日々・戯言の叫び

感じた事とか色々、表に出せない事を吐き出す独り善がりで嘘つきな日記

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2008-06-06 22:04:41 | 零崎
拍手とかカウンターつけようかなーと思ったんですが。色々巡ってみましたが…結論メンドイ(こら)。
本日は一賊小話~。


「さて、試験勉強でもすっか」
汀目俊希――本名零崎人識。
表向き中学生の殺人鬼。
部屋のドアをしっかり施錠し、一人ごちる。
学生たる彼には期末試験というものが存在する。
出席日数を計算して学校に通っている身としては、周りが納得するような点を取らなくてはいけない。
下手に低い点を取ってしまうと、色々と世話を焼いてくる委員長が黙ってはいないのだ。
些細な面倒をさける為にも、勉強は必要。
机に向かった丁度そのとき。
「ひーとーしーきー!」
どごん。
ドアにあるまじき轟音で、ドアが開いた。
入ってきたのは針金細工のような男。
兄、零崎双識。
「何で、入ってくるんだよ! むしろ何で入ってこれるんだよ!!」
確かに鍵は閉めたのに!
「うふふ、いやだなぁ。人識君、それはもちろん兄の愛さ!!」
愛用の鋏をくるんと一振り。
床に鍵の残骸が落ちていた。
「畜生……」
施錠くらいでは効かないのか。この馬鹿兄貴!
「さ、人識。一賊のお仕事だよ。もちろん協力するよね☆」
「可愛らしく首を傾げても気味悪いんだよ、兄貴がやると!!
俺は試験勉強があるんだ! 出てけ~!!」
「おいおい酷いなぁ。人識は」
いつもと同じうそ臭い笑顔の兄の背を押して、無理やり部屋から追い出した。
ほとんど壊れたようなドアを閉めて、はぁ~っと息を吐く。
「たく、あの馬鹿兄貴はよ~」
改めて机に向かおうとしたその背中に、
「こらこら、駄目じゃないか人識」
声が掛かった。
振り向いて見たのは、窓から室内へと入り込む兄の姿。
ちなみに、ドアから追い出して、まだ十秒と経っていない。
「なんでいるんだよ?! いや、どうやってきたぁ!!」
「それはもちろん、外から回り込んで」
「いや、おかしいだろ、あきらかに!!」
「うふふ、駄目だよ人識君。
細かいことを気にしていたら身長が伸びないぞー」
「余計なお世話だ!!」
「さ、行くよ~」
「いてぇ、いてぇ! この馬鹿兄貴!! 離せ~!!」
くきっと関節を極められて、見事に身動きが取れなくなる。
人識にはナイフがある。
相手が兄で無ければそれで全ては事足りる。
だが、相手はあの兄だ。
例えどれほど変態でも。家族愛を通り越してすでにフェチに領域に達していようとも。妹マニアでも、赤色大好きでも。
零崎一賊の長兄であり特攻隊長であり、二十人目の地獄の異名を持つ殺人鬼。
ナイフを振るえば、いや手にしただけでもこの兄貴は容赦なく人識の手足くらいへし折るだろう。
「くそう、俺は勉強があるのにー!!」
「うふ、うふふふふ。
逃げようとしたら斬り取るぞ、この餓鬼」
どすの利いた声。
斬り取るってドコをだよ!?
突っ込みはけれど、胸の中声には出さず、虚しく消えていった。

人識が期末でいい点を取れたかどうか。
誰も知らない。


お願いだから放っておいて! そんなときに限ってトラブルはやってくる!!

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