日々・戯言の叫び

感じた事とか色々、表に出せない事を吐き出す独り善がりで嘘つきな日記

とち狂った

2008-04-20 16:17:32 | 零崎
としか思えない。
パラレルにも程ある話です。一応零崎小話、なのかな?
ご注意ですよ~。

戯言×妖逆門の超クロスオーバーパラレル

ぷれい屋赤色と個魔大鋏

ははは、ふざけんじゃねぇぞ☆って方は今からでも遅くないので、逃げて下さい!


「うふふ、流石ですね。潤さん」
「おう、当然だろ!」
傍ら、先ほどの対撃の勝利に対して賛辞の言葉を送る個魔に、ぷれい屋たる少女は胸を張って頷いた。
少女の名は哀川潤。
十歳のそれはとても可愛らしい女の子。
真っ赤な髪が印象的。
個魔の名はレン。
二十歳後半の、黒スーツ姿の男。
似合いもしない銀縁眼鏡が特徴的。
現在百鬼夜行のげぇむ――妖逆門に参加中だった。
四十四年に一度のげぇむ。
優勝者はどんな願いでも一つだけ叶えられる。
多くのぷれい屋が、それを目当てに参加しているのに対し潤は違った。
望みは己の手で叶えるもの!
それをモットーとしている彼女にとって、望みを叶えてくれるという言葉は何の魅力も無い。
ならばなぜ参加しているのか?
単純に面白そうだったから。そして、レンの家族を救う為に、だ。
二人が始めてあったとき、潤はプチ家出中だった。
認めたくは無いが、変えようも無い真実として大嫌いな父親がいる。
年がら年中狐のお面をかぶっているような、いかれた親だ。
その父親と喧嘩してのプチ家出。
気ままに街をうろついている最中、うふりと影からわいて出てきたのだ。
レンが。
彼は言った。自分と百鬼夜行のげぇむにいかないか、と。
潤は最初断ったのだ。
願いが叶う、なんてそんな甘言興味も無いし信用も出来なかった。
そうしたら、レンはいきなり情けなく泣きついてきた。
家族を助けてくれ、と。
妖逆門の手によってほとんどの妖怪が捕らえられ、無理やり撃符というものに封印されて、戦わされている。
撃符にされた妖怪のなかには自分の家族がいるのだと。
大切にしてくれるぷれい屋に出会えれば良いけれど、もしタチの悪い人間の手に渡ってしまったら……。
いくら強い力を持っていても撃符の状態では何も出来ない。燃やされたり破られたら、それで終わりだ。
それに、とレンは続ける。
個魔になる事を拒んだ自分も、そのせいで本当の名前を奪われてしまった。
レンという名前に縛られて、個魔をやるしかないのだと。
妖怪にとって、名前とはその存在を表すとても大事なものだという。
それを聞かされては、その手を取る以外選択肢はなかった。
潤はそーゆー話が苦手なのだ。
いや、物凄く弱い。
だから、卑怯だー!と喚きながらも承諾してしまった。
一度決めたらやり遂げる。それが潤だ。
今までのげぇむは順調に勝ち進んでいる。
それに、色んなぷれい屋に出会えて結構楽しい。
以前のげぇむでは策士を名乗る少女に出会った。彼女の個魔はユマというらしい。
少し前のげぇむでは青い髪の少女に出会った。彼女の個魔は死んだ魚の目をしているという。
他にも色んな相手とであった。
人間だったり妖怪だったり色々だ。
願いなんてどうでもいいが、こうやって誰かと知り合うのは楽しかった。
それに、無駄な薀蓄を披露してくれるノリの良い個魔のことも気に入っていた。
だから優勝しよう、とそう思っている。
願いはレンのために遣うつもりだ。
自分の為より、誰かの為。
だってその方が――

「格好良いじゃねぇか!」

不敵に笑う彼女。
個魔が首を傾げて、
「え? 潤さん、何か言いましたか?」
「何も言ってねぇよ」
にかりと笑って歩き出す。
「ほら、レン! さっさと次のげぇむに行くぜ!!」
「はい、潤さん。頑張りましょうね」
「おう!」

連れ立って歩く二人の姿に一つの影。
それはげぇむが終わるまで、決して離れる事の無い刹那の絆。


現実と幻想? 区切りをつけるそんな言葉、本当は意味なんて無いのよ?

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