付きたくないと言い、好奇心の塊のライダーすら眉を顰めるドス黒い何かを滲ませている。
「あれをどうにかしないといけないからね」
苦しげに眉を寄せ、それのある方へと視線をやり雁夜は言う。
魔術とは縁を切りたいというのが彼の本音。しかし、アレがあるかぎりその願いは叶わないのだと解っている。
だからこそ、彼は今懸命に魔術を学ぶ。
跡継ぎとなる龍之介のためにも、力を付けるために。
真剣な表情に真摯な声。
それは好感の持てるもので。
なにやら遠坂との確執を抱えているようだが、おおむね二人は雁夜に対して好意的だった。
窓の外では子供のはしゃぐ声。そして今日も彼らは間桐の屋敷で魔術と向き合って過ごす。


幻想はいつだって貴方の味方。ただ只管に好き放題に世界を紡げ、愚か者!!

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